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「人事ごった煮会」で発表してきました

去る数ヶ月前、「人事ごった煮会」という人事コミュニティで発表する機会をいただきました。

いまあらためて見ても、「人材開発について共に考える会」とは壮大なタイトルを掲げていますね。今回は、このタイトルになった経緯や、そもそもなぜ私にお声がけいただいたのか、といったところから入りつつ、当日のセッションをどのように作っていったのかという舞台裏について紹介します。


「社員のキャリアを考える人材開発担当者」のキャリアは、誰が考える?

今回の発表は、私ひとりではなく、人材開発の盟友である稲熊さんとタッグを組んでのものでした。

稲熊さんとは、私がこの仕事を始めてすぐに知り合うことになりました。複数社の新人研修担当者の集まりがあり、自社もそこに参加していたのがきっかけです。いまの会社に転職したことをきっかけにこの仕事を始めたばかりの私にとって、それまでずっと人材開発に取り組んでこられた稲熊さんは、まさに大先輩でした。

その後は意気投合して、個別にお話しさせていただく機会も増えました。さらに数年たち、稲熊さん発案で、他の数名の仲間と、人材開発そのものに加えて、人材開発担当者のキャリアも含めて考えるような場を立ち上げることになりました。私もその末席に加わらせてもらっています。

この「人材開発そのものに加えて、人材開発担当者のキャリアも含めて考える」というところに、興味をもってくれたのが、人事ごった煮会の松浦さんでした。

人材開発の仕事をプチインターンしてみる

ということで、人事ごった煮会で人材開発について話すことは決まったのですが、そこから稲熊さんと頭を悩ませたのが「人事『ごった煮』会だから、参加者は人材開発に関わっている人とは限らない。そんな中、どうすると楽しんでもらえるのだろうか?」ということでした。

稲熊さんとの何度かの打ち合わせを経てたどり着いたテーマが「人材開発の仕事をプチインターンしてみる」というものでした。

当日参加して実況中継してくれた遠藤さんのポストを適宜お借りしています。遠藤さん、ありがとうございます!

「人材開発とは」を大上段から語るのではなく、「まずやってみる」ことを通して、肌感と共通言語を携えて人材開発について「共に考える」場にすることを狙いました。

とはいえ、「ごった煮」かつ「短時間」のなかで、どうやって「まずやってみる」を実現するのか?

これまたウンウン唸りながらひねり出したのが「残念な研修報告書にダメ出しする」というワークでした。

人材開発担当者が実際に研修を企画/実施したあとには、多くの場合、「研修報告書」というものを作ります。あるいは、研修を委託した研修会社が作成した研修報告書を納品してもらいます。いずれにせよ、人材開発担当者は、社内の関係者に向けた報告書を作成/提出します。

ただし、研修報告書を「作る」となると、ワークとしてはハードルが高すぎます。そこで、残念な報告書をあらかじめ用意して、それに対して「ダメ出し」してもらうことにしました。「もし自分が作るとしたら?」という問いを通じて、「作る」を疑似体験してもらう構造にしたのです。

このようにして、「人材開発担当者の仕事の一コマ」をプチインターンとして仕立てたわけです。

「ごった煮」で多様な人が集まりつつも、「人材開発の仕事」という共通体験をしてもらうことで、「人材開発とは」という単一のテーマについて、「共に考える」場として収斂させるような設計です。

参加者の声

当日は、人材開発の経験のない方であっても、「人材開発について考える」機会にしていただけたのではないかなと思っています。また、今まさに人材開発に取り組んでいる同志の方には、明日からの実践に向けたヒントや勇気をお渡しできたようで、嬉しく感じます。

当日の詳細な様子は、遠藤さんが実況中継してくれた連投ポストを見てみてください。

残念な研修報告書へのダメ出しを呼び水にして、研修に関わる4人のステークホルダー、研修の狙い、参加者の選定、研修の効果測定と進み、もう一度ステークホルダーに回帰してくるというふうに話が流れていきます。

人材開発について共に考えた結果

最後に、もともとの問いである「人材開発とは?」はどうなったのか、についてです。

当日のいったんの解としては、上記の連投ポストの最後に出てくるので、ぜひそちらを見てみてほしいと思います。ただ、この問いは、出てきた解そのものに意味があるというよりは、「問うということ」という動態にこそ意味のある問いだと思います。

実際に当日も、単一の解を提示することはせず、稲熊説と赤坂説を並置する終わらせ方にしました。「私たち自身もそれを考えている只中にいるし、抱いているかりそめの解も各人で異なる」という、開かれた感じを大切にしたかったからです。

開かれたまま私たちのセッションを閉じたことで、残った余韻を持ち込みつつその後の懇親会になだれ込んだのも、当日全体を通しての良い流れにできたのではないかなと思います。セッションは、懇親会に向けた壮大な話題提供として機能してくれました。

普段の仕事では人材開発の「施策」を考えるわけですが、ときには、こんなふうに人材開発の「そもそも」を考えることも、巡り巡って、施策の厚みであったり、人材開発担当者自身のキャリアにつながってくると感じさせてもらった人事ごった煮会でした。貴重な機会に感謝します。そして、またこういった機会があればぜひチャレンジしたいなとも思っています。


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