ドストエフスキー「白痴」
本に何を求めるかというと、自分の生活からかけ離れた世界の描写ではなく、自分の考えを首肯してくれる陳述でもない。前者は、かけ離れた世界はこのようであると言われても、実感がわかないため、単に一泊二日で観光をして大して記憶にも残らないといった、貧しい経験しかできない。一方後者は、そもそもベストセラーとかの大半の本は、その肝となる部分を表紙やタイトルや帯で前ばらしされているため、新鮮な驚きを持ってその本を手にするということが少ない。むしろ古本屋で何の一貫性もなく並んでいる書籍群を探索