【アラ還セカンドライフ#27】とうとう、心地よい友だちのまま同室に!
彼の家を訪ねてみて良かった。垣間見えた彼のライフスタイルに、何一つひっかかる部分はみつかりませんでした。ご自宅はいたってこぢんまり。今さら玉の輿を狙い、相手の家に入り込むつもりもないし、不必要に豪華絢爛な家なら、価値観にズレを感じたことでしょう。
バハマへの旅まで残すところ3週間。当時の彼は、所属するメンタルヘルスエージェントからの呼び出しがあれば24時間いつでも駆けつけなければいけない任務の日もあり、特にクリスマスの時期は、心を病む人が増え忙しそうでした。
この年の12月のミシガンでは豪雪の日、吹雪の日など長距離ドライブはとても無理な悪天候が続き、会えそうな日がないまま過ぎていきましたが、相変わらず楽しいテキストメッセージ交換は続いていました。
買い物の話、家族のこと、バカバカしい冗談、真面目な政治の話、その日のできごと、食べた物の話、料理のこと、仕事の話、歳を重ねるほど同じ次元で会話できる人が少なくなること、資本主義の功罪について、年齢を重ねたからこそ見える世界のこと、ココナツの話……とまぁ、話はあっちこっちそっちといろんな話題で続く、続く。😀
どんな話題でも、引っかかる発言はなく、話せば話すほどお互いの理解が深まり、価値観のズレはみあたらないのは奇跡的ともいえました。
わたしが夫以外の男性との初めての旅に、緊張していることに深い理解を示しつつも、大人の恋愛について語りました。男女の関係においてインティマシーをたいせつと考えながらも、性欲を満たす目的でパートナーを切望するタイプの男性ではないことが伝わってきました。
彼は両親の離婚時、母が父の女性問題で苦しまれたことを見てました。男三兄弟で育つ中、母親から「女性に対するレスペクト」をとことん叩き込まれたことに感謝していると口にしました。世の中には妻や夫に平気で嘘をつき浮気する人もいるのは現実ですが、彼の発する言葉からそれはない人だと思いました。
1年以上に及ぶマッチングサイトでのパートナー探しで、あまりに軽い気持ちで女性をあさる男性陣が多いことに呆れていたので、彼が誠実な自分の意思をもっていることに安心感を覚えました。
彼は、たいへんな冒険人生だったのにも関わらず、わたしが夫と添い遂げた女性であることにとても尊敬の念を感じているようでした。それは彼自身が2度離婚に至った経験からもわかるように、容易いことではないことを理解していたからだと思います。
外見からは見えない潜在的なわたしの強さにも魅力を感じるという、彼流の見え方に対しても人として気高さを感じました。マッチングサイト経験で、世の下品な男性に嫌悪感を感じていたので、好感度が高まります。
だからといって恋愛感情は別ものですが……。
短い期間でおもにはメッセージによるコミュニケーションですが、彼のソーシャルワーカー的なスキルもあり人間を見極める能力に長けていることがわかります。そして会話するほど、人に不快感を与えない人だと実感できました。
こんなに人としてデキタ男性だというのに、わたしのラブセンサーはいったいどこまで錆びついているのやら……。
◇◇◇
娘や息子たちには、マッチングサイトで知り合ったソーシャルワーカーの男性とバハマに行くと伝えてありました。
みんな「自由な大人の独身女としてどうぞご自由に!」といった反応でしたが、娘はすかさず「部屋は同じか別か?」と聞いてきました。😅
「別よ!」と返しました。(嘘ついちゃった〜)🤣
そんな感じで、バハマへの旅の日を迎えました。
デトロイトからのバハマ行きは午前のフライトなので、デトロイト空港近くで前泊ホテルを予約していました。フライトの前日、わたしが彼の家まで行き、車を彼の家に置いて、彼のピックアップでデトロイト空港近くのホテルに向けて出発。わたしが彼の車に乗った初めての日でした。
夫以外の男性が運転する車の助手席に乗るなんてことはわたしにとっては記憶にないほど珍しいことですから、密室の車中でどんな会話をすればいいのか?、どこを見ていたらいいのか?などと、とにかく緊張している自分に気づきました。(こりゃ先が思いやられるぅ)
とことん、ぎこちないままデトロイト空港までの2時間ちょっとのドライブを無事に過ごしましたが、楽しい旅のはずが気疲れしてちっともわくわく気分ではありませんでした。
前泊のホテルの部屋は、クイーンサイズベッドがふたつの部屋を予約してありました。つまり、マッチングサイトで知り合って約4ヶ月の男性と同室で今夜はお泊まりです。
彼が紳士なことがわかっているので、何もあるはずないことはわかっていますが、とにかくぎこちない。ぎこちない。ぎこちない。
ディナーを食べに行こうと誘われたものの、食欲はまるでなし。
結局、彼が近くのレストランに行き、テイクアウトの食事を買ってきてくれたので、二人でホテルで食べました。
米国のホテルは一室の料金なので、一人で泊まっても二人でも料金は変わりません。そんなケチな理由でわたし自身が同室で予約をしたのですが、あまりにぎこちないので、ちょっぴり後悔していました。
しばらくは二人でテレビをぼんやり見ていましたが、早朝から仕事をこなしてきて疲れきっていた彼は、いつのまにか静かな寝息をたてて爆睡していました。
わたしがこれほど緊張しているというのに……。
ふだん寝付きのいいわたしですが、夫でも彼でもない“お友だちの男性”が隣のベッドで寝ていると思うと寝付けないまま一夜を過ごしました。
あ〜先が思いやられる。
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