2022/08/27 マガジン限定記事「“女”をまとう男たち」 への長文コメント
※500文字でツッコミが終わらないので記事にしました。
「有害な男らしさ」ブームのバックラッシュとは平和ボケの結果である
上記記事はこう指摘する。
「ただしい」時代だからではない。これは平和ボケの結果である、と直感した。
上野千鶴子が著書「女遊び」の中でこう言う。
そんな構図は「あなたの感想」である。
今般のロシアによるウクライナ侵攻について、河瀨直美による東京大学入学式の式辞が炎上したが、これも同じ構図である。
ところが戦場となったウクライナで起きていることは、全く異なる上に、フィンランドでは予備役登録する母親が出てきたという報道もある。
体を鍛える目的としての戦争という観念の無い本邦では、侵略される心配をするのが筋だろう。
さて、現状を見ると、本邦に限らず韓国、中国や他のアジア圏では、キレイ目の美形が流行っている。
中国では行き過ぎを警戒してからか、ブロマンス規制なる話が出ている。
こういう動きが出てくるのであれば、蘭陵王あたりも発禁になるのだろうか?
蛇足だが平和だからこそ起きる、このような現象もある。
体験談:「女装ですか?」じゃなく、「女性ですか?」と言われた話
女性的な美形が好まれる傾向がある、という記事がNature誌に載っていた、と聞いたことがあるので、確かに傾向としてはあるのだろう。
宝塚なんてどうなるんだろう?という気分だが、そこはさておき。
アニメ・マンガ・ゲーム等の2次元関係になってくると、この傾向は加速する。
「マンガの中の美形っぽい見た目」の人が、商業施設の女子トイレに出入りしているのを見ることがあるくらいだ(笑)
現実の問題、男らしさ・女らしさというよりも、持って生まれた生物的な身体を前提に本人の好み(フェチ)を乗っけていくスタイルに忠実なのが女性、という印象すらある。
その一方で"らしさ"の問題は、周囲からの見られ方や人間関係という形で本人を苦しめるケースもある。
以前に高身長女子の嘆き節として聞いた話を紹介したことがあるので再録しておく。
こういう話をした上で、やっと「女装ですか?」じゃなく、「女性ですか?」と言われた体験談を紹介したい。
時はある年の5月連休中の東京ビッグサイト。一部の人にはSuper Comic Cityと言えば分かるだろう。
ここで上はセーラー服、下は半ズボンという出立ちで場内を回っていた時のことである。
補足すると、この日はコスプレ参加可能なため、会場までの往復は普段着で、場内で着替えて動けるという条件。実際に着ていたのは「カードキャプターさくら」の「友枝小学校男子冬制服」である。
そんな格好で場内を回っていたら、私服の女性から「撮っていいですか?」と声をかけられた。
断る理由もないので「どうぞ」って言ったら驚かれた。
「あまりにもかわいいから、てっきり女性の方だと思ってました!」
ってさ…
ここまでなら単なる昔の自慢話として締めくくれるが、前段から読めば本題と関係しているのはお分かりだろう。
2次元の世界ではかわいいとか美人というのは正義なので、そこには性別というものは入ってこない。
これをジェンダーレスと言うのも雑な議論に思える。
単に性差を無くすというよりは、社会的文脈の無関連化や性の入れ替え可能な記号化、そして現実の虚構化をもたらす一つの観念が「かわいい」だからだ。
昨日のりゅうちぇる離婚でも感じたことだが、いきなり出てきて「オマエ、何様だよ!」状態だったわけだから、今回の件で、ようやく現実に帰ってきたとも言えなくはない。
持って生まれた自力では変えられない属性が大きな意味を持つという、封建的な社会を、無関連化、記号化、虚構化で乗り切るという、新たな生き方は、メタバース時代の常識になるのだろうか。