ストーブでミルクコーヒーを作る想いとは
ああ、コーヒーが飲みたい。
在宅仕事の合間にふっとコーヒー熱が降りてきた。今のわたしなら、どんなコーヒーが飲みたいか。ブラック?いや、違うな。ミルクだ。ミルク入りの甘くないのが良い。
じゃあ、外の自家焙煎コーヒーのお店に飲みに行こうか?
(ブラック&ホワイト。コーヒーとミルクが別々に出される)
いや。何だか空模様が怪しいし、今日はこれから仕事なのだ。せっかく外に飲みにいくなら、時間を忘れてゆっくりしたい。ならば家コーヒーだろう。
コーヒー豆を挽いて、手間をかけようか?ドリップパックを使えばお手軽だよな?などと、いろんな選択肢を並べる。迷いながら台所に行くと、ふとカップの中にある、朝食で飲み残したコーヒーを思い出した。冷めてるのでそのまま飲むのはどうかと思い、後で温め直そうと放置しておいたのだ。
そうだ。これでミルクコーヒーを作ろう。小鍋に移して牛乳を加え、火にかける。
そうだ。せっかくストーブがついてるなら、ガスコンロではなく、石油ストーブの上で温めよう。
そして再び思い立つ。そうだ、泡立ててカフェラテ風にしてみたらどうか?
ストーブの上に鍋を起き、ときおりかき混ぜながら様子を見る。しばらくすると泡が徐々に大きくなり、湯気とともにミルクとコーヒーの混じりあった香りが漂う。
別にわざわざストーブの上を使わなくても良いし、わざわざ泡立てることもない。手間をかけなくてもコーヒーは飲める。
しかし、一手間かけるカスタマイズは楽しい。一生懸命泡立てて、自分の手で口当たりを良くする、手作り感。そして好みの熱さに調整し、好みの量をいれられる。
自分にとって、極上のミルクコーヒーが完成する。「自分の手で、自分で考えて、欲求を満たした」という充足感が心地よい。
今の自分にいちばんのモノとは何か?何を優先させるのか?
時間なのか、手作り感なのか、誰かに淹れてもらうおもてなし感なのか。
それはいつでも同じとは限らない。「今ここ」にいる自分の声に耳を傾けて、どんな時でもベストチョイスができるようにしていきたい。
(コーヒーのおともにといただいた、自家製レーズンバターサンド)