LUUP社を巡る話に感じる違和感と日本の逆コース
気鋭のベンチャー企業と天下り
LUUP社と同社の提供するサービスに関しては悪評が多く耳に入る印象であったが、元警視総監の天下りを受け入れて用心棒として利用するとは流石である。
とは言え、個人的に気になった点がもう一つあるが、1つ補助線を引こう。
それは過去にあった元財務次官・勝栄二郎氏のIIJ天下りである。
このIIJ天下りの話があった時点でIIJ社がベンチャーと呼べる状況ではなかった一方で、どちらかと言えばいわゆるJTCでもない、ちょっと古い新興企業のような印象である。
当時言われていたのはマイナンバー利権という話であったのだが、聞きかじるところではIIJ社の関わりはそれほどでもなく、むしろ盛った話ではないのかとすら思える。
実はマイナンバー関連のシステムの状況・内情に関しては、本業で総務省関連への出入り企業の担当者レベルの事情を伺う機会があり、実際のところはNTTデータが頭を押さえているであるとか、その下に入っているベンダーの話を効く限りにおいては、当時何を期待していたのか分からないというレベルである。
新たな警察利権?
その意味では、今回の警視総監のLUUP社への天下りというのは色んな意味で奇妙である。
smartbb氏の指摘するような
こういう狙いで天下りを要請したのかというのは、元警視総監の立場からするとそんなにメリットの大きな話なのだろうかとも思える。
未公開株のこともそうだが、それはそれで利益相反を疑われるところだし、日本が訴訟社会だったら集団訴訟でLUUP社自体の存亡に関わる事態になっていてもおかしくはない。
それにそもそもLUUP社という名前は一部で売れてきているとは言え、警視総監だった人物の次の行き先という観点では格の問題もある。
先に指摘した元財務次官のIIJ天下りにしても、「えっ、そこ?」と驚くようなことであって、元総務次官が電通の顧問になったとかそういうスケールと比較すれば、格落ち感は否めない。
そこで思い出したのがColaboと警察の関係に関する疑惑だ。
調べていく中で全くの別件ながら今回挙がった名前が全て出てくる案件が2010年に報じられていた。
このパチンコ店へのATM設置を進めていた企業がIIJ関連企業である、というのが香ばしい。
さて、Colaboと警察との関係の裏だが、上記のエコーニュースRの記事を見るだけでも目を疑う。
まさか、左翼勢力弱体化が進んだ中で、仕事減少に危機感を覚えた警察組織の中の公安関係のグループが、生活安全課や少年課を使って当該勢力と接点のある団体に接近し、補助金を入れる代わりに天下り先となってもらい新たにシマを確保し、監視対象の延命と存続をはかった、という話だったら笑える。
もちろん、上の段落は外野の人間の妄言なので、そのことに目くじらを立ててもらっても困る。
今回のLUUP社を巡る言説でよく言われている話に対して、個人的に感じる感じるのは、上の妄言のようなものである。
何かしらの勢力拡大を狙って火を点けに行き、官邸にアピールしようとして盛大にスベったのが大川原化工機事件であるわけで、ここまでくると公安に同情を禁じざるを得ない。
その位、日本の警察組織が困ったことになっている、という現実が浮き彫りとなったとも言える。
黒船来航直後に逆戻りする日本
内田樹氏が先般行われた自民党総裁選の立候補者の顔触れに対して、日本のアメリカの植民地化という言い方をしている。
日本がアメリカの植民地、というのも今に始まったことではないのだから、何を今更、と言いたくもなる。
さて、この切り口で見るともう一つのヤバい現実が見えてくる。
こういう当て逃げ&ひき逃げの捜査について警察が及び腰という話、これは「用心棒」を雇ったから、というだけでは説明がつかない。
全てが全てではないとは思うが、都内で電動キックボード利用者を何人も見たという身内の証言が、全体の傾向を指しているのだとしたら、事故の捜査が進まない理由の本丸に思えてくる。
身内曰く、都心部の若いビジネスマンが乗って移動しているのかと思ったら、専ら海外から来たと思われる観光客だらけだったという。
だとしたら1週間で捜査打ち切りとなったのも、被疑者が出国して追えないからという事情がある、と想定できてしまう。
これでは黒船来航後の治外法権がある状態と何も変わらない。
まさかとは思うが、こういう事例、事象が多いから、電動キックボード事故の交通事故捜査の状況が芳しくない、というのではなかろうか?
そうだとしたら、これも日本の落日を象徴する傾向だろう。
社会主義の失敗、という以前の、舐められてる話そのものだからだ。