公共不動産活用で「まち」を変えよう|Additional#05
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この記事は、ずっと抱えていた「公共不動産活用も再開発だと思うんだけどなぁ」という気持ちがいよいよ高ぶったことがきっかけとなり書き上げたものです。公共施設再編や公共不動産活用を、単なる公共サービスの再編やファシリティマネジメントの効率化にとどまらず「まちを変える」視点から捉え直しています。
公共不動産を活用した公民連携プロジェクトは、「まちを変える」方法のなかでも有効な選択肢のひとつです。今後、多くの地域でますます不動産の低未利用化が進むなか、公共不動産のあり方が「まち」に与える影響は一層大きくなります。例えばひとつの公園のあり方が、公園とその周囲を含む地域の暮らし方を変えるのです。
すべての公共不動産活用は「まちを変える」きっかけになり得ます。そもそも気候や都市構造、人口動態の変化により、まちや不動産のあり方も変わらざるを得ません。公共施設の再編と公共不動産の活用は、単なる公共サービスの再編、ファシリティマネジメントの効率化にとどまらず、「まちを変える」という点においても貴重なタイミングなのです。
公共不動産活用はもっと地域再編志向を強めてよいはずです。そして今後さらに公共空間活用が広がっていくためには、複数の課題を重ね合わせて解く公民連携プロジェクト、さらなる新規プレーヤーが参入できるようなしくみの変革やコーディネート、公民連携・公共不動産活用の価値創造を促すツールが有効だと考えています。
こうした流れに沿うように既存手法の捉え直しも進んでいます。内閣府の「ローカルPFI」や国土交通省の「スモールコンセッション」というコンセプトも、これまでコスト削減の色合いが強かった民間活用手法を、広い意味で「まちを変える」方法のひとつとして位置付けたものと捉えられます。単に地域企業に公共事業を受注させようとする話ではないのです。
公共不動産活用と再開発事業を対比すると見えてくることは多いです。例えば、バブル経済崩壊以降の景気対策として公共事業への予算配分を厚くしたあと、地方の再開発事業で何が起きたかを見れば、少なくとも公共不動産活用において何をやってはいけないかは、実証されているようなものです。
そしてこの10年来、老朽化が進むインフラの更新が重要度も緊急度も高いはずの課題でありながら、取り組みやすいもの、成果が目に見えやすいもの、短期で変化が見えるもの等の優先順位がまさってしまい、なかなか取り組むことができずにいます。一見楽しげな公共空間プロジェクトも、一つ一つ、「まち」への投資の機会を捉えてこれを有効に活かしていくプロセスにトライしていく積み重ねであり、これが結果的にこの動きの鈍い分野のブレイクスルーを生み出す。愚直にそう考えて、これからも働きかけ続けます。
あらためて2025年は、まちを変えるプロセスにフォーカスし続ける年だなと感じるところです。
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