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手を繋いで進みましょう【#38最終回マッチングサイトリポート】
結論からいうと、わたしたちは相性がよくてお互いいっしょにいて心地よいので相思相愛のカップルになりました。そんなわけで61歳同士なのに、まるで幼稚園児のように仲良く手を繋いで帰国の途につきました。
QPさんがデトロイトの空港に着いたときに言いました。
「出発前と同じ場所にいるのにこの気持ちの違いに驚いているよ。こんなふうに手を繋いでここに戻れるなんて、天に登りたいほど今ボクは幸せだよ」
さすが、ロマンチックガイの発言です。わたしにはとても真似できない表現力です。ほんとうにうれしそうな顔をしているので、嘘ではないのでしょう。
QPさんはバハマのビーチでわたしに言いました。
「今回の旅、ボクの人生でベストバケーションだ」
yahoi「えっ?いくらなんでもそれはないでしょ。元ワイフとカンクン行ったり、ジャマイカ行っているでしょ?ハネムーンだってあったでしょう。そのときはラブラブだったはずだからそれは大げさってもんじゃないの?」
すると、しばらく考えて
QP「いや、カンクンでのウェデング旅行を含めても今回の旅のほうがボクにとっては楽しい旅だったからベストだ」
きっぱりと言い切ったQPさんに対して、
心の中で(おいおい、ホンマかいな?!!)と思いつつも、元ワイフと離婚した今となっては人生のクライマックスであるはずの旅の価値も格落ちしてしまったのだろうと推察しました。😆
お互いがアラ還で人生の山あり谷ありを経験し命の儚さや人間関係のもろさも知った上で語り合える。心にあることを言葉にでき、わかち合えることがこの旅で見えてきたのでしょう。
「またあなたといっしょに旅がしたい。是非」とQPさん
真顔でわたしに懇願するような視線を送ってきました。
yahoi「わたしは夫との旅とこの旅を比較はできないので、今回がベストとは言わないけどわたしも楽しかった。最初はぎこちなくてどうしようかと思ったけど、だんだんいっしょにいて疲れないし楽しくなった。正直言うと、せっかちな夫との旅よりもリラックスできたかも。わたしもまたご一緒したいです」
QP 「最初、プエルトリコに一人旅をするつもりだった。それがバハマになり、流れであなたと同行することになったらこんなに素晴らしいバケーションになった。これ以上ハッピーになれないぐらいうれしい。ボクの思考も心も完全にあなたにとらわれました」
とロマンチックガイならではの言葉をぶっ放しまくってはニコニコです。
そんな彼の顔を見て、わたしがいっしょだったことでこの人はこんなにハッピーなんだと思ったら、わたしもうれしくなってきました。
確かに、美しい海を臨みながらの飲み放題、食べ放題、踊り放題のリゾートでのバケーションはそれだけでもステキなことですが、「誰といっしょか」でより深みを増します。
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「美味しいことも、リラックスすることもたいせつだけど、やっぱり居心地のいい誰かと一緒に過ごす時間は最高だね。あなたといっしょにいるだけでこんなに幸せな気持ちになるって奇跡のようだよ、ボクのプリンセス!!」
「61歳のプリンセスね!!😅」
とわたしが付け加えると、わたしの真似して、
"Stop it!"
いやはや、たしかにロマンチックガイだなと呆れながらも、気持ちを素直に言葉にするところはQPさんのいいところです。
それでも気配りも忘れないQPさん、
「ボクは気持ちを隠すことは下手なので、あまりに過ぎて気分が悪いときには教えて下さい。それにあなたの心の中には今も亡くなったダンナさまが存在したままなことは理解しています。その上でこの関係をよりあたためていきたい」
yahoi「わたしの記憶から夫が消えることはこの先もあり得ないです。それでも彼が他界していることは納得しているし、変えられない事実ですからそんな配慮はいりません。夫は「信頼できる人をみつけてセカンドライフを楽しめ」と言い遺して逝ったので、夫に対して後ろめたい気持ちもありません。あの世でヤキモチやいたとしても、わたしを置いて死んでしまったほうが悪いんだから」
仲良くカップルとなったので、戻ってから娘夫婦や義ムスメにも報告しました。なんと言っても彼らこんな人たちです。
旅から戻った翌日、QPさんが125キロ先からわたしに会いに来ました。そこに興味津々の娘夫婦と次男のワイフからのラインビデオコールが入りました。娘夫婦は今からチャイニーズランチを食べに行くところだとLAの路上から夫婦で歩きながらの根掘り葉掘りだったので笑ってしまいました。
QPさんは緊張気味ですが質問に答えては微笑んでいます。しばらく話したあとで、娘夫婦も次男のワイフも「良さそうな人だね」と感想を寄せてきました。
とりあえず合格のようです。
わたしたちはお互いに残っていたマッチングサイトのアカウントをキャンセルしました。
誠実、ポジティブ、礼儀正しい、正直、きれい好きで思いやりがあってやさしい、相性の合うパートナーがみつかったところで、このシリーズは最終回とします。
みなさん、読んでくれて、そして応援してくれてありがとうございました。
この先も、QPさんとの関係は続きそうなのでこれからはいろんな投稿に登場するようになると思います。わたしたちは5ヶ月の間に独特なコミュニケーション方法を生み出しました。あんまりおもしろいので、そのまま本にしたいぐらいです。彼のおかげで笑う時間がほんとうに増えました。🏖️🐿️🐽❤️🍹🥕🤷🌴🍷☕🐖👸
わたしは今、このマガジンタイトルを「愛すること、愛されることはすばらしいから」とつけたことに満足しています。
ほんとうにそのとおりだと思うから。
手を繋げる人が現れてうれしい。
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