[詩] たね

私が困ると笑った
いやな感じじゃなかった
抱きしめるより暖かいことって
あるんだと思う

私が泣くと ただそこにいた
ひとりで泣いてて ひとりじゃなかった
涙をふくより優しいことって
感じられるものだ

わたしを見下すひとたちに
わたしがふるえて怒ったとき
手を握り
目を見つめ
ここに自分がいると言った

自分がつかめず
うろたえて
見つけられず
その何かが

そして
たねをくれたのは あなた

わたしが笑うとほほえむ
少年なのか おとななのか
人を抱いても気持ちいいけど
自分を抱いても心地よいことを
教えてくれた
信じさせてくれた

たねをくれたのは あなた

そして

そだてたのは わたし

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