おれには『Rain World』に対してどうしても言っておかねばならないことがある
少し前にセールで買った『Rain World』というゲームがあったので先日遊んでみた。どんなゲームかはなんとなくTwitterで見知っていて、「ナメクジ猫とかいうカワイーな生き物として弱肉強食の世界をサバイバルしよう」という内容だというあたりまでは把握していた。Steamの評価もなかなかよさそうだし、セールで安かったので挑戦してみようと思ったのが事の始まりだ。
意気揚々とプレイしてみた結果がこちらである。
ここまでわずか20分の出来事だ。
どこまでプレイした?
チュートリアルが終わって冒険開始後、緑のトカゲに出くわしたところ
なぜそんなところでやめた?
このゲームをやる上で何か大事なことを見落としてるような気がしてならないのにチュートリアルが終わり、何の説明もなくいきなり敵が出てきてヤバいと思ったから。
端的に言うと「エヴァQの碇シンジ君みたいな状態だった」というと伝わるだろうか?
以下、何がどう決定的に合わないと思ったかを書いていく。私はすでにこのゲームはライブラリから完全に削除してしまったため、スクリーンショットを用意できない。なのでこちらの動画になんとなく目を通しておいていただけるとありがたい。
注意書き
・私は自分が割とめんどくさい人間である自覚があるので、例えばこの動画ではサクッと進んでいるところについても大いに文句を垂れている。プレイヤーによって受け止め方は様々だという点はあらかじめご理解いただきたい。
追記:以下動画について、埋め込み状態では見られないためYoutubeのサイトに移動してご覧ください
不親切なチュートリアル
・ステージの設計が悪い
一番最初のステージを開始すると、左下に英語で「空腹なので食べ物を探そう」みたいなメッセージが出てくる。道を進むと青い実のようなものが出てくる。これは食べられる実ということは後で判明するのだが、どう頑張ってジャンプしても届かないため、スルーするしかないし取りに戻ってくることもない。こんなものが配置されているせいで、「なんか取れそうな気がするけど取れないのは何か操作を見落としているのだろうか???」と悪戦苦闘することになった。
・プレイヤーを誘導する役のNPC生物の誘導がよろしくない
一番最初のステージで、一番基本的な移動を覚えるとプレイヤーの行く先に謎の黄色い生物みたいな何かが現れる。こいつはこの先もずっとチラチラと出現してはプレイヤーを誘導するのだが、こいつがまるで役に立たない。一番最初のステージでいえば、このマップでやることは何もなくとにかく右に進むのが正解なのだが、ウロウロしているとプレイヤーの右側にも左側にも出現する。先に述べた無意味なオブジェクトと合わせて「こいつは何だ?ここで何かしろということか?」としばらく無為に探索をすることになる。だができることが特にないのでおとなしく右に進むしかないのだ。
・ロングジャンプの説明が大変分かりづらい
距離のある崖に出くわすと、それを越えるためにロングジャンプのチュートリアルが入る。先のNPCがホログラムみたいな表示で押すボタンを指示してくれるのでそれに従って行動すれば簡単に飛び越えることができる。
というわけには残念ながら行かなかったのだ。
ロングジャンプのやり方
↓ボタンでしゃがみ状態+Zボタン長押し ボタンを放すととジャンプ
というシンプルな挙動なのだが私はここですでにやり方がわからなくてしばらく行き詰ってしまった。Zボタンの長押しの指示がとても分かりにくいと感じた。人によってはサクッと越えられるのかもしれないが、それにしたって分かりにくいものは分かりにくいのだ。
・投擲のチュートリアルが無意味
少し進むと「ものを拾って投げることができる」という説明が入るのだがこれも本当に意味が分からない。何でもない場所でいきなりその辺の石ころを拾って投げることになるのだが、
・拾って投げたところで何も起こらない。何の役にも立たない
・拾って投げることの必要性が理解できない。何のためにあるのかがわからない
ととにかく無意味なのだ。投擲の活用法が説明したいのであれば「生物に当てることで気絶させることができる」とかギミックに即した活用方法を組み合わせたチュートリアルくらいいくらでもありそうに思うのだが。これも不信感が増したポイントの一つ。
・ゲームシステムに対する説明が絶無
これが20分でブン投げた最大の理由だと思う。序盤のチュートリアルの流れを整理すると
ゲーム開始
・基本操作の説明
・危険な雨が降ってくるのでシェルターに隠れよう
初日の探索
・空腹を満たすため餌を食べよう
といった順になる。これらに従って満腹度を確保し終えたところから問題なのだ。
ガイドNPC生物はその後シェルターに移動するよう案内してきたので、素直にシェルターに入ってみた。そうするとまだどこにも探索に出かけていないにも関わらずいきなり強制的に一日が終わってしまったのだ。
ここまでのプレイを通じて、「昨日あった餌が今日はなくなっているかもしれない」ということを確認していたのだが、そうするとここでいきなり寝てしまったのは本当に大丈夫なのか?という強烈な疑念を抱くことになる。このシェルターにいつまでも留まっていてよいのか?先に進まなくて大丈夫なのか?徐々に餌がなくなってジリ貧になったりすることはないのか?とにかく謎である。
(ちなみにであるが、プレイ動画を確認する限り、1日目でいきなりシェルターに案内される例は見つからなかった。アップデートで仕様変更になったか、NPCの気まぐれによるものではないかと推測される。いずれにしても理解しがたい。)
一日が終わるとレザルトのような画面が表示されるのだが、この画面に出てくる謎の記号が何を表しているのかもまったくわからない。寝ることで何かの記号が1つ上に進んだということは日にちを表しているということか?シナリオが進んだようにも見えるが、ということはとにかく日数を生き延びればよいのか?それともどこかを目指さなければならないのか?何もわからない。
そもそもどういうシステムなのか?何を目指して行動すればよいのか?そういったことについてこのゲームは本当に何も教えてくれない。
そしてその後、仕方なく探索に出かけたところでトカゲに出くわし、「なんもよくわからんままにこいつらに食われるのは最悪だな...」と思ってブン投げることにした。
その後
なんにせよ攻略情報が欲しいしYoutubeで動画でも見てやろうかと思って見てたらメチャクチャ面白かったので最後まで見てしまった。
このゲーム、これからいろいろと残念な点を挙げていくのだがそれはそうとビジュアルに関してはもう本当に最高にクールだという点は強調しておきたい。別に何もかもが悪いわけではない。
それはそうと、プレイ時には謎だったゲームシステム等々について動画で頭から追いかけていきながら答え合わせをしたところ、これが相当にトンデモな仕様であることが判明して愕然とした。
以下のパートについては自力でプレイしていないものの、「まさかそんな仕様のゲームだったとは夢にも思わなかった」という点についてはどうしても言及せざるを得ないためそのようにする。あらかじめご理解いただきたい。
ゲームの仕組みについて
1日の終わりに出てくる謎の記号は何なのか?
一見すると日にちか、あるいはイベントの進行度か、はたまたチャプターのようにも見える。だが、そのどれもが間違っている。
これは「カルマ」と呼ばれる、増えたり減ったりするステータスである。
カルマ???
なぜ野良ナメクジ猫にそんなステータスが付与されているのかというと...これが実は1ミリも説明がないのだ。もしかするとあるかもしれないのだが、おそらくほとんどのプレイヤーが目にすることはない。プレイヤーはこの訳のわからないステータスを管理しながらこのゲームを進めていくことになる。
カルマの仕様はだいたい以下の通りである。
・シェルターに避難して休眠を取ると1増加する。(最大5、のちにさらに増える)
・死ぬとカルマは1減少する。(念のために言うと、このゲームはとても頻繁にあっさりと死ぬハードなアクションゲームである)
・特殊なアイテムを食べると死んだ際のカルマの減少を防ぐことも可能
・マップ間の移動のためには必要とされる最低カルマ値が設定されているゲートが存在する。ゲートの移動ではカルマは増減しない。
・広大なマップを行き来するためのファストトラベルが存在するのだが、「ファストトラベル権」を手に入れるためにはカルマ値が関わってくる(要件は後述)
ざっくりこんなところだろうか。このゲームの極めて大きな欠陥なのだが、この無駄に複雑な仕様をプレイヤーがゲームから得られる情報のみで正しく理解するのは極めて難しい。例えば、
・「死ぬとカルマが減少する」という仕様を理解する前に、「食べると1度だけカルマの減少を防いでくれる」という謎のアイテムを食することができる
・そのアイテムの説明というと、初めて目撃した際に左下に"Here is a strange energy"という説明が出るのみ
・そのアイテムを食べても、何が起こったのかがその場では少しも理解できない。
・マークが点滅をして、マークの周りに円が増えるのだが、マークがどう変化したかもとても分かりづらく、「何かの効果が付与された」ということを理解できるかすらも怪しい。
・死ぬとマークの周りに加わった円が剥がれるのだが、そもそもどんな見た目だったか、いつそれが変化したかをまず覚えていないので、その日例のアイテムを食べたこととの因果関係を見出すことができない
10人が10人、「謎のアイテムを食べたらなんだかよくわからないことが起こった」と思うだろうがいかがだろうか。
そもそもこのゲームはハードな「死にゲー」であるのだが、死んだ際にカルマが下がるせいで、「ゲートをくぐるためのカルマ調整のためだけに数日を費やす」というフェイズが否応なく発生する。
足場から足場へとジャンプに失敗して即死、よくわからない生物に近づいた瞬間に即死、絶対に識別できないほど極めて高度に擬態した捕食生物(後述)に突然捕まって即死、シェルターに隠れるのに餌が足りずに時間切れになって即死、とまあ理不尽な死に方を繰り返すことになるこのゲームにおいて、死が明確にデメリットというのはほとんど嫌がらせみたいなものに思えてくる。(やってないのであくまで想像だが)
そういえば書き忘れていたが、このゲームには1日の活動時間には限りがあり、時間までにシェルターに戻らないと雨が降ってきてどこにいようと即死する、というルールがある。画面左下にはタイマー表示があるのだが、これも1日の残り時間であると分かりづらいために、死んで初めて「これは時間制限を表していた」と理解するプレイヤーも散見される。
全体マップとファストトラベルについて
このゲームは極めて広大なマップを有しており、基本的にどこに進むも自由な作りになっている。オープンワールドゲームに類する構造だといってよい。まずそのことを理解するまでに相当な冒険を繰り広げることになるというのがプレイヤーの心を折るポイントではないかと思う。
例えば、「進めるところに適当に進んでいたら極めて高難易度で後回しにするべきエリアに突撃していた」「自分が進んでいるこのエリアはどうやらラストステージに繋がっており、調べたところ現状ではクリアできないのためこの後門前払いを食らうことが分かった」といった例が確認されている。(かわいそう)
そもそもこのゲームにおいて目指すべきゴールというと、「はぐれてしまった仲間のナメクジ猫たちと再会する」という筋書きが一応は提示されるのだが、序盤を過ぎればその点についての進展は一切が放ったまま回収されることがない。各マップにおいてすべきことは何一つ提示されないし、次に向かうべき場所もNPCが気まぐれにおこなう場当たり的なシェルターや餌の案内以外何1つ存在しない。
これもまたこのゲーム致命的な欠陥なのだが、広大なマップがありながらそのほとんどが「ただ通過するためだけに存在する、プレイヤーにとっての障害物でしかない」という点だ。
メトロイドのようなゲームの場合、マップをクリアすると他のマップをクリアするのに必須または有利になるような強化が手に入るといった仕組みがある。RainWorldにおいて、そのような「各マップでやるべきこと」があるかというと、1つもないわけではないがほとんどないといっていい。この「一つもないわけではない」というのが極めて中途半端で何を考えてそうしたのか理解に苦しむポイントなのだ。
例えばあるNPCに出会うと、体が常時自己発光するようになり、暗いステージも容易に突破できるようになるという恩恵が受けられる。ラストステージを含むいくつかのステージは、極めて暗い上に敵も多く、真っ暗なままでは突破は困難なものになっている。それが別のステージを先に回ることで容易に進めるようになるというのは、広大なマップの設計としては合理的だろうと思う。
だが、このゲームにおいてキャラクターになされる強化というと、「自己発光」と「カルマの上限を10まで解放」の2つしかない。マップの数は全体で10以上、小部屋の数は1600にも上るというこのゲームにおいて、マップクリアで手に入るものというとその2つしかないのだ。(正確にはカルマの解放は段階的に行われるが、しかしである)
例えば、「落下死の危険を冒して高いところに上ったはいいが、いい景色が見られる以外にやることが何もない」みたいなマップが存在する。私は思うのだが、そういった場所に収集物の類を配置するこいうことは思いつかなかったのだろうか?
この謎めいた作品世界に一体何があったのか等を明らかにするドキュメントといったやりこみ要素は、本作においても実は実装されている。それらの収集を各地のマップで行うようにすれば、プレイヤーは確実に自分が進んでいるという実感を得ながらプレイを進められたはずなのだ。だが実際には、どこへ行けばいいのか?何をすればよいのか?といった基本的なことも分からずに進む時間が延々と続くことになるのだ。
それともう一つ、ファストトラベルの仕様についても言及しておかねばならない。どんな仕様かというと
・カルマ値を一定以上に保って訪れた地域が対象
・「ファストトラベル権」を手に入れるためには特定の条件を満たす必要がある
・まず第一に「The Survivoir」という実績を解除する必要がある
・これはカルマ値5を維持して累計5日生存することで解除される
この実績を取得すると、レザルト画面左下に"passage"と呼ばれる謎のボタンが出現する。これが大問題なのだが、
まず第一に、これがファストトラベルであるということが大変分かりづらい。
第二に、「ファストトラベルは回数を消費して行うものである」ということがあらかじめ提示されない。
第三に、ファストトラベル権を増やすためには、「実績」を解除する必要があるのだが、条件が明示されることはない。
という悪魔的仕様が合体したおそろしい機能になっているのだ。あるプレイヤーは何も考えずに試してみた結果貴重な権利を浪費するハメになり、またあるプレイヤーはこのpassageがファストトラベルだとは夢にも思わずプレイしていた。
ファストトラベルの回数は1つのセーブデータにおいて有限であり、増やせる条件というと例えば、
・植物に該当する食べ物のみで5日程度生存する。
・石や槍で生き物を攻撃せずに5日程度生存する。
・6色のリザードを殺害する。
といったものがある。これらの進捗度はレザルト画面においてカウントされることで知ることができるようになっているのだが、残念なことにそれらのカウントはプレイヤーにとって謎の点が増えたり減ったりしているとしか認識されないのだ。
またあるいは、「ある場所であることをする」といったカウントされないものも存在し、それらについては本当に一切情報が開示されることがない。「Steamにおいて実績が解除されたと思ったら、レザルト画面で同じ名前のなんらかの何かを取得した」としか認識できないのだ。
その他ゲーム内に一切説明のない事柄
基本操作
・両手にもったアイテムの入れ替え
どちらの手に持っているかで使用される順番が変わる
・アイテムは1つだけ口の中に蓄えておくことができる
・水中でジャンプボタンを押すと速く泳ぐことができる。
同時に酸素の消費が速くなる(酸素のメータは表示されない)
・ヤリは壁に突き刺すと足場にできる
気づかないと越えられない高さの壁が存在する
全部は書かないのだが、基本的な操作かつとても重要にもかかわらず説明されない操作というのがこのゲームには無数に存在するのだ。
説明は省くが他にも自力では気づくのが極めて難しいギミックがこのゲームには無数に存在する。攻略情報を見て初めて使い方を理解できるようなオブジェクトがたくさんあるのだ。
理不尽な死にゲー
白トカゲとか言われる「完全に背景に同化したうえでガン待ちキメてくる鬼畜生物」に絶えず襲われるステージがある。さすがにこいつは理不尽すぎる。そもそもこいつが出てくるステージは確かまともに攻略しなくてもよいのに最初に迷い込む可能性がある、というステージだったはずだ。そういうところでプレイヤーの心を殺しにくるゲームである。
これだけは何が何でも言っておかねばならないこと
ここまでについては、文句を垂れつつも基本的に攻略情報を見れば、あるいは何十時間もプレイしていればプレイヤー側の適応によって感じ方が大きく変わる余地のある部分だと思う(白トカゲだけは無理でしょ)。自分でプレイせずにあまりとやかく言うのはあまりよろしくないムーブだというのは一応自覚はしているつもりだ。だがこれから述べるラストステージについての文句は......これだけはとにかく言わせてほしい。こんなゲーム自力でプレイしていたら大変な目に遭っていたと。なんてゲームを作りやがったんだと。
以下、ゲームのエンディングに関するスポイラーがありますので各自の責任でお読みください。
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それではやってこう。
最終ステージがどんな場所かというと、真っ暗な地下水路を抜けた先、古代の寺院のような場所にたどり着く。ここにいるガーディアンと呼ばれる存在は、プレイヤーのカルマが10に満たない場合容赦なく殺しにかかってくる。ここを越えるためには、はるばる遠回りして長い旅ののち、カルマ上限を10まで解放したうえでこの場所に戻ってこなければならない。それがこのゲームをクリアするための一応の正規ルートになっている。
この「カルマが10」がクリア要件になっているというのもまったく理解しがたい上に、さらに加えて実は、カルマが低くてもめくらましアイテムを利用すれば、ガーディアンを突破することは可能なのだ。
これがRTAガチ勢がとんでもないグリッチを使いでもしない限り絶対突破は無理そう、とかであれば文句をいうこともない。だがその辺の難敵と同じようにアイテムの使い方次第で試行錯誤すれば突破できそうに思えて、しかも実際に突破できるとなると、なぜこんな相手をラストステージの門番に置いたんだという不満が出てくる。試行錯誤した挙句、「突破できそうだけど実は無理なので遠回りするのが正解だった」なんてことになれば目も当てられない。
さらには、正規ルートに従ってカルマを10に上げてラストステージに臨むと、ガーディアンは何もしてこない。ルートによってはガーディアンが本来どんな相手なのかをまったく知ることなく通り過ぎていくことになる。「よくわからないままに世界を巡ってたらいつのまにかクリア条件が満たされていた」みたいなことが起こりうるのだ。
このゲーム、残念ながらクリア条件がおよそまともに設計されていないと言わざるを得ない。
さらにである。全体を通して30時間~50時間ともいわれる長い長い攻略の果てにたどり着いたラストステージを進むと、ハッパ吸ってラリッたかのごとく視界にノイズが混じるようなエフェクトがかかるようになるのだが、このノイズこそが私の最大のブチ切れポイントなのだ。
進めば進むほど、ノイズは酷くなっていく。そしてついに画面全体がもう目も当てられないほどにノイズまみれになってしまうのだ。
人によって耐性に差はあるのだろう。だが私はプレイ動画を見ただけで、誇張抜きに、吐き気を催してしまった。キツイものはキツイのだ。どうしようもない。間違いなく自力で突破するのは不可能だったはずだ。なんでゲームでこんな目に遭わなければならないんだ。
しかもいつ終わるともしれない移動シーケンスはひたすらに長い。とんでもなく長い。途中からノイズの代わりに相当にキモい巨大な触手生物が画面を埋め尽くすようになるのだが、これも視覚的にまあまあキツイ。
挙句は最後、真っ暗闇に放り出されるのだが、この暗闇ではプレイヤーのナメクジ猫と同じ姿をした存在(仲間と誤認するプレイヤーもいるようだが違うようだ)がひたすら泳ぎ回っている。
ゴールの条件は、真っ暗闇の中を進んで光の球に入ることなのだが、この光の球をプレイヤーは見失ってしまう可能性がある。つまりどちらに進めばよいかがわからなくなることがあるのだ。
直前のシーケンスまではひたすらまっすぐ下に泳ぐのが正しいのだが、RTAの動画を見る限り暗闇に入ってからは右斜め下に泳ぐのが最短らしい。泳ぐ方向によってはこれを行き過ぎたり戻ったりしてしまう、ということが実際におこるのだ。あるプレイヤーは10分近く泳ぎ続けた挙句どうすればいいのか分からず途方にくれていたのだが、一番最後の最後にそんなことが起こりうるという設計になっているというのがもう本当に腹立たしい。プレイヤー舐めてんのか???ああん???そんなのどっちに進んでもゴールでええやろが!!!アホか!!!
ここまで配慮が足りないクソ雑ゲーム設計のつるべ打ちともなると「自力でプレイしなくて本当によかった」という感想になる。
(ちなみにエンディングであるが、わけわからない世界に突入した挙句精神世界解脱エンドなのもあきれポイントだ。まあそこは人によって反応は様々なのだろうけれど)
普段ならこんなことは言わないし、ましてエアプで不満を言うなどとはおよそ絶対にやらないのだけれど、まさか自分が手を付けたゲームがここまでのシロモノであるとは想像だにしていなかったことのショックは大きい。特に画面を見て気分が悪くなったというのは、そんな仕打ちを受けたというだけで文句の一つも言わせてほしいという気持ちを抑えることができなかったのでこうして書いている次第だ。
おわりに
「Rain World」というゲームだが、1から10までサイアクのゲームだとは思わない。ビジュアルは(ラストを除いて)最高にクールだし、必要な情報を仕入れたうえで操作に慣れれば相当にアクロバティックなアクションも楽しめる。やりこみ要素も充実しているようだし、アップデートで追加、改善された機能もいろいろある。
だがそれでも、このゲームはプレイする人間に対する配慮がまるで足りていない。それによってプレイヤーに理不尽で不毛な時間を過ごすことを強いる、そういうゲームだ。私にはそのように思える。
繰り返しになるかもしれないが、たかだか20分しか遊んでいないゲームにたいしてこんなことを言うのは、恥ずべきムーブだろうというのは自覚している。それでも俺にはこれを言わずにはいられなかったのだ。わかってほしい。
今回は以上だ。
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