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【アラ還セカンドライフ#28】友だちと恋愛の境界?どうしていいかわからない

さて、ここから先のことは以前に記したので、リアルタイムでわたしの恋活リポートを読んでくれていた方は記憶にあるかもしれません。

人生初の夫以外の男性と旅することになり、とてつもなく緊張し出発前日は眠れませんでしたが、睡眠不足のまま空港に到着し、いざ出発の段階でスマホを車に忘れてしまう彼の"やらかし"が起こりました。

その模様はこちらで記しました。

出発間際でのハプニングのおかげで、それまでの緊張がかえって解けてしまいました。

ハプニングにも冷静沈着な対応ができて、穏やかでいる様子に好感度は高まりました。異性と旅することにキンチョーが続くわたしに対して、自然体でカジュアルな接し方をしてくれるので、だんだんリラックスできるようになっていきました。

リゾートでは大晦日から元旦にかけてのカウントダウンパーティでたいへんな盛り上がりでしたから、二人で心から楽しい時間を過ごせました。友だちの距離を保ちながら……。

並んで歩くことはあってもお互いに触れることはありません。もちろん手も繋ぎません。でも同室で別々のベッドで寝ています。🤣

このまま、旅友のままなのか?
彼に恋愛感情を抱く瞬間が訪れるのか?

それを見据えながらの観察眼はずっと持ち続けているしたたかなアラ還のラブセンサーは錆びたままのような……いゃ、単に異常に警戒心が強いのか……。(謎)

安心、安全、心地よいだけって、ちがわない?
恋愛感情ってどうすると湧いてくるの?
好きってどういう感じだったっけ?
もっとドキドキとかふつうしない?とか……。

わたしの内面ではどうしていいのかわからなくて悶々。

そんな中でも、リゾートライフはやっぱり楽しい。

昼間はビール片手に波音を聞きながらビーチでゆったりくつろぎ、夜はドレスアップしてディナー、ナイトショーにダンス。でも、ときおり夫ではない人とそんな時間を共有している現実に違和感も感じてしまったり……。

美しい景色を眺めながらもわたしの心は戸惑っていた

戸惑うことにも慣れてきて、年が明けた数日目にターニングポイントと思えるジケンがありました。

彼がビーチで自分のブルートゥースイヤホンをわたしてくれたときにかかっていた曲が『デスパシート』でした。

旅の2ヶ月ほど前にこんなことがありました。

2ヶ月前、我が家でわたしがこの曲を演奏して、曲に夫との思い出があることや、セクシーなお尻が魅力的なダンス動画を紹介したことを彼はその場限りのこととスルーせずにお気に入りリストに曲を追加していたのでしょう。

夫との思い出深い曲、『デスパシート』をビーチで聴いてしまったことから、過去の思い出が走馬灯のように交錯しはじめ、涙腺崩壊嗚咽事件が勃発しました。グリーフは時も場所も選ばず、ふいに襲うのです。

わたしは人目を気にしながらも溢れ出る涙を抑えることができなくて、泣きじゃくる自分に呆れながらも、横にいる彼に対して申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

傍から見るとどうみても彼がわたしを泣かしているように見えたでしょうから。

そんな突発的に起こった状況にも、彼は冷静にわたしの手を握って静かに語り始めました。

あなたの横にいるQPさんは、人の心に寄り添って問題解決を助けることを仕事にしているライセンスを持つソーシャルワーカー/セラピストだよ。グリーフケアの難しさはわかっている。

それは流していい涙。
これまで素敵な思い出がたくさんある証拠だし、感謝の涙、さびしい涙、幸せの涙だ。そんな涙が出てくるあなたがより美しく見えた。

こんな穏やかなビーチであなたが涙する姿が見えたなんてボクにとってはボーナスでしかない。その涙の中に亡くなったご主人へのレスペクトも感じられるよ。

次はビールにする?それともピニャ・コラーダ?

by QP

この言葉と対応が、わたしの運命を変えたと言っても過言ではありません。

「この人ならこの先もずっと信頼できる」と思いました。

旅の間は毎日24時間一緒。いろんな会話がはずみ、お互いの過去に触れたり、思い出を語り続けています。どんな話題になってもお互いの価値観はとても似ているため共感できることばかり。

お互いに黙っていても、しゃべっていても心地よいのです。

彼の気持ちはもうわかっています。

わたしにプレッシャーをかけないように、"友だち"を尊重しようと心がけてくれているだけです。わたしのスイッチさえ入れば、めでたくカップル誕生のはずなのです。

この人となら恋愛しても、わたしが傷つけられることはないと確信も持てています。

ただ、ここからどうしていいのかわたしはわかりませんでした。

アラ還没イチ、困ったものです。

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yahoi /ライフエディター・エッセイスト
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