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働くママの「ロールモデル不在」に思うこと
先日、復職者向けのセミナーを実施したこともあり、第一子復職後の働き方を思い出すことが増えました。
記憶は日々薄れていきますが、その中でも鮮明に覚えていること(根に持っていること)、振り返ったことで思い出したこと、おそらく全く思い出せずにいることも多いと感じます。
今回はその中で、振り返ったことで思い出した、働くママになって困った「ロールモデル不在」について考えていきます。
先輩の働くママがいない
私がはじめて復職した2016年、まだまだ保育園に入れない人が多く、ネットの世界では「保育園落ちた死ね」が話題だったタイミング。私は運よく7ヶ月の娘を保育園に預けて、復職することが出来ました。
その当時勤めていた会社は中小企業で、男性中心の会社。妊娠したら仕事を辞める女性が多く、「働くママ」は私が3人目。会社としても育児と仕事の両立をする社員への経験が少なく、「どのように扱ったら良いか試行錯誤している」状態でした。
そんな状態の会社ですので、復職直後は「参考になる働くママ社員がいない」。ほんとうに小さな困りごとも、聞く相手がおらず、上司も聞かれても困る状態だったので、人事に確認することが多かったです。
ロールモデルの先輩をうらやましく思う
隣の芝生は青く見える
大手に行っている友人を見ると、先輩ワーママにアドバイスをもらっていたり、同期のワーママに助けてもらっていたり。正直、「いいな~」「うらやましいな~」と思っていました。
日々の生活がいっぱいいっぱいなので、他社のロールモデルを調べるなど、外に目を向ける余裕はなく、自社内でロールモデルがいたら嬉しいと考え、「いつか自分がロールモデルになれるよう、働くママとして道を切り開こう!」という、目標が出来ていました。
次の世代のために:自分の呪縛
今思うと、「次の世代のために!」「後輩が子どもが出来ても働けると思えるように!」など、私一人では抱えきれない大きな使命感を抱え、頑張ろうとしていました。
仕事で大変なことがあり、気持ちがへこむと、「でもここでへこたれたら、後輩が子どもを持つことがしんどいことだと思ってしまうかも」と気持ちを奮い立出せることもありました。
いつかロールモデルになる
希望の光になる
そんな気持ちで「頑張る」エネルギーを保っていたのかもしれません。
今思うと、自分で自分に呪縛をかけていただけだと思いますが、当時は真剣に「次世代のため」、私が頑張ることで、男性中心の会社組織も変えていく!変えていける!と思っていました。
解放されて思うこと
私は当時の会社を退職し、外部から女性の活躍や働くママの活躍支援をしていますが、解放された今、「そんなに頑張らなくて良いよ~」と当時の私に声をかけたいと思います。
呪縛をかけていたのは、自分自身。
縛っていたのも、こうでなきゃ!と頑張っていたのも、自分なんですよね。
後輩のために頑張ろうとすることは素晴らしいことだったと思いますが、会社組織の中で道を切り開こう!と正面からぶつかるのではなく、周囲を使ったり、摩擦が起こらない方法を探したりしながら、俯瞰目線を持って対応出来ていたら良かったと思うことがあります。
エネルギーの使い方を工夫し、疲弊しない方法を選択出来たら良いと思います。
ロールモデルは1人じゃない
会社組織の中で「働くママ向けの研修」を実施すると、「ロールモデルの先輩インタビュー」が入っていることがあります。
ぜひ、そういった機会や、他社の働くママ、ママ友など複数のロールモデルを見つけ、その方達の中の「良いなと感じる部分」をピックアップしていきましょう。
働くママは多様。環境も、価値観も、子どもの特性も、みんな違います。
正解はないですし、こうでなければならないという決まりもありません。
「自分らしい働くママ」になるために、ロールモデルの先輩もたくさん見て、その中から自分が良いと感じることを真似ていく、そんな視点を持てると良いでしょう。
さらに、自分の状態や、子どもの年齢に伴い、「良いな」と感じることも変化してきます。ロールモデルも変わっていって良い、そんな柔軟性も持てると良いです。
ロールモデルがいたら良いですが、いなくても大丈夫。
あなたらしい働くママ像を考える、ヒントになったら嬉しいです。