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犯罪だったのに、人気の嗜好品に

常識って簡単にくつがえされるんだなぁと実感しています。

なにがって、日本でなら逮捕される大麻(マリファナ)がここでは人気の嗜好品となっていることです。生活者として眺めているとこの変わり身の速さにただただ呆然とします。

2018年、ミシガン州では大麻の娯楽目的での使用が56%と過半数の支持を得て可決されたので、2019年の12月から州の認可を得て事実上の販売解禁となりました。(但し、US連邦レベルでは非合法なので注意が必要です。合法なここで大麻グミを買って、非合法の州に持っていけば犯罪となります)

50州のうちの24州(黒)がすでに嗜好品として大麻は合法です
https://disa.com/marijuana-legality-by-state

ミシガンでは解禁されてからもうすぐ5年になるので、アルコールよりも大麻を好む人も激増中です。ドライブしていて新しいお店ができたなっと思うと、ほぼほぼCannabis Dispensaryとか、weed Despensaryと呼ばれる大麻販売店なのです。

少し前まで、パーティストアとかリッカーストアだったいわゆる酒屋が、どんどん大麻販売店に変わっており、街だとワンブロックごとにあるほど。わたしの住む町には焼き立てパンを売るようなベーカリーは1軒(スーパー内のパンコーナーは別として)もないのにいつのまにか、大麻屋さんは両手でも数え切れないほどできています。昨年暮れの時点で州内に750店あるというのだから、成長ぶりに仰天します。

お店経営を考えると、重たい酒類を扱うよりもコンパクトな大麻ストアのほうが在庫管理や経営が楽だからかな?と推察してみたり。

大麻のニックネーム的呼び名はWeed(ウィード)、 Pot(ポット)、 Grass(グラス)、Dope(ドープ)などでマリファナという言葉はあまり聞きません。わたしはお店に入ったことないので、どんな雰囲気で売られているのかは知りませんがそのうち覗いてみようと思っています。

美味しそうなフルーツグミを一粒食べるだけでハイになる。右側の葉のマークが大麻の記し。

娯楽目的での合法化までには、長い歴史がありいろいろと複雑なのですが、過去に大麻を犯罪としてきた経緯は、主には政治的な目的(使用者の多かった黒人、ヒスパニックをコントロールするため)であったことなどの意図もあったことが関係していそうです。

つい5年ほど前ならいかなる量の所持も軽犯罪で最高1年の禁固刑、2000ドルの罰金が科せら、使用した場合は、最高90日の禁固刑と100ドルの罰金でした。公共の場で使用すれば刑期最長2年2000ドルの罰金。販売と栽培となれば、最高15年の禁固刑と一千万ドルの罰金が科せられる重罪だったというのに、それが、まあどうでしょう!!一気に、パン屋かカフェかという勢いです。

それというのも、適正量を守り正しく楽しむならば、アルコールの有害性よりも安全と考える人が増えていることも影響していると思います。加えて、ハイになるのにアルコールより即効性があり、どんどん安くなっているのでコスパもいい。

最近の賢い若者は、体に悪いことがわかっているアルコールを飲むぐらいなら、適量の大麻で効率よくハイを楽しみたいと考えるのかもしれません。

アルコールは飲むことによって、がん、心臓病などの慢性疾患、肝臓、膵臓、脳、免疫系の病いへのリスクは向上します。飲めば自動車事故、転倒、などの可能性も高まり、酒癖悪ければ他人への危害、暴力の心配もでてくるわけで、アルコール好きが高じれば依存性の危険性もうまれ、最たるケースでは中毒死に至ることもあります。

米国ではアルコール依存症は深刻な社会問題のひとつですから、そう考えればアルコールの毒性のほうが大麻よりずっと社会悪だという考え方もまんざら大げさではないのかもしれません。

CDC によると、米国では毎年約 178,000 人が過度の飲酒で亡くなっていると発表されてます。この数字は1 回の過度の飲酒と数年にわたる飲酒によって引き起こされたがん、肝臓病、心臓病などによる死亡が含まれますが、統計データが示すように、アルコールの継続的摂取は口腔、咽頭、喉頭、食道、結腸、直腸、肝臓、女性の乳房のがんを引き起こすリスクを高めることがわかっているわけです。とはいえ、娯楽用大麻グミも量を守らなければ別のリスクはありますが……。

夫が亡くなってからより健康に気をつけているわたしはぐっとアルコールは控えるようになりましたが、QOLもたいせつにしているワイン好きとしては、週末デートに食事を楽しみながら二人でワインボトル1本を空けることはやめられません。

息子タローも体に悪いからと、特別なイベント以外ではアルコールは控えるようになりました。義ムスメのムーちゃんは、もともとお酒は飲みませんが、フルーツグミ1粒のウィードタイムを楽しむことはあるようです。

わたしは、米国永住権を持つミシガン州住人ではありますが、国籍は日本人のままの在米日本人です。ミシガン州で合法化されたとき、在米日本領事館よりメール通達を受け取りました。

ミシガン州では,11月に実施した住民投票の結果により,21才以上の者が一定の条件下においてレクリエーション用の大麻(マリファナ)の所有及び使用が合法化されましたが,以下の理由により在留邦人の皆様におかれましては,大麻(マリファナ)に手を出すことのないよう留意して下さい。
●アメリカ連邦法においてはマリファナの所有・使用は依然として違法である
●日本では大麻取締法において,大麻の所時・譲渡(購入を含む)等については違法とされている
--------中略------
アメリカ連邦法ではマリファナの所有・使用が依然として違法行為であることには変わりはありません。更に,日本では大麻取締法において,大麻の所持・譲渡(購入も含む)等は違法とされ,例え日本国外であっても処罰対象となっています。在留邦人の皆様におかれましては,大麻に手を出すことのないよう留意して下さい。

領事館からのメール連絡

昭和世代の日本人のわたしは、居酒屋、夜の街と呼ばれる場のいろんなスタイルのバー、スナックなどでアルコールを飲みながらの社交文化を楽しんできたので、それは捨てがたいと思っていて、個人的には大麻によるハイに興味はありません。

大好きな人といっしょにちびちび飲む🍷タイムがささやかな幸せだからです。今日は、日本人からは想像できないだろう現実を伝えてみました。

ところ変われば常識違い、時代変われば常識変わりますネ!


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