少しの手間。
ご飯を炊く時は炊飯器。
パンを焼く時はオーブントースター。
おかずを温める電子レンジ。
食事を準備する時にはある、定番必需品の生活家電たち。どの家電も精鋭揃いである。
ただ、2021年現在の我が家には電子レンジしかない。炊飯器とトースターは、数年前に引退してもらっているのだ。きっと、今はどこか遠いところでゆっくりしていることであろう…。
炊飯器がないならどうやってご飯を…?
トースターがないとなると…パンはいつもそのままで…?
普段使用している人なら、色々と疑問が出てくるだろう。
実際引退してもらった後はなかなか苦労し、ありがたみをしみじみと感じたものである。
ただ、少しずつ自分の中でその過程も楽しみながら進めていくと、それはそれで色々と発見が出てくるものだ。
まず、ご飯は現在お鍋で炊いている。
少し前まではハリオの「ご飯釜 雪平鍋」選手に活躍してもらい、水加減・火加減などを調整しながら美味しく用意できた。
今はというと、mont-bellさんの「クッカー」を使用して飯盒(はんごう)炊飯のようにコトコト炊いている。これがまたキャンプをしているかのようで楽しい。
雪平鍋に比べると経験が浅いので、慎重に鍋の前で経過をみる日々である。
キャンプ感がたまらない。
(mont-bell アルパインシリーズ)
パンのトーストはというと、ホットサンドメーカーを使っている。
オーブントースター選手に引退してもらってからというものの、ずっと杉山金属さんの「ホットサンドメーカー スマイルクッカー」で直火でジリジリと焼く。
ちょうどいい焼き目になるまでは試練の連続だったが、ここ最近は長年の経験から「ここだ!」と、いうタイミングで取り出すと非常に綺麗なキツネ色に仕上がるようになってきた。何事も積み重ねである。
使う毎に味が出てきて愛着も。
(杉山金属/ホットサンドメーカー スマイルクック)
電子レンジ選手だけは、やはりまだまだ奮闘していただきたいと思っていて手放すことができないでいる。
<蒸す・焼く>ができる万能選手は、とても便利で離れられないのだ。
文明の利器をフル活用させてもらっている。
大体のことが、今はすぐできるようになった。
家電製品は特に生活の中では欠かせないものだ。
少しでも楽にできるようにと、様々な先人の知恵や科学技術の発達を証明しているものだと思うし、率先して使いたくなる。
ただ、最近はその便利なものを「必要なときにお借りする」というような感覚でいたいと思ったのだ。
炊飯器もオーブントースターも、本来ならまだ引退してもらわなくてもよかった。それでも、敢えて手放したのは「少し手間がかかる」という感覚を忘れてはダメだなぁと思い始めたからである。
実際、自分でいざやってみると大変なことは多い。完成された物を手にとって、使うことは簡単なのだ。
でも少しそこから離れてみると、いかにその「簡単にできる」ようにすることが難しいことだったのかもわかってくる。
今便利なものは、多分たくさんの人たちが力を合わせて形にしていることばかりなのでは…と、究極の真理にまで最近は到達し始めている。
現代人は本当に忙しい。
時間を確保するために、どんどん利用できるものは利用した方がいいと個人的には思っているくらいだ。
「楽ばかりしちゃダメよ〜」なんて時代遅れのことをいうわけでは決してないが、便利な今に改めてありがたみを感じるようになる「敢えて手間なこと」は、ちょっとばかりオススメだ。
いつも楽をさせてくれている物を通じて、色々なことにもきっと感謝する視野が広がっていくと思う。