顧客のことばを記憶する、CSの極み店
お客さんがポツリとつぶやいた言葉を覚えていて、想像を超えたサービスに変換する。サービスを提供する側として、見習うべきCS(カスタマーサティスファクション)の在り方だ。
少し前、友人たちと食事したときのこと。友人の1人が小麦アレルギーなので、取りまとめ役のわたしは、それをお店に知らせておいた。お店はイタリアンなので、パスタやピザが難しいだろう。だから、炭水化物的なものは何があるだろうと、念のため問い合わせてみた。
こんな感じのやりとり
ああ、当然リゾットだけよね。想像通りの回答に納得した。念のため頭にいれておこう。
そして当日、メンバー揃って来店すると、店主が通常とは別のメニューを差し出した。
え?グルテンフリーメニュー?!
メニューを凝視するわたしたちに、店主がこう言った。
「じゃがいもピザは現地(←確かイタリア)で覚えたんですよ。パスタはヤジマ(←わたし)さんから連絡もらってから、グルテンフリーのパスタがあるので買いにいきました。」
「無理にとは言いませんので、良かったらどうぞ。」
いやこれは頼まないわけないでしょ
わたしのために用意してくれたんだよ!と感動する友人は、ピザもパスタも両方オーダーした。
(じゃがいも生地ピザ・ほうれん草とマンガリッツァ豚生ソーセージ)
こんがり焼けたじゃがいもが香ばしく、甘い。小麦と違って、ホクホク感も感じられる。じゃがいものでんぷん質で、生地同士がつながり、うまくまとまっている。完璧なピザ!
(グルテンフリーのパスタ(チーズと胡椒のみのシンプルなカチョエペペというもの))
とうもろこし粉と米粉でできているパスタ。え?小麦ではないんだ。言われなきゃというか、言われても分からない。パスタだけの料理なので、その茹で加減や味つけの濃淡が、仕上がりを左右する料理だろう。いや、これは自信がないと出せないやつだわ。
味はもちろんのこと、何よりその対応に心を動かされた。顧客の何げない一言を、最大限に解決しようとする試みと、心づかい。
この店を選んで良かった。この店を応援しよう。この店にまた行こう。と心から思えた出来事だった。
ちょっとした困りごとを記憶して、それを返す
その積み重ねが信頼を生み、ファンを増やしていくことにつながっていくのだろう。
そんな神対応のイタリアンレストランは
torratoria caro(トラットリア カーロ)