ねんがんの書斎を手に入れた!
新居に住み始めて1週間が経った。まだ完全に慣れたわけではないが、徐々に「この家に住んでいる」という実感が湧き始めている。しかし、まだなんだかよその家みたいな感覚のほうが強い。
新しい家に住み始めたときは「におい」が気になった。自分の家では感じない、他人の家に感じる「におい」。最近はちょっとだけそれが薄れてきたが、まだ部分的には感じる。
仕事が忙しいので、家でゆっくり過ごす時間がほとんどないことも影響しているかもしれない。新居での生活に対する感覚が、まだ十分に実感として伴っていないのだろう。
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一軒家を買うことを決めたとき、密かに抱いていた野望があった。それは、自分の書斎を手に入れることだ。
書斎など、もちろん持ったことはない。実家にいたときには自分の部屋があったが、それは寝室として使っていた部屋であって、それは書斎とは言えない。一人暮らしのワンルームもおなじだ。
書斎というのは、寝室とは別に、仕事や趣味に集中するための部屋だ。僕の場合、仕事は在宅でやることがあるし、文章を書いたり、音楽を作ったりする趣味があるため、そういったことに専念できる専用の部屋があるととても捗る。
贅沢な話ではあるが、一軒家を買うときは、できれば書斎を作りたいと思っていた。幸運にも、僕の奥さんはこの希望にとても協力的で、むしろ率先して僕の書斎を整えてくれている。ありがたい限りである……。
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世間ではコロナ禍もだいぶ落ち着いてきたようで、出社を原則とし在宅勤務が禁止される企業も増えてきたと聞く。僕が勤めている会社はというと、「どちらでも良い」というスタンスで、在宅勤務を希望すればそれでも良いし、出社したければ出社しても良いという状態だ。ある意味では最高の環境だと言えるかもしれない。
最近、僕は意図的に出社の頻度を増やしていて、週に4回程度は出社している。かつては月に1回出社すれば良いほうだった時期もあったが、今ではかなり頻繁に出社している。
せっかく書斎を手に入れたのだから、在宅勤務をもっと活用したほうが良いのかもしれないとも思うが、出社したほうが仕事が進めやすいケースも多い。
一方、集中してタスクを片付けたいときには在宅勤務が便利だ。書斎は、そんな時の「切り札」として役立つと言えるだろう。そんなに大げさに言うほどのものではないが。
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それにしても、コロナ禍を経て在宅勤務が中心となった世界が続くとみて、都心から離れた場所に家を買った人たちは今どうしているのだろうか。リモートワークを推奨する企業は減りつつあるが、一定数は残っているだろうし、なんとかやっているのだろうか。
しかし、賃貸ならまだしも、出勤に適さない場所に家を購入した人たちは、出社時にはきっと大変な思いをしているのだろう。僕の場合は、通勤時間はこれまでより10分程度余分にかかるようになったが、その程度の時間であればそれほど負担に感じることもない。十分に耐えられる範囲だと言えるだろう。
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何事も、やってみなければわからないものだ。社員のほとんどが在宅勤務をするようになった場合、業務の効率が必ずしも向上するわけではないというのは容易に想像できたことだが、実際にそういったことを社会全体で試してみて、改めて理解できた部分もあるだろう。
僕は、リモートワークが完全に禁止される未来がやってくることを予見していたので、今の世の中の動きには驚いていない。とはいえ、週に1日くらいは家で仕事をしたいとも思っている。いまの会社なら、おそらくそれぐらいのバランスは将来的にも十分実現可能だと思うのだが。
リモートワークがいいか、出社がいいか。ここ数年で価値観が揺らいでいるが、自分は在宅:出社の黄金比は2:8ぐらいかな。
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