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カタカナで英語の世界を変える本

 初めまして、舘隆幸(たち・たかゆき)といいます。
 2019年11月、「25のカタカナ母音が英語の世界を変える」と題した本をnoteにリリースしました。この本の目的は「英語の多様な音をカタカナで見える化する」ことでした。たくさんの方々に関心を持っていただき、本当にうれしく思っています。
 そして今回、大型アップデートを行い、よりわかりやすい「カタカナ表記」に一新しました。また、本のタイトルを「カタカナで英語の世界を変える本」に変更しました。初版では英語の母音に焦点を当てていましたが、今回は子音についても詳しく取り上げましたので、ぜひチェックしてみてください。
 
 本書をリリースした頃のことやその後の気付き、アップデートに至った経緯について少し話してみたいと思います。

リスニング力がアップ
 まずですが、新しいカタカナ表記を活用して一番驚いたことは、自分のリスニング力が上がったことです。特別なトレーニングをしたわけではありません。毎日カタカナを見ながらリスニングをしただけです。カタカナなので見やすいし、すべて発音記号に対応しているので自然と正しい音を覚えていくようになりました。
 何でも基礎は大事です。「正しい発音を覚える」、これも英語学習においては基礎中の基礎です。ラジオを聴いたり、字幕で映画を見たり、シャドーイングをしたり、英会話教室で勉強してみたり、学習方法はいろいろですが、基礎がしっかりしていないと効果的ではありません。しかし、実際カタカナで英語の発音を見直したら、簡単な単語の発音でも勘違いしているものがあり、「正直英語の発音をないがしろにしていたな」と反省し、もっと早く取り組めばよかったと後悔しました。
 ということで、発音の悩みを抱えている人はぜひ正しい発音を覚えるところからやり直すことを強くお勧めします。

音の大小が作り出す英語音の立体感
 さて、今回カタカナ表記をアップデートした経緯についても少し触れたいと思います。本書のリリース後、英語をカタカナに書き換える日々が続き、300以上の記事を作りました。記事作りの初期段階では、「発音記号と対になるようにカタカナを表記すること」が目的でした。母音を大きく、子音は小さい表記で区別することでその目的は大方実現されたと思っています。
 しかし、いろいろな英語の音をカタカナに変換していく中で気付きもありました。それは、英語の音には聞こえ度の序列(ヒエラルキー)があるということです。実は母音といってもはっきり聞こえる音から小さい音まであり、同様に子音もすべて同じ聞こえ度、ということではありません。
 英語の発音には抑揚がある、ということは多くの人が知っていると思います。しかしその抑揚を作り出す音の大小について、聞こえ度をベースにしっかり学んだ、という人は少ないかもしれません。センスの良い人はそれでも自然と身に付くでしょう。しかし、いろいろな学習法を試し頑張ったのに聴き取りができない、英会話が上手くならない、という人は、聞こえ度という視点で英語を捉え直してみてください。音の聞こえ度に意識が向くと英語の音に対する感度が劇的にアップし、聴く話すの力がグッと伸びるかもしれません。
 当初は、「母音は大きく、子音は小さく」という大まかな区別でした。しかしそれでは、音の大小が作り出す英語音の立体感が十分に伝わらないと感じました。そこで、さらなる研究、試行錯誤を重ね、今回表記を一新することにしました。

 ここからは、初版で書いた紹介文をベースに本書の紹介をしたいと思います。アップデートした内容も反映していますのでぜひチェックしてみてください。
 本書を通じて皆さんの英語学習がより良いものに、より楽になれば、こんなに嬉しいことはありません。

(紹介文)
 突然ですが、英語が話せるようになったら世界が変わるのになと思ったことはありませんか。洋楽や海外ドラマを楽しみたい、留学して友達を作りたい、専門知識を高めたい、自分の能力を活かしてたくさんの人に役立てたい。様々なレベルで人生を豊かにしてくれるいろいろなこと・経験も、英語ができると可能性が広がり、まったく新しい世界が見えると思いませんか
 私はそう感じる一人です。大学時代のオーストラリア留学に始まり、ベトナムでの日本語講師、雑貨商社での海外調達部門勤務在ラオス日本大使館での勤務と、長年英語を使って勉強/仕事をしてきました。英語を勉強していなかったら、人生における選択肢はもっと限られたものになっていたでしょう。
 私は元々英語が苦手で、相手に伝わる発音の習得にはかなり苦労し、そのせいで悔しい思いをすることも多々ありました。みなさんも一度は英語学習に向き合ったことがあると思います。中学校~高校の授業で約800時間、予習復習、大学での英語学習を含めればゆうに1000時間は勉強することになります。しかし、残念なことに、学校の勉強で英語ができるようになったと感じる人は少ないのではないでしょうか。
 その根本的な原因の一つに、「英語の音がよく分からない」という問題があると思います。英語の音についてしっかりとわかっていなければ、英語を聴き分けることができず、会話は成立しない。考えてみれば当たり前のことなのですが、見て見ぬふりをしてきた人も多いと思います。そうやって英語の音をないがしろにして、無駄に時間が消費されていく、もったいないことです。
 いざ調べてみると、日本語には無い「アとエの間の音」やら「ウみたいなエみたいなア(?)」、「th」なる子音などが登場し、既に心が折れそう。藁にもすがる思いで発音記号を見てみると、「æ」「ə」「θ」…「こんなの別の外国語じゃん!」と言いたくなるような謎の文字が並んでいて思考停止になってしまいます。

カタカナ英語の弊害とAndの発想
どうしたらもっと発音の勉強が楽になるのか?と考えたときに、あえてカタカナを使った新しい英語表記法を思いつきました。
 通常「カタカナ英語」は英語本来の音と全然違う、などと批判されがちです。確かにカタカナ読みだと、いかにもジャパニーズイングリッシュな発音になってしまいます。「カタカナ英語の弊害」なんて言われ方もされています。
 しかし私は、カタカナは皆さんの英語学習を支える大きな力になると思っています。何より慣れ親しんだ表記であり、わかりやすい。それなら、カタカナの弊害を取り除いて発音記号と1つにしてしまえばいいじゃないか、と考えました。つまり、「日本人向けにカスタマイズされてめちゃくちゃ分かりやすくなったカタカナベースの発音記号」だと思っていただければOKです。カタカナの弊害については第1章でも触れたいと思います。

このnoteのすごいところ

○英語の多様な音をカタカナで見える化している

これに尽きます。私たち日本人にとって身近なカタカナに置き換えることで、発音に対する何となくのモヤモヤ、訳のわからなさがバチっと整理されます。
その一番めんどくさい「置き換え」の作業をやってready-madeにしておいたのがこのnoteです。
具体的には以下のように書きます。

chocolateの図解

originalの図解 ptt-02

他にもいくつか例を挙げてみましょう。

animalの図解 - コピー

「workとwalkって違う発音なんだ」

animalの図解 - コピー (2)

「societyのsoとeってどちらもəの音だったんだ」

animalの図解 - コピー (3)

「stationって二重母音だったんだ」

animalの図解 - コピー (4)

「マクドナルドじゃ通じないはずだ」
いかがですか?様々な気づき・再発見がありませんか?

 英語の発音で悩んでいる人は単語の音を一つ一つ確認しておかないと英語が身に付きません。地味ですがとても重要な作業です。発音記号が苦手な人は、このカタカナ表記をお勧めします。本編最後に収録した新しいカタカナ表記の基本英単語500個を活用すれば、この作業がグッと楽になります。

このnoteのターゲット

すべての「英語の発音は難しい」と感じている人、です。

○英語勉強中の学生さん
○仕事で英語を使っているが発音面で壁を感じる人
○自分の発音には改善の余地があると思っている人
○英語の発音を体得してはいるが頭でも整理してみたい人
○耳で聞いてマネする、に自信がない人

英語の音が整理されるだけで、英語学習がずっと楽になります

このnoteを買ってはいけない人

○英語がすぐに話せるようになると思っている人
○英語の発音がすぐに良くなると思っている人

 そもそもすべての外国語は「話せる」「話せない」という白黒二分の状態ではなくグラデーションです。このnoteは発音を整理するためのものです。頭で整理できたら、ぜひ英語をたくさん使って体で覚えていきましょう。そこは筋トレです。

このnoteの活用法

 このnoteで紹介している書き方を完璧に習得する必要はありません。目で見て「あっ、そういうことか!」と理解できればそれで十分です。
noteの最後に収録してある500語のカタカナ表記を見て「ここは実はこの音だったんだ」「この2か所は同じ母音だったんだ」と意識(←ここ大事)しながら発音練習することで、かなりの気づきと進捗が得られます。
 みなさんの英語学習の踏み台にしてください。発音がきちんと整理できていれば、「読む・聞く・書く・話す」4技能すべての上達がスピードアップします(特に聞く・話す)。

 さて、以下は本編になります。ここまで読み進めていただきありがとうございます。「役立ちそう」と思ったらぜひご活用ください
 あなたの英語学習がより良いもの、より楽なものになれば、こんなに嬉しいことはありません。

更新記録
カタカナ 1.0 / 2019.11
カタカナ 2.0 / 2020.11

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