読書をして「頭でっかち」と言われることについて
noteなどで、読書関連のエントリを見ていると、定番の内容として「読書をすることのメリット」みたいなものを見かける。一方で、「読書をすることのデメリット」みたいなエントリもよく見かける。
驚くのは、読書をすることで頭が悪くなる、と信じている人たちが一定数いるということだ。読書をすることで、知識や理論偏重型というか、理屈を重んじるようになり、頭でっかちになる、というのである。
だから、本なんか読む暇があったら行動しろ、という感じの結びになることが多い。
僕はここ四年ほど、仕事でバングラデシュに行っていた。転職をするので、もうしばらくは行かないとは思うのだけれど、とてもよい経験になった。初めて行った時は、バングラデシュの経済事情はおろか、そもそもどこにあるのかもよくわかっていなかった。
もちろん、現地で話されている言葉も話せない。何も知らない状態で、とりあえず行ってみたのだった。
バングラデシュ人はとても親日家だ。バングラデシュを走っている車はほとんどが日本製で、トヨタの中古車が多い。彼らからすれば、頑丈で燃費のいい車、ということで、他のどんな国よりもいい車を作る、ということで親しまれている。
また、日本のODAで橋や道路、発電所などが日本からの借款で建設されており、「自分たちの暮らしを支えている国」という実感があるのだそうだ。
これが、わりと表面的な日本に対する理解。でも、少しバングラデシュ人と接すると、もうちょっと深いところも見えてくる。
バングラデシュはイスラム教の国なので、西洋国家、もっと言うとアメリカに対して、異教徒を見るような、あまり良くない感情を持っている。もちろん英語を話すし、文化に対する憧れなどもあるにはあるのだが、彼らはイスラム教の世界観で生きているので、「世界の覇者」の顔をしながら、イスラム教を信仰していないアメリカをよくは思っていない。
なんとなく、彼らと接していると、そんな印象がある。だから、消去法で、日本が好き、という部分もあるのだろう。
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これらは、予備知識なく現地に行ったからこそ得られる情報だ。実際にビジネスをやる上でも役に立つし、目で見て、耳で聞いてきたことだから、間違いではないのだろう。
一方で、書籍でバングラデシュのことについても勉強した。特に、歴史などは本じゃないとなかなか知ることはできないだろう。
もともと、パキスタンとインドとバングラデシュは同じ国家だったが、インドがヒンドゥー教を信仰していたため分断し、バングラデシュは以前は東パキスタンと呼ばれていた。それが独立する形で、バングラデシュになったのだ、と。
そういったことは、書籍からじゃないとわからない。しかも、書籍からの情報というのは有効期限が長く、十年後でも使える知識だったりする。
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「頭でっかち」と言われるのは、本から得られる情報だけに頼れば、確かにそうなるのかもしれない。しかし、実際に自分で体験したり、見てきたことを、本からの情報とも複合して活用することができれば、それが真の「生きた情報」になれるのかな、と。
頭でっかちにはなりたくないけれど、読書はやめないようにしたいですね。
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