すべてがFになる読書感想文
犀川創平と西之園萌絵 天才たちの宴に潜む「F」の謎
自己紹介:
私は、森博嗣さんの作品を愛読する読書家です。特に「S&Mシリーズ」は全巻制覇しており、その緻密な論理と独特な世界観に魅了されています。今回、シリーズ第1作である『すべてがFになる』を初めて読み、改めて森博嗣さんの世界観を共有したいと思いこの記事を執筆します
記事の内容:
本記事では、『すべてがFになる』の読書感想文をお届けします。ストーリー展開、キャラクター、テーマ、など
2. 本の紹介
書籍の基本情報:
タイトル:すべてがFになる
著者:森博嗣
出版社:講談社
出版年:1996年
あらすじ:
舞台は、孤島にあるハイテク研究所。天才工学博士・真賀田四季の部屋から、両手両足を切断された死体が発見される。密室殺人事件の謎に挑むのは、N大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵。次々と起こる不可解な事件と、天才たちの頭脳戦が幕を開ける。
読んだきっかけ:
以前から森博嗣さんの作品に興味があり、友人に森博嗣さんのすべてがFになるという本が面白いよとお勧めされて
ついに「S&Mシリーズ」デビューしました。『すべてがFになる』はシリーズ1作目ということで、まずはここから読むべきだろうと思い手に取ってみました。
3. 感想
ストーリー展開・トリック:
『すべてがFになる』は、まさに「理系ミステリーの金字塔」と呼ぶにふさわしい作品でした。緻密な論理と伏線回収の巧みさに圧倒され、ページをめくる手が止まりませんでした。特に、後半の展開は予想外すぎて、何度も唸らされました。
犯人やトリックについては、ネタバレになるのでここでは詳しく触れませんが
犀川さんと萌絵の推理が光る展開は圧巻でした。密室殺人の謎解きはもちろん、真賀田四季の過去や、研究所に秘められた陰謀なども絡み合い、最後まで目が離せませんでした。
キャラクター:
『すべてがFになる』のキャラクターたちは、それぞれに個性豊かで魅力的です。
犀川創平: クールで論理的なN大助教授。飄々とした性格ながらも、洞察力と推理力は抜群です。
西之園萌絵: 才色兼備のお嬢様学生。天真爛漫な性格で、犀川さんに振り回されながらも、持ち前の頭脳で事件解決に貢献します。
真賀田四季: 天才工学博士。少女時代から隔離された生活を送っており、どこか歪んだ性格をしています。
その他: 個性的な研究者たちが多数登場し、物語を彩ります。
個人的には、犀川さんと萌絵のコンビが大好きです。犀川さんの論理的な推理と、萌絵のひらめきが絶妙に噛み合い、事件解決に導いていく様子は痛快でした。
テーマ・メッセージ:
『すべてがFになる』は、単なるミステリー小説にとどまらず、人間の本質や社会の闇を描いた作品でもあります。
天才と凡人の対比: 天才である真賀田四季と、凡人である犀川さん。2人の対比を通して、天才の孤独や苦悩、そして凡人の強さなどが描かれています。
科学技術の倫理: ハイテク研究所を舞台に、科学技術の倫理的な問題についても触れられています。科学技術の発展は必ずしも良いことばかりではない、という警鐘が込められているように感じました。
文体・表現:
森博嗣さんの文章は、論理的で分かりやすく、それでいてユーモアも交えています。難しい理系の言葉も、分かりやすく説明されているので、理系ではない人でも読みやすい作品だと思います。
4. 考察
『すべてがFになる』は、森博嗣さんの代表作であり、多くの謎が残された作品としても知られています。
真賀田四季の過去: 真賀田四季の過去については、作中では詳しく語られていません。しかし、彼女の言動や行動から、様々な考察が可能です。14歳という若さで両親を殺害したという衝撃的な過去は、彼女にどのような影響を与えたのでしょうか? また、研究所に隔離された生活を送っていた理由も気になります。
タイトルの「F」の意味: タイトルにある「F」は、様々な意味に解釈できます。作中では、「failure(失敗)」「finish(終わり)」「future(未来)」などの意味が示唆されています。真賀田四季にとっての「F」は、何だったのでしょうか? 読者によって解釈が異なる点も、この作品の奥深さの一つだと思います。
5. まとめ
『すべてがFになる』は、緻密な論理と伏線回収、そして魅力的なキャラクターで構成された、まさに傑作ミステリーです。森博嗣さんの作品を初めて読む方にも、ぜひオススメしたい作品です。
森博嗣作品を読んでみよう
『すべてがFになる』を読んで、森博嗣さんの作品に興味を持った方は、ぜひ他の作品も読んでみてください。S&Mシリーズ以外にも、様々なジャンルの作品があります。
S&Mシリーズ: 犀川創平と西之園萌絵を主人公としたミステリーシリーズ。
Wシリーズ
WWシリーズ
百年シリーズ
その他: 短編小説集やエッセイなど、様々な作品があります。
読書を楽しもう
読書は、想像力を豊かにして、心を豊かにしてくれるものです。ぜひ、色々な本を読んで、読書の楽しさを味わってください。