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rica tomorlさん・インタビュー

八重山のアーティストのみならず、すべてのアートと呼ばれるものに触れ、心を奪われた皆様も、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか?

「どうやってこの作品が生まれたのだろう?」

そこで、やいまぬむじかでは、皆様により一層楽しく音楽に触れていただくための試みとして、第4回配信ライブに協力していただいたアーティスト・rica tomorlさんにインタビューを行いました。

この記事では皆様にも、ステージとは一味違うricaさんの魅力に触れていただきたいと思っています。

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rica tomorl(リカ・トゥモール)さん 


まず筆者が到着したのはrica tomorlさんのお父様が営む喫茶店・海坊主(うみぼうず)さん

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店内は常にジャズが流れ美味しいコーヒーと食事についつい時間を忘れてしまう、まさに島時間を満喫できる昔ながらの喫茶店です。

インタビューをする時間が伸びちゃわないように気をつけなければなりません(笑)


事前にお店に到着し、すでに待っていてくださっているrica tomorlさん。待たせてしまいすみません!と席に着いてまずコーヒーを頼みました。

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丁寧にドリップして作られたアイスコーヒー(¥400)

コーヒーでっけぇ!

この日の石垣島は快晴。喉も乾くしありがたいかぎりです。


それでは気張っていきましょう~~~~~


インタビュー・スタート!



●それで今回インタビューをさせていただいて、ricaさんのパーソナルな部分を教えていただきたくて。歌い方とかも気になってたので、それも聞けたら新しいファンの人をつかめるかもしれないということで…(笑)

―よろしくお願いします(笑)

●責任、自分で上げちゃいましたけど(笑)


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―逢いたいと想った人達には逢える感じがしました―


●まず生年月日と出身地区を教えてください。

―1981年5月27日生まれです
  (インタビュー当日は5/28)

●27日…えっ? あれ?

―そうそう!昨日誕生日!喜幸にーにーと近い、誕生日(笑)

●おめでとうございます!出身地区はどちらになるんですか?

―えっと、母は大川4町内、父は竹富です。



●ricaさんご自身はどこで生まれたんですか?

―どこで生まれたんだろうねー。
  一応、玻座真医院で生まれたんだけど…。

●小さい頃の家とかも覚えてないですか?

―そうだね、小さい頃は家が転々としていて…引っ越しが多かったわけよ~。で、多分生まれたのは石小の近くのちっちゃい一軒家みたいなとこで。

●字石垣ですか?

―そうそうそう、そこでばーちゃんと暮らしてる写真とかもあって、多分そこで生まれたと思うけど、ほんとにいろんなところでアパート暮らししてて、私が幼稚園ぐらいの時に美崎町に来た!

●美崎町が長いですか?

―美崎町が長い!5歳ぐらいの時に、今の焼肉太陽のところに…

●それだと友達関係は石小校区の友人が多いですか?

―海星!そこから、二中→八重高ですねー。

●ここ、喫茶・海坊主はお父さんのお店ですか?

―そうそう、父が始めたお店で…今年で44年くらいですね

●44周年ですか?!すごい…!

 名前の由来を教えていただきたいんですが、なぜrica tomorlという名前で活動することになったんですか?

―ricaは「行こう」でtomorlは「海」で、リカ・トゥモールという名前で、私なりの島唄っていうのをコンセプトに、方言だったり八重山民謡のメロディをエッセンスに取り入れたポップス曲を作っていこうと思いました。

●気になってたんですけど、沖縄っぽい歌いまわし(少し跳ねる歌いまわし)も民謡から入ってたりするんですか?

―いや、民謡や踊りを習ったことはないんですよ。ただ、いろんな人の歌い方を聴いて、面白いなっていう所を取り入れています。
だから私の歌い方は民謡の歌い方ではないです。逆にカントリーな歌い方を練習している時期があって。カントリーにもふっと引っ掛ける歌い方があるんだけど、いろんな国の面白い歌い方をちょっと真似したりっていう…アイルランドとか、ビョークとか。民族的な感じとか面白いなって思ってたら今活動している東京エスムジカに繋がったりして、それもまた面白いなって思って。

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rica tomorlさんが活躍しているグループ「東京エスムジカ」。写真右はリーダーの早川大地さん。


●何歳のころから、どんなきっかけで音楽を始めましたか?

―子供ってみんな音楽好きじゃないですか。音楽を聴くとみんな踊りだす、みたいに。だから自分でもいつからかはわからないんですけど、きっかけとしては、カラオケとかが出始めたときに、小学校くらいかな?みんなが上手に歌えるんですけど、私全然音程取れなくて(笑)
それがきっかけで、「私も歌えるようになりたい…」と(笑)


●みんなに負けたくない!みたいな(笑)

―みんなに負けたくないじゃなくて、「自分ができるようになりたい!」
誰かに勝ちたいとかは一切なかったんだけど、自分ができるようになりたいって思った。「なんでできないんだろう?」っていうようなところから入った…のかな?

●それは、誰かに習いながらですか?

―いやいや、全部CDとか聞いて…自分で一生懸命、何回も聴いて何回も練習して、「あ!できた!」と思った時、ほかにもいろんな音楽があって面白いなって思って。

●その中で心に残る曲はありますか?

―小学校くらいの時に、沢田知可子さんの「会いたい」とか流行って。
あと松任谷由実さんとか、五輪真弓さんとか井上陽水さんとか…。うちの母が日曜日によくこのCDたちをかけながら家を掃除してた(笑)

●結構お母さんの影響が強いですか?

―といっても、父親は経営する喫茶店でジャズを毎日かけていて、幼稚園とか、学校帰りは喫茶店に帰っていたのでジャズも聞いてましたね。ボーカルなしのトリオが好きで。

●お父さんがジャズを聴くのでジャズも聴いて育ったんですね。

―そうですね、ジャズに関しては意識してないですけど。
 あ、でもどれも意識してないかな?(笑)

●いいですね。お話を聞いてると楽しいです。中でも特に井上陽水さんの影響…歌い方とかはイメージなかったので(笑)

―でも自分の中のベースはこの方々の影響はすごくあると思ってて、(沢田)知可子さんは本当にご縁があって、自分が音楽始めてから東京で知り合いを通じて紹介してもらったり…。
いまもそのご縁は続いていて、去年(2019年)東京でライブした時にもゲストで沢田知可子さんが来てくださって歌ってくださいました。



●いいですね!子供のころ聴いていた人と歌を歌えるなんて、夢がありますね!

―「逢いたい」と想った人たちには大体逢える感じがしました。




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※「サニンの花が咲く頃」のリリーズ時、ショートヘアのrica tomorlさん。現在のロングヘアも素敵ですがこの時もかわいい。(すごい似合う。)




●作詞作曲するうえで影響を受けた音楽や出来事はありますか?

―いろいろ自分が感じたこととかを主に描くんだけど、詩に関してはプラスでおじいちゃんおばあちゃんの言葉とかで面白いなと思った表現は大体メモしてます。おじーおばーはすごく面白い表現するなーと思って(笑)
うちの娘がさっきまで笑ってたのに突然ぐわーっと怒りだしたりすると
「はぁ~、あんたの風(かじ)廻(まー)りはすごいね~」
って。その表現って素敵だなぁと思って書き留めたりはしてて。喜怒哀楽、激しさとか、いろんな物事の表現方法がすごくおしゃれだなと思って(笑)

●ほかにもあったりします?こういうのよかったなーっていう表現…

―いっぱいある!自分の曲とかに取り入れてます。方言っていいなと思ったので。



●サニンの花の咲く頃の最初のセリフもおじいさんたちの言葉ですか?

―あれはおじいちゃんの置手紙です。
認知症おじいちゃんの介護を母親としていて…。ある日、おじいちゃんが「心配(しうば)すなよ、畑かい(に)行ってくるからよ」って書き置きしたままいなくなって。
どこ探してもいなかったけど、知り合いから、「あんたんとこのじーちゃん、どこどこの道で座ってるけど大丈夫ねー?」って連絡が来て。
それで迎えに行ったら「畑に行きたかったんだけど畑の道がわかんなくて。でも帰ろうとしたら今度帰り道もわからないからとぅるばってた(ボーっとしてた)さ~」って言われました。

最初は普段の介護疲れから、夜も眠れなくてイライラしてたんだけど、ある夜一緒にお茶を飲みながらふとおじいちゃんを見たとき、「あぁ、この人も一生懸命生きてきたし、この人のおかげで私たちがいるんだよなぁ」と思って。それで、おじいちゃんの元気なころの背中を曲に残したいなって書いたのが、“サニンの花が咲く頃”です。



●この話を聞いてから曲を聴くとまた違う感想が出ますね!

―「あなたが私に会いに来る」は、おなかの中に身ごもった命が、「あなた(いのち)が私に会いに来る」。2番はまたちょっと別で、お盆に「あなたが私に会いに来る」。お盆の時に天国からみんなが生きている私たちに会いに来るっていう意味を込めて2番は書いたりしています。生まれてくる命と、亡くなった命と、どっちも「あなたが私に会いに来る」。という思いを込めています。

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●今、ご自身が作った音楽を通して伝いたいことはありますか?

―“伝えたい気持ち“って何だろう?と思うんだけど、感じ取れるものを感じ取ってほしい。私はこのことを唄っています、ということが歌詞のすべてです。絶対こういう意味なんです、だからこれを汲み取ってくださいっていうのは一個もなくて、私こういう時にこういう曲書いたんだよねー、それでは歌います、みたいな(笑)
“聴いてくれること“で成り立つじゃないですか、ライブとか。だから、その上で「だからこれを聴いてよ」っていうより、ここから何が伝わるんだろうって感じます。
音楽って自由じゃないですか?だからそっち(受け取ること)も自由なほうがいいと思います。自由に感じ取るものを感じ取ってほしい。
「こっちは悲しくて歌ってるはずなんだけど、でもあなたにとってこれハッピーに聴こえるんだ、それって素敵だね!」とか思っちゃいます(笑)


●やいまぬむじかの活動に関して何か感じたとか、こうしたらいいんじゃないかっていうのはありませんか?

―感想が一つあって。
石垣の音楽シーンというか、昔は…うちの父の世代はジャズを聴く人がすごく多くて、すけあくろの光男さんもジャズを聴いてて、この八重山の音楽を引っ張ってきてくれてて私たちもデビューのころからお世話になっているライブハウスで…。
で、光男さんも引退するじゃないですか。私たちのほうが普通にしていったら長く音楽活動を続けるわけで…。
そのあとの行方が、今回のことによってすごく明るくなったなって思ったんですよ。今回のやいまぬむじかに関してもそうだし、いろんな方法を考えてくれて、音楽を発信してくれる…楽しみがあるなって思いました。 「昔から音楽シーンを支えている人たち」の、そのモノを受け継ぐ人たちがいるっていう…明るさとか、音楽シーンがまだまだ続くなって思ったんですよ。終わらないというか。




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rica tomorl(リカ・トゥモール)

1981年5月27日生まれ。
竹富島出身の父と石垣島出身の母の元に生まれ、幼い頃から歌を歌い始める。
方言でrica(行こう)tomorl(海へ)というアーティスト名で音楽活動を始め、八重山民謡や方言・メロディを取り入れた音楽を制作し、加えて自身の祖父や祖母の心に残る言葉を楽曲に取り入れ、自分自身の生きてきた証や魂を、美しい歌声と暖かく大きな優しさに包みながら表現している。
巡り廻る生命の尊さを唄う「あなたが私に会いにくる」はrica tomorlにしか発することのできない、温かくどこか切ないメッセージソング。




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東京エスムジカ(とうきょう・えすむじか)

沖縄県石垣島出身のVo. rica tomorlとSound producer.早川大地のオーガニック・エスニック・ユニット。

早川大地のジャンルに捉われない自由なサウンドに乗り、rica tomorlが力強くも透明な歌声で、ポップ・バラード・エスニックソングなど様々な曲を自在に表現する。

活動の場は日本を超え、ドイツ・オーストリア・スイス・台湾・韓国・インドネシア等さまざま。民族音楽(エスニック)的な要素を持つ曲も多く、その音楽性を裏付けるように常に新しいフィールドと音楽の扉を探し続ける夢幻の旅人。




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ricaさんのお父様が営む喫茶・海坊主(うみぼうず)

今年で創業44年を迎える石垣島屈指の老舗喫茶店。いつも穏やかなジャズが流れる店内に充実したフード・ドリンクメニュー。常連客で賑わうアットホームな喫茶店。

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男性でも大満足する人気メニュー・ミックスサンド(¥550)

ちなみに筆者は食いしん坊なのでナポリタンも食べました🥰

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ナポリタン(¥750)。茹で加減が最高でトースト・お味噌汁付き?!!やっす!

筆者はデブで不摂生なので野菜がついていてキャッキャと喜びました。

住所 → 石垣市美崎町8-12 (1階)

営業時間 → 9:00〜18:00・日曜定休日


インタビューご協力いただいたrica tomorlさん、喫茶・海坊主さん、誠にありがとうございました!







インタビュアー:うちま☆ひかる

(名前を押すとtwitterが見れるよ!)

目線入り(小)

1995年2月4日生まれ。故郷でもある沖縄県石垣島にてCafe & bar 山内ツル子で店長を務めながら、さくさく読める超面白い文章を書くライター。他にもカメラマン・俳優・ギタリストと多岐にわたる活動を始める。趣味は音楽・映画鑑賞。ハチャメチャにお酒が好き。写真は18歳の免許証。




がぞう

協力店:Cafe & bar 山内ツル子

(名前を押すとtwitterが見れるよ!)

石垣市大川269-6”一平寿司”一階

Cafe11:00~17:00 / Bar20:00~25:00落ち着いた証明と音楽で会話を楽しめる隠れ家的なバー。オーナーのyoshitoo!さんの生演奏が聴けるかも?!

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。 もしよろしければ「スキ」や「シェア」をしていただけると嬉しいです。