なにもない部屋。
「ミニマリスト」
「断捨離」
物を持たない生活スタイルは、年々盛り上がりをみせている。
わたしは収集癖が強く(趣味はフィギュア集め)、せっせと巣作りするタイプなので、そういった生活はものすごく眩しい。
スッと物が確認できたり、お掃除も簡単だったり…いわゆるシンプルな生活。
自分には程遠い生活なんだろうなぁと、思っていたのだが、強制的にその生活は始まった…。
ブームが始まるずっと前から、根っからのミニマリスト体質な人が身近にいたのだ。
我が家のプロデューサー(夫:以下P)である。
お付き合い当時、Pの一人暮らしの様子には大変驚かされた。とにかく物が少ないのだ。
「ベンチ入りは作らない。全員がスタメン。」
これが彼の物に対するモットーである。
毎日手にするものだけを手元に置くのだ。
Pのクローゼットエリア。
恐ろしいほど何もない…。
その為、「なんとなくいいな〜」の感覚で物を買うことは全くない。あまり手にしなくなったら、
「ありがとね。」
と、一言を添えてスパッと手放して潔い。
わたしはというと、
「あの時の気持ちが蘇る…」
「あぁ、やっぱりみるとかわいいな…」
と、執着をみせる。
別れても引きずるタイプで、非常にめんどくさい。
一緒に生活する上で、これは私が歩みよるしかないのだろうな…と、同棲を始める時に覚悟をしたのは今となってはいい思い出である…。
リビングの一角。
最近は机までもが折り畳み式。
その都度出すことになった…。
しかし、Pも鬼ではない。
共有スペース以外は細かく言わないし、私のフィギュアコーナー(でも、クローゼットの中で隠されている…)は必ず用意があり、エリアを分けてくれる。
そういった日々の積み重ねにより、わたし自身もだいぶ物に対する執着は落ち着いたように思う。
今では、部屋の余白がないと落ち着つかない。
…完全にPの思惑通りである。
でも、ガラーンとした部屋にいるとそれはそれでちょっと不安になることもある。
日々の不確かなもやもやは、実は物に飛ばしていたのかもしれない。
持ってないけど大丈夫かな。あるほうが便利なんじゃないか…etc...。
何もない部屋はとてもスキなのだが、まだまだ巣作りして心落ち着かせたい自分と、Pの監査に対する戦いは続くのであった…。