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北方謙三作品
僕にとって北方謙三は価値観を形作った人だ。マッチョイズム的なところも、政治的なところも、あらゆる意味で影響を受けた。
それはそのはず。価値観を形成する時期の中学から高校にかけて(正確には小学6年から)、水滸伝、楊家将、楊令伝、破軍の星、三国志etcを読んだ。
久しぶりに「魂の沃野」で北方作品を味わっている。大学の間は読んでなかったから、5年ぶりくらいの北方作品。それでも、読んでいるとしっくり来る。
学生の頃よりは大人になった今では見え方が変わる。とても楽しい、それが読書の醍醐味と僕は思う。
苦しみを乗り越える男、乗り越えられなくて死ぬけど何かには勝つ男、男の美学。今での心の底には残っている。
1度だけ、チンギス紀のサイン会で北方謙三先生に直接お会いしたことがある。
ずっとファンでした、とひとしきり伝えると。「で、折角だし、何か聞きたいことないの?」と言われ、僕はしどろもどろになりながら
「ガキっぽいって言われるんですけど、どうしたら男らしくなれますか?」と言った。
すると北方さんは静かに「男らしくなるには?泣きたい時に泣かないことだよ。グッと堪えること、我慢すること。そうすれば男らしくなれる」と言った。そのあと握手して記念写真を撮った。家宝だなと思っている笑。
言葉も胸の中にある。それ以来、部活動の卓球でも、就職活動でも、失恋でも、辛かったけど泣かなかった。
たぶん、人に年齢よりも上に見られるのは少しはそれを積み重ねられたからだと思う。まだまだ、北方さんには遠く及ばないわけだけど。
僕はおじさんになっても北方さんのようなダンディでカッコいい人でいたい。
本を読みながら改めて、北方さんに感謝の思いで一杯になる。素晴らしい作品をありがとう。素晴らしい言葉をありがとう。
早く北方さんみたいなカッコいい男になりたい。