ひとり居酒屋5〜バックビートおじさんの悲哀
激辛おじさんこと、ギタリストのM氏。youtubeでそこそこ再生され、先日はブルーノマーズ公演での観客拍手をネタにTwitterでチョイバズってました。
彼の自論を要約すると、、、
1)民謡/演歌の以前から綿々と続く1拍3拍重心のリズム感では洋楽を楽しめないよ。演奏出来ないよ。
2)バックビートを理解/体現してない日本人演奏家が、さも出来た様に演奏しても、形だけで頭重心のままだよ。JPOPの殆どは気持ち悪いのに、大御所に物言えない状況はマズいよ。
20代でニューオリンズに渡ってハコバンで16年とか。今40代前半かな?意外と若いな。
よっぽど京都のブルース界隈の先輩に可愛がられたのかな?随分と恨みつらみがありそう。
分かりますよ。知った顔して説教たれる先輩ミュージシャン。70年代後半から折に触れ出会ってきました。田舎でもフュージョン全盛だったし。テクニック志向と洋楽コンプレックスの真っ只中よ。
そんで言ってることも分かる。そういうリズム探究を40年ずっと悩みながら演奏してきたよ。
でもさ、もう許せよ。今から無理だよ。
それが正論だとして、学校の先生が教えるのはいいとして、リハスタで説教親父みるのヤダよ。
バックビート論、スイートスポット、その上でのタメ。全部認めるとしてさ、その上でM氏言うところのズンドコロック、ズンドコファンク、ズンドコブルース、それはそれで認めようよ。
達観した立場の話になっちゃうけど、トンカツもナポリタンも、何ならラーメンもズンドコよ。美味しいじゃん。
ミクスチャと思えば、白人の楽典と黒人のリズムが新しいものを作ったように、長く壮大な世界音楽史の中では、極東の小波じゃん。
知らんぷりして、平身低頭、これでもかと言う丁寧な言葉で「それで、貴方の音源はどこで聴けますか」と聞いたら、アメリカ時代の客演しかなく、リーダーアルバムはおろかバンド参加もないそうだ。
彼の敬愛するR&Bアーティストが、ライブの始まりでこれ見よがしにアルバム名や受賞歴を連呼し「recording artist!」と結ぶ呼び込みMCの、正にそれには成れないで帰国したわけだ。
んー、、、人生をかけた渡米に難癖つけることになるが、、、辛辣になっちゃうけど、、、可哀想な音楽人生というしかない。プロではない。
小さな小さな京都のコミュニティに疑問をもった青年が、これまた小さな小さな海外ハコバンコミュニティでギターの腕を磨き、本場のリズムを体得したけど、自分の音楽を作り発表し商売にすることは出来なかった。
youtubeというハケ口と受け皿がある時代で良かった。
プレイヤー志向は否定しないし、曲を作ることが全てではないけど、御託を並べるなら、日本で/ライブでも音源でも発表して/生活できるとこまで売ってみて欲しい。
日本人の致命的な欠点を熟知したあなたなら、逆手に取ったズンドコミュージックを作る事も簡単でしょう。
いや、理想系を追究して欲しいな。自論では韓国含め他のアジアの方がバックビート理解があるそうなので、理想が実現したとして、、、最高でBST、最悪で良くできたアマチュア洋楽コピーですけど。
(話逸れるけど、ブルーノマーズってR&B版のレニークラビッツだよね。フィリーだったりコンファンクシャンとかのB級ファンクの「先達が作らなかった曲」を出してるようなもんだよね。上に書いた最悪パターンはそれを日本でやるって事に等しい。80〜90年代に一番売れてたミッドナイトスターやアトランティックスター観たけど日本じゃ集客厳しかったよ。)
それとね、可哀想と言ったのは、曲作ったりバンド仲間とケンカしながらアレンジ考えたりが無かったこと。これって30代までじゃないかな〜。ノスタルジーや感傷的な青春論じゃないよ。ホントだよ。そういう精神論は否定派なんで。でもね、その時でないと出来ない/成長ってあるのよ。