鍼灸師の就職先
こんにちは
鍼灸師のヤイケです(Twitter→@yaike_acp)
第29回鍼灸師国家試験まで残り5日ほどになりましたね
受験生の皆さん、ラストスパートですね!
体調には気をつけてください。
微力ながら、私もTwitterで国試対策の内容を投稿していきます!
また、私が助手を努め、4月より本格的に始動する
国試対策や鍼灸学生・若手鍼灸師向けの発信を多くしていきます
私は国試対策の講座を担当させていただき、医学博士や鍼灸学博士の先生方と協力して、学生の皆さんの勉強のお手伝いをさせていただきます。
是非ともチャンネル登録をお願いします!
国家試験当日の夜には博士の先生方が最速の国試総評を行いますので、ご覧くだださい!
この記事は約7000文字の記事ですので、鍼灸師の就職先や現状についての膨大な内容量になっています(笑)
また質問はいつでも私のTwitterのDMで受け付けていますので、この記事のことだけだはなく、国試関連のことでもお待ちしております!
では、本題に入ります
今回は「鍼灸師の就職先」と題しまして私の経験や、周りの鍼灸師の先生に聞いた話を中心に学生の皆さんや若手鍼灸師の方々に向けた内容になっています。
鍼灸師の資格を取得して、
鍼灸師としてどのようなところで働くかということは大切ですし、
特に資格を取得してからの3年をどこで働くかはとても重要だと思います。
私は大学3年の秋から本格的に就活を始め
就職先を決めたのが大学4年の7月です。
大学3年の秋から就活を始めた理由は2つあります
・1期上の先輩方が就活と国試対策の両立に苦しんでいたこと
・就職先をたくさん見て、じっくりと決めたかったこと
この2つの理由から、周りより早めに就活を始めました。
私は就職先を決めるまでに見学に行かせていただき、お話させていただいたところは9カ所あり、
内訳は
整形外科 1
病院 1
大学病院 1(臨床見学兼)
鍼灸接骨院 4
鍼灸整体院&スポーツジム 2
私が通っていた大学は合同説明会への参加の促しがなかったので、
鍼灸・柔整業界に合同説明会といわれるものがあったことを就職してから採用関係の仕事をさせていただくこともあり、その時に初めて知りました(笑)
全部自分で調べて、1件1件見学に行っていたので、交通費が結構かかっていたこともあり少しショックを受けました(笑)
ここからは
私の就活や採用関係の仕事をさせていただいていた時の経験や、周りの先生方のお話をもとに紹介していきます。
鍼灸師の就職先として候補となるところを1つずつ紹介していくので、気になるところだけ見ていただいても良いと思います!
全部が全部この記事に記載しているようなところばかりではありませんし、むしろ私自身もまだまだ知らないことの方が多いと思いますので、あくまでも参考程度に見ていただきこれからの就職活動に繋げていただければと思います!
1.整形外科
鍼灸師の就職先として
そこまで募集は多くありませんが、整形外科があります。
整形外科でよく聞く鍼灸師の仕事は
PTの先生方と一緒に働き、リハビリが必要な患者さんに鍼灸を施したり、整形外科併設の鍼灸院で患者さんに対して、運動機能の改善や向上を目指し鍼灸を施すという内容が多いと思います。
また、あん摩マッサージ指圧師の資格を保有していると、マッサージをしたりすることもあるみたいです。
実際に私が就活で行かせていただいた整形外科は
地域でも有名で、県外からもプロのスポーツ選手が訪れるようなスポーツ整形外科です。
また、ジムも併設していて、リハビリだけではなくトレーニングも行えるといったとても素晴らしい環境が揃いに揃っていたことに加え、トレーナー資格を保有している先生方も多く、様々な職種の方がいらっしゃるのでその点も魅力でした。
ただ、見学をさせていただきお話を聞いていく中で、
鍼灸の施術はやっていないから主にトレーナーとして働いていただくとのことで、トレーナー活動を学生の時からしていた私は整形外科で外傷や画像をみながら、医師のもとで働かせていただける環境はとても魅力的でしたが、鍼灸師としてを考えた時に鍼灸ができない環境は鍼灸師として大切な技術面の成長が少ないと考えました。
しかし、整形外科の施設内で鍼灸ができる整形外科もあります
私の後輩が勤務している整形外科では、整形外科医の先生が鍼灸を積極的に取り入れているらしく、施設内で患者さんに鍼灸を施すこともあるみたいです。
画像も見ることができ、医師だけだはなくPTの先生方と協力して患者さんの施術ができる環境はとても羨ましいです。
このように整形外科でも鍼灸師として働ける環境はありますが、募集が少ないのも現実です。
また、整形外科の場合、一緒に働く方々は医師やPT、柔道整復師にトレーナー等、東洋医学のことを知っている人はほぼ居ないに等しいので、所謂西洋医学的な知識が問われることも多いと思います。
しかし逆も然りで
鍼灸師は他の医療職の方々と一緒に働く機会は多くないので、色々なことを学べる環境はとても貴重ですし、鍼灸以外の知識が増えることによって鍼灸師としての成長もできます。
整形外科への就職を希望する鍼灸学生・鍼灸師の先生方はネット上に公開されている求人もありますので、一度確認してみてください!
2.病院
2つ目の鍼灸師の就職先は病院です。
病院といっても色々な診察科がありますが、私が就活に行かせていただいた病院は整形外科や内科等、よく耳にする診察科があり病床数は約100床ありました。
地域では規模の大きい病院で、外観を見たときはこんな規模の大きいところで鍼灸師が働いているのかと感じたぐらい、THE病院という感じのところです。
鍼灸師としての業務内容は入院患者さんよりもリハビリをされている患者さんへの施術がメインで、後は病院の敷地横に付属の鍼灸院もありリハビリ後の患者さんや鍼灸院に直接来られる患者さんへの施術に加えて、とても興味深かったことはそこの病院はPTやOTの先生方と鍼灸師が共同で研究をしていたことでした。
見学を担当してくださった方もPT部長さんと鍼灸の主任の方で、様々な資格の方が連携されていることも魅力的でした。
魅力的な病院でしたがスポーツ関係の仕事が少なかった点に悩み、他のところも見てみたいと当時は考えました。
このようにいくつかの診察科がある病院では医師を初め多くの医療従事者の方々と仕事ができるので、先ほど紹介した整形外科同様に様々な経験と知識を得ることができます。
また、鍼灸院が併設しているところでは鍼灸師の方もいらっしゃるので、鍼灸の知識や技術の習得も出来ます。
整形外科よりもさらに募集は少なくなりますが、鍼灸師として様々な知識習得と経験を積めるという点がとてもおすすめです!
興味がある学生さんや鍼灸師の先生は是非一度確認してみてください。
3.大学病院
鍼灸施術を行っている大学病院は日本にもいくつかあります。
東京有明医療大学のHPに鍼灸を実施している大学病院の紹介がありましたので、興味のある方はご覧ください。
このように一覧で見てみると私は多いと感じましたが、皆さんはいかがでしょうか?
大学病院だけでこの数なので大学病院以外の病院も合わせれば、それなりの病院数があると感じます。
ただ、募集が少ないですし、私が聞いた中では病院によっては試験が必要なところもあるみたいです。しかしながら多くの経験ができる環境に加えて、様々な職種の医療従事者の方々と働けることは貴重な経験ですし、大学病院で勤務することは鍼灸師として希少な存在であると思います。
私が実習兼見学に行かせていただいた大学病院は地域一の規模を誇り、最高の医療機関であり研究機関でした。
実際に私も、その大学の医学部の大学院への進学を考えていました。
その大学病院では鍼灸の外来もあれば、入院患者さんにも施術を行っており漢方医の先生方と情報を共有しチーム医療の一端を鍼灸師が担っています。私が見学させていただいた中で最も統合医療に一番近い形だった点がとても魅力的でした。
また大学病院では鍼灸の臨床研修も行われており、有名なのは東京大学付属病院の臨床研修生です。
日本最高峰の東京大学病院での臨床研修ですのでかなりレベルが高いと聞きますし、研修生になるための試験問題も難問だそうです。個人的にはとても魅力を感じますし、だからこそ鍼灸師としてチャレンジしてみたい気持ちにもなります。
鍼灸師としてのレベルアップには間違いない環境の一つだと思います。
そしてもう一つ研修制度がある病院を紹介したいと思います。
それは富山県の砺波総合病院の鍼灸師卒後臨床研修です。
砺波総合病院の臨床研修は条件面がとても良いので、しっかりと研修に臨める環境で、また3年間ですが常勤の職員としての雇用です。※
病院での研修制度に興味がある方は一度リンクから確認してみてください。
※今は変わっているかもしれません
大学病院の紹介の最後に以下の論文を紹介します。
引用 日東医誌 kampo med Vol.65 No4 321-333,2014
一度見てみてください。
病院では実際にどのような鍼灸が行われているかを全国の医療機関からのアンケート結果をもとに紹介してくださっていますので参考にしてみてください。
4.鍼灸接骨院
鍼灸師の就職先で最も多いのが、鍼灸接骨院だと思います。
私の大学の同級生や先輩後輩をみても、鍼灸接骨院に就職した人が一番多かったです。
鍼灸接骨院での鍼灸師の仕事内容は
来院される患者さんに対して鍼灸を施すことが多いです。
また自費の施術メニューがある院では鍼灸だけではなく、その自費の施術メニューを行ったりもします。
先に紹介した病院等ではチーム医療やリハビリメンバーの一端を担う役割がメインですが、鍼灸接骨院では最初から最後まで一人で患者さんを対応することが多いので、患者さんに触れることがとても多くなり、様々な症状の方に対応することになります。
私も大学を卒業して新卒で就職したのは鍼灸接骨院でした。
鍼灸接骨院はどうしても肩こりや腰痛の患者さんが多いと思われがちですが、私が担当していた患者さんには
・婦人科系の症状に悩まれている方
・スポーツ障害
・薄毛
・自律神経関連症状
etc...
このように鍼灸接骨院の患者さんは肩こり腰痛意外にも様々な症状の方が来院され、鍼灸師が対応することはとても多いです。
なので鍼灸接骨院でも様々な経験ができます。
そして、一緒に仕事をする方は柔道整復師の先生方がほとんどですので、病院に比べれば医療系有資格者は少ないです。そのため柔道整復師と鍼灸師はとても仲良くなれます。
また、柔道整復師の先生が鍼灸師の資格を取得すること、鍼灸師の先生が柔道整復師の資格を取得するパターンが多く、後にダブルライセンスとして開業する方も多いです。
また、私の就職した鍼灸接骨院は全国に展開するグループで同期は70人くらいいました。会社の規模的にも鍼灸接骨院グループではTOP7くらいには入る会社だったと思います。
ここで、規模の大きい鍼灸接骨院グループのメリットについて紹介します。
1.同期や先輩後輩が多く横の繋がりが増え、退職した今でも仲が良い
年齢が近い鍼灸師や柔道整復師の先生方と繋がりがあれば様々な意見交換が可能となり、退職した今も多くの情報を得ることが出来ます。
2.福利厚生や条件面が業界の中ではしっかりしている
どうしてもこの業界は条件面や就業時間等の働き方が問題になることも少なくないです。
私自身も朝出勤して、朝方に帰ってくるという日も実際はありました。
※もちろんそんなところばかりではありません
ただ、福利厚生はしっかりしていたり、社会保険完備や有給もあったのでそこまで不満はありませんでした。
本社機能も医療系資格者以外の方がいらっしゃり、手続き等もしていただいていたので、わからないことはすぐに対応してくださりとてもありがたかったです。
3.組織の中での仕事が身につき、社会人としてのマナー研修等もある
鍼灸師に関してだけではありませんが医療従事者は医療機関での勤務がメインですので、社会人としてのマナー研修等は一般企業に比べると少ないと思いますので、そういった研修を受けさせていただいたことはとても良かったです。
他にも私は鍼灸接骨院での勤務の傍ら採用関係の仕事もさせていただいており、学生さんと接する機会も多くありました。
合同説明会などでは他のグループ接骨院の採用担当の方とお話しすることで、業界としての動向を知ることができ、とても良い経験をさせていただきました。これもグループ接骨院ならではの施術以外の仕事ができる魅力点だと思います。
以上がメリットで、
最後に大学院進学を一旦保留し、私が鍼灸接骨院に就職を決めた理由を紹介します。
前回の自己紹介の記事でも記載したように、私は大学院への進学を一旦保留し、就職しました。
就職先をこの鍼灸接骨院に決めた理由は
・就職先が1日あたりの来院数が100人を超える繁盛院だった為、患者さんに触れる機会が多く経験を積めると思ったから
・本社機能もしっかりしており、大学院進学のためのお金を貯めることと勉強の為の時間が確保できそうだった
・トレーナー活動が盛んだったこと
このように鍼灸接骨院では様々な経験ができ、鍼灸師として成長できる環境です。
しかしながら鍼灸接骨院に限らずですが、中には環境が良くないところもありますので、就職先を決める際は必ずその院に見学に行ってください!
合同説明会等で話を聞いてすぐに面接に進むのではなく、見学をさせていただいたり、学校の先輩がいる場合は先生を通して話を聞くなどして、総合的に判断してください。
就職先を決める上で大切なのは
自分が鍼灸師としてどうなりたいのか
そのために、
どこで働くことが自分の思い描く鍼灸師に近付けるか
だと個人的に思っています。
自分が最大限成長でき、就職先でも活躍し患者さんや会社にとって必要とされる鍼灸師になってください!
5.最後に鍼灸師の給料について
少し現実的なお話をしたいと思います。
正直これから鍼灸師を目指す人にとっても、気になるところだと思います。
あくまでも私の周りの話や聞いた内容ですので、実際は違うところもあることを承知の上、読んでいただければと思います。
鍼灸師の平均的な年収は
350万〜400万
くらいだと言われています。
実際私は新卒で入社し、
家賃7万円強のマンションに住みながら、月々3〜5万円は貯金できていました。
同年代の他の職種と比べても、多くもなく、少なくもなくでした。
私が新卒で入社した会社は給与体系がある程度役職や経験によって示されていたので、院長レベルになると決して多いとは言えませんが、結婚していてお子さんがいても生活に困らないくらいは貰えていたと思います。
※もちろん会社によっても違います
中には鍼灸師で企業の社長レベルの給料を稼がれている人もいれば、知っている先生で国会議員の給料と同じくらいの方もいらっしゃいます。
開業していると平均年収よりも多い傾向にありますが、もちろんのことながら上手く行かなければ平均年収より少なくなることもあると思います。
なので
鍼灸師=稼げない
ではありません。
医療なのに稼げる稼げないの話は違う!
と思われる方もいるとは思いますが、生きていく上で、患者さんに良い鍼灸を提供する上で、お金は大切になってくると思います。
それに鍼灸師という職業に魅力を感じてもらうためにも必要な内容だと私は考えます。
鍼灸師でありながら経営や売り上げに関して発信されている先生はTwitterにたくさんいらっしゃいますので、勉強会やセミナーに参加してみるのも良いと思います。
ここまで長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
まだまだnoteに慣れていないので、文章も読みにくく理解し辛い箇所もあると思います。
なので、もっと詳しく聞きたいという内容がありましたら、いつでも聞いていただければと思います。
今後も鍼灸師の先生や、学生さんにとって少しでも興味を持ってもらえるように有益な内容を発信していきますので、気に入っていただければポチッと押していただけると嬉しいですm(_ _)m
ありがとうございました
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?