サステナブル指す順─指す将順位戦9thに向けて
早いもので5月も後半。今年は急に暑くなったり寒くなったり、気まぐれな気候に何かと左右されがちな日々を送っていたが、いよいよ街にも初夏の雰囲気が漂ってきた。遠くから微かに聞こえる夏の足音と共に、指す将順位戦が今年も開幕した。
半年に及ぶ戦いを前に自分の気持ちを綴るのが毎年の恒例になっている。私にとって指す将順位戦は一番の趣味なので、ここ数年は毎年指す順との距離感をどのようにしていくかというのが悩みのタネだ。同じような話の繰り返しなのもどうかなと思いつつ、記録しておくことには意味もあるだろうということで。今年も暫定の回答を書き記しておこう。
”持続”を目指して
昨年はオフからずっとずっと勉強を頑張って、そしてシーズン途中で燃え尽きてしまった。これは仕方がないことだ。むしろ、努力を苦手として避けてきた自分としてはよく頑張ったほうである。良い挫折を味わったと思うべきだろう。ただ挫折を感じてから、モチベーションを戻すのに時間が掛かりすぎたのは大きな反省点だ。まだ100%までは戻ってきていないようにも思うし、逆にここ2,3年は120%とか130%までモチベーションを高めすぎていたような気もする。一番の楽しみにしている指す順を「もういいかな…」と荒んだ心で投げ捨ててしまうのはあまりにもったいない。今年は棋戦そのものを丸ごと楽しむ方向にシフトしつつ、最後まで意欲をもって対局に向かおうと思う。「全体観を楽しむ」「気持ちを切らさない」この2つを今年のテーマとして戦っていこう。
指す順放送局について
テーマの前段、「全体観を楽しむ」というのに大きく関わるのがこの企画。友人の島ノ葉さんから、こういう配信企画ができたらという話をしてもらう機会があって、裏方として参加することになった。ゲストを招いて1週間のうちに指された将棋を振り返り、あれがよかったこれが熱かったと語らう。アマチュア同士だからできる熱感と密度が待っているはずで、オンラインの長期棋戦ならでは楽しみ方だと思う。なにより、新たに指す順に加わった方々と交流するきっかけになれば良いなと願っている。今では勉強会や練習対局など色々な方と繋がりのある私だが、指す順参加1年目はほとんど交流はできなかった。既に完成されているコミュニティに入っていくのはなかなかハードルの高い行いだといえる。番組を通じて指す将の輪が広げられたらきっと楽しいに違いない。
元々今年から指す順の棋戦運営から抜けたり、noteの自戦記の休止を決めたりと、何かと活動を減らす方針だった。なのに配信の裏方とはめちゃくちゃ矛盾してるやんけ!とは自分でも思っている。あくまで裏方として、できる範囲のことをやるのに留めて根を詰めることなくやっていくつもりだ。とはいえ人手不足なので配信用のスライド作成などを手伝ってくれる方を大募集中です。
絞って、勝ちを目指す
テーマの後段。「気持ちを切らさない」ためにはどうすればよいだろう?振り返った時に、「あの時は気持ちが入らなくて手を抜いていたな」と思いたくない。しかし活動の幅を狭めるように、将棋に関しても手放すべき部分はきちんと意識して過ごしたいのだ。
具体的には勉強量を無理に増やさないこと。いたずらに対局数を増やさないこと。バリバリと勉強をするのはそれはそれで楽しいのだが、いかんせん生活を侵食しすぎたように思う。時間や量を区切って、絞って、何を取ってもパンクしないようにしたい。ただ減らす減らす・・・ではなんというか、手抜きのように感じてしまうのが自分のサガ。ここは一つ、勝つための目的と結び付けて、自分相手の理論武装をしたうえで無理のないようにしていきたい。例えば「きちんと対局への気持ちを作っていくために体を休める(勉強量を減らす)」「廃指しで萎えるくらいなら指さない(対局数を減らす)」といった具合である。
気持ちとは言ったがそのためには健康管理も重要。付け加えて仕事をきっちりこなすとか、そういう生活全般を充実させていくことが大切になってくるはず。当然どこかでバランスは崩れるものだが、今年はこまめに修正を施して心身を調節していきたいものだ。
総当たりの濃度に溶け込め!
ちょうど記事を書いている途中で対局表が公開され、本当に指す将順位戦が開幕してしまった!今期はB3を除いてほぼすべてのクラスが12人構成。総当たりリーグとなる。全員と対局できるというのはこれまた非常にありがたいことだ。また、前期順位の重要度も比較的下がることになるだろう。そのあたりの妙味がどのように作用するのか楽しみだ。
さっそく対局表を眺めては色々と考えが頭を巡ってきてとても楽しい。この高揚感を最後の一手を指すときまで、冷ますことなく抱くことができればどれだけ幸せだろうか。まずは盤上盤外たくさんの人と交流して、濃い戦いの日々を駆けていこう。
今年こそ昇級じゃーー!!!!