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NEWS「どうする少子化対策」
● 次元の異なる対策
岸田総理は所信表明演説にて「次元の異なる少子化対策」(以下、子ども政策)の実行を宣言した。当初の文言は「異次元」の少子化対策であったが、「次元の異なる」に微妙な修正が図られた。岸田総理はこの違いに特段の意味はないとしている。「異次元の〜」は安倍政権の時に多用された。一般論として、政権が交代するとネーミングは変更する傾向にある。岸田総理としても「異次元の」という文言を用いるよりも「次元の異なる」とした方が独自色を出せると判断したのではないだろうか。
東京大学の調査によれば、年収が低い層の子ども数が減少している。学費や生活費の負担が年々、大きくなっていく中で年収に関わらず子どもを持ちたいと願う人が持てる社会の実現に向けて全身全霊で邁進してほしい。
● 自民党の失策
自民党の茂木敏充幹事長は国会の代表質問で「児童手当の所得制限の撤廃」を提案した。この提案自体は与野党を問わずに歓迎の声が挙がった。
しかし、子ども手当に所得制限を設けた張本人は自民党である。民主党時代に子ども手当の所得制限を撤廃していた。これに対して自民党は「バラマキ」であると批判し、政権を奪還した2012年には再び所得制限を設けた。更に去年の10月にはその範囲を拡大していた。私自身もここまで豹変がすぎると拍手を送りたくなる。難題である少子化問題の解決が時代の要請だと主張しているが、それなら先ずはこの10年間の失策の始末をつけなくてはならない。自民党としてこの10年間の少子化対策の間違いについて総括し、対外的に発表しなければ同じ轍を踏みかねない。自民党は選挙の票に繋がるところの対策は厚いがそうでないところの対策は無能極まりない。
● 財源は?
徳川埋蔵金なるものが有れば万事解決するのかも知れないが、そんなことを考えるのは時間の無駄である。現に民主党政権時代に事業仕分けを実施したが、目標額の3兆円に対して掘り当てた“埋蔵金”は1.7兆円であった。目標額には遠く及ばない数字である。この様に財政が逼迫している日本において新たな財源を見つけるのは至難の技なのである。防衛費に関しても対GDP比で2%へと増額するため財源探しに四苦八苦している。子ども政策に関しては、予算額について明言がなく、財源が見つからなければ看板倒れになりかねない。
岸田総理はコロナ対策の補助金交付が間も無く終了するため、そこに当てた予算に剰余金がある場合はそれを回すとしている。また75歳以上の後期高齢者に負担してもらう案も浮上している。いずれにしても「次元の異なる少子化政策」を実行するには物足りない金額である。
少子化対策を実行するのに反対する政党は存在しない。この問題は日本の将来を左右する問題であるから政府・自民党だけでなく与野党で一丸となって財源探しと少子化解消政策の制定を願いた。