ポンスキー

どちらかというと子供に面倒を見られています

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駆け抜けていく

初めて飼った犬は、まだミニコリーと呼ばれていたシェットランドシープドッグ、シェルティだった。珍しく黒い毛色で、母はビーグルがほしいなと思っていたのだが、長姉が他の犬にいじめられていた、ひときわ気の弱そうなこの子を飼うのだと主張して、選ばれた犬だった。 小柄で弱々しく、多分長生きしないから、と値引きされていたように思う。 その子は今なら考えられないことだろうが、外の犬小屋で寝起きし、いちどフィラリアで生死の境をさまよいもしたが、十数年と長生きした。 その子が死んだ夜、わた

    • インフル大旋風

      我が家は保育園12年目、この春、末の子がやっと卒園する。 12年の間には、感染症の嵐が吹き荒れた。インフルエンザ、RS、胃腸風邪、水疱瘡などなど。 水疱瘡とおたふくは予防接種したのもあり感染せず、 しかし全員、1歳児クラスを駆け抜けていくRSのはやりに負け、 特に末っ子は入院するまでになった。 そしてコロナの大流行。勤め先が在宅に寛容になったこともあり、また誰かが風邪症状だったら登園は控える風潮もあり、末っ子は上二人に比べれば、保育園へ預ける回数が確実に少ない。 年が明け

      • 入院してすぐ退院した②

        しばらくは投薬で様子見ましょう、ということになり、不整脈を抑える薬と、血栓が一番怖いので血をサラサラにする薬を飲み始める。 血が止まらなくなるというフレーズめっちゃこわいな……と思いながらサラサラ薬を飲んでいたものの、不整脈の薬のほうが飲んだ後のしんどさがちょい増しな気がして、気のせいかもしれないが、体のだるさといつか重さというか、夏バテなのか何なのかよくわからない不定愁訴と、安静にしていたときのほうがひどい動悸というか、心臓の痙攣みたいな症状がしんどすぎ、通院3回目にして

        • 面影

          近所のカフェにまたあの子がいた。 実家にいたのと同じ犬種で、若々しく、いつもにこにこしている。大事にされているのが一目でわかる。 人の顔の判別がつきづらいのと同じく、私の眼には昔飼っていた犬と同じ顔に見える。ついその名前で呼んでしまいそうになる。 でもそれって飼い主さんには複雑な話だよなと思い、黙って視線をそらす。 例えばだけど、小学校時代の同級生のタナカさんにすごい似てるからってタナカさんて呼ばれるのは非常に複雑だよなという。そんな理由である。 でもやはり似た顔だ。同じ

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        駆け抜けていく

          隠遁生活その後 まとめ

          しばらく間があいてしまった。 もうコロナで隠遁していたことなど昨年度のことのようだが、隔離期間により果たせなかった予定、具体的には病院や帰省の振り替えで怒涛の日々であった。なぜ小学校の検診ウィークに重なったコロナ罹患よ…… コロナ罹患の最後のほうは、次男に鼻水以外の症状もなく、生活における隔離もいい加減になってしまったのだけれども、夫と子どもたちは律儀にマスクをして生活をし、アルコールでドアの取っ手をふいたりペーパータオルの使用は行いつつ、次男はリビングにおもちゃのテント

          隠遁生活その後 まとめ

          隠遁生活再び(3~4日目)

          日曜は大雨だったこともあり、手持無沙汰に過ごす。 月曜日に、朝イチで検査予約。私が喉が痛くなっていることを伝えると、無症状ではないので、保健所管轄の濃厚接触者の検査は受けられないという。毎日、次男の様子を聞きに電話をくれる小児科の先生に相談し、小児科経由で区の医師会がやっている検査に回してもらう。 ちなみに、これをすることで病院代とPCR検査料で合計4000円かかる。症状がなければ無料。 ウム……逆では? と思ったけれども、無症状の人を野に放つことを防いでいることが目的なの

          隠遁生活再び(3~4日目)

          隠遁生活再び(2日目)

          その日は土曜日で、かつ夫の月1回の通院日である。病院に事情を電話したら、濃厚接触と言うだけなら普通に来院していいと言われたそうで、検査もしていないし結果も出ていないのに、それも怖い話だよなと思いながら送り出す。そのあと、帰りに買い溜めしてきてもらう食料などのメモをLINEで送信。 土曜授業の日なので、長男と娘はオンライン授業。しかし体育などの移動教室は対応がないので暇そう。次男を構ってくれるので助かる。 さらにPTAの大きな会議の日だったので、本当は椅子を並べたりしに行くつも

          隠遁生活再び(2日目)

          隠遁生活ふたたび(初日)

          コロナ罹患数が減ってるみたいな数字が出ていますが、体感では増えている。 保育園ではほぼ全員をなめつくす勢いで罹患者が出ていて、仲良しの子に尋ねてみたら、ちょっと危なかった(風邪気味?という感じだった)けど大丈夫だったYO!と言っていて、検査したかしてないかの違いのような気がしないでもない。 我が家は先々週の木曜日の夜、ちょっぴり喉が痛いかも!とニコニコしながら次男が訴えてきた、その笑顔が「家でダラダラしながらマイクラしたいときの笑顔」だったので、人の在宅勤務なめとんのかと思

          隠遁生活ふたたび(初日)

          消えたやる気を探す

          疲れているわけでもないが、特にやる気のない日々が続いている。 年初に、転職する後輩をつれて週イチで下北沢で鑑定されている占い師さんに会いに行った。(いまはお休みされている模様) 後輩はいろいろ良いことを言われてよかったようだ。私もついでに観ていただいたが、前はあんなにいろいろ聞くことがあったのに、今は特にない。手相が少し変わってきたように思ったので、ワンチャン金運が出ていないか聞いてみたけれど、「出ていく一方ね」と言われてシュンとする。「満ち足りている手相だけど、満足するの

          消えたやる気を探す

          受け継いでいく

          歩き方が悪い。 そもそも姿勢が悪い。 小学生のころから猫背で、矯正バンドをつけていたぐらいだ。でも矯正バンドは肩が内側に入るのを広げる(胸を張る)姿勢に矯正はできるが、頭が垂れるのを防ぐことはできない。そのため、背中に竹尺を入れられたりしていた。 この姿勢の悪さ、今になって思うと父に似ている。 ただ父はその年代にしては背が高く、昔ながらの日本家屋だった実家で暮らすにはそうするしかなかったのかもしれない。祖母をはじめ、まわりの人も小柄な人が多かったので。 足の底を擦る

          受け継いでいく

          やる気の玉突き

          日常のなんてことない一コマというのは、ある日いきなり途絶えて忘れてしまって、思い出すことで成立する気がする。忘れてる限りなかったことになってしまう。 再会はだいたい突然である。永遠に再現できなくなった、祖母の手料理と同じ味にであったとき、子供のころはありふれていた香りをかいだ時、予想もできなかった喜びに胸が躍った時。 ああ、あのころ、普通にあったものと再会したのだなと思う。 ところでヘルシオのホットクックを買ったんですよ。 たまたま用事があって渋谷のビックカメラで電気

          やる気の玉突き

          終戦記念日だった

          8月15日、昔は家族全員が黙とうする日だった。 兄弟が大きくなり、それぞれに活動するようになってそういうのは少なくなったけれども、やはり小さいころの習慣というのは身についているのか、ああ、今年もこの日かと思う。実家は戦死者の影が色濃い家だった。 跡継ぎになるはずの祖父と、早世した曾祖母の次に嫁いできた、父が「おばあさん」とは呼んでいたけれども血のつながっていない後妻さんから生まれた二人の弟、全員が海外で戦死している。 一人は行方不明のまま。祖母が新聞の見開きいっぱいに掲

          終戦記念日だった

          8月だ

          朝早く目が覚めると蝉の声がする。 6年前に父が亡くなったのはこの時期で、身辺にいろんな事件が重なった上に父も危篤が続き、よく眠れない夜が続いていた。細切れに眠って、早朝ふと眼ざめ、LINEに入っていた姉からの訃報をみたことを、この時期が巡ってくるたび思い出すのだろう。 東京都の感染者がうなぎ上りに増えているのに、テレビは連日オリンピック。学校が休みなことだけは少しほっとするが、このままだと9月に普通に学校がはじまりそうで、考えるだけで憂鬱になる。 夏休みのうちに、学校の

          蟹と加賀

          時の流れというのは、大人になってみると自分から気づかなければならないものだが、子供といると向こうから気づかせてくる。つんつるてんのシャツ、指が痛くなった靴、体がおさまりきらないタオルケット。 小5にして25.5センチの靴を履くようになった長男だが、まだまだ背が低く、高めにしつらえた食器棚の皿を取るのはまだ危ない。 娘はめきめき成長して、先生気取りで次男に名前の書き方を教えている。このあいだまでかわいらしい鏡文字をつづっていたのに、いま家で一番ていねいに字を書くのは娘である

          お付き合いを考える

          過敏性腸症候群である。高校生のころ、社会人としてブラックな仕事に邁進していたころ、そして最近また、この病気とつきあうことになってしまった。 病気というか、症状だ。平気な時は全然平気。思うにストレスと大きな関係がある。高校生の時はさまざまな原因が絡んだ不安に、社会人の頃は仕事のストレスに、今回は絶対たぶんコロナに起因する生活の不安が原因だ。高齢で基礎疾患のある義両親がワクチンを打ってくれたのですこしはほっとしているが、まだまだ不安は続く。 「不安感が長持ちする人」というのは

          お付き合いを考える

          音の記憶

          引っ越ししたいと思いながらなかなかできておらぬ(note)今日このごろ、とりあえず書かないと忘れるので書いていく。一括で引っ越しできないのでちょっとしんどいなとは思うが本当に忘れてしまうので…… 左目の黄斑にまたなんかあったっぽく、片目だけでピントをあわせるとど真ん中だけ消えるので、子供たちと一緒に眼科にいったついでに定期検診を受けた。 その一環で視力検査をしたら、視力はいいのにセンターが見えないせいで、指されているマークをみるときはしばらくまわりのマークをぐるっと眺めて、