興味の向こう側へのデザイン
2019年4月26日に開催されたDIST.26 「Webサービスの個性を支えるデザイン」にて、上記のタイトルで5分間のLTをさせていただきました。
このnoteはその際に話した内容とスライド+補足の記事になります。
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私はUI/UXデザイナーの本多美優と申します。
ハイジ・インターフェイス株式会社には大学一年生の時にインターンで入社して、今年で7年目になります。
私たちは主に受託制作でWEBサイトやアプリのディレクション、情報設計、システム開発などをしています。
事例を話すと話しきれなくなっちゃうので、普段私がどんなことを考えてデザインをしているのかというとても基本的なことを、分かりやすく話してみようと思います。みなさんにとって何かの足掛かりになれば幸いです。
よろしくお願いします。
私たちUI/UXデザイナーは、人と人、またはモノやサービスとを間接的に繋ぐものをつくっています。
最近はこのUX、「体験」の部分がとくに重視されるようになりました。
そして私はさらにユーザー体験のその先を考えることを大事にしています。
では、その先とは一体何でしょうか?
みなさんがご存知のように、”インターフェイス”を設計するということは、単に情報を伝えれば良いものではありません。
ユーザーがインターフェイスに触れたとき、どのように感じるのかといった体験によって人の心は動きます。
体験から次の体験へ進んでいくその経路自体を形作り、ユーザーを導くのがインターフェイスです。
ユーザーがコンテンツに出会って、
インターフェイスに触れながらどう心が動き、
そしてどこに向かうのか。
このとき重要なのは、コンテンツの進行とその前後関係であり、
コンテンツはユーザーが経験を得るための道のりなのです。
この「経験」のデザインにおいて、重要なポイントがあります。
それは、ビジュアル と 実用性 の知覚のしかたを分けて考えることです。
ビジュアルとは具体的に、グラフィックやキャッチコピーなどを指します。
これらはコンテンツの中でも一番はやく知覚でき、強い第一印象を与えるので、ビジュアルをデザインすることで、そのコンテンツとの出会いや直感的な感動を演出できます。
そして実用性とは、ユーザーにとっての快適さや機能性のことであり、ビジュアルのように瞬間的に捉えられるものではなく、使う中で徐々に知覚していくものです。
これによって、コンテンツに親しみを覚えたユーザーから、深い共感や理解を得ることができます。
ユーザーの興味は、まず「ビジュアル」によって惹き込まれ、
「実用性」をもって深い理解を生み、
やがてユーザー自身の価値観となって広がっていく。
このような知覚の特性を理解し、体験にとどまらない質の高い経験をユーザーに提供すること。
それが私のめざすUXデザインです。
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補足
以上がDIST.26 「Webサービスの個性を支えるデザイン」のLTの内容です。
あまりに普通で当たり前のことなので大丈夫かな…と思いましたが、「良かったです」と感想をくれた方もいてとても安心しました。
この話には少し続きがあって、そのことを補足として書きます。
(ちょっと個人的な思いが強いので、バランスをとるためにかわいい犬のgifを置いておきます by giphy)
仲介役としての責任感
私たちUI/UXデザイナーは、人と人、またはモノやサービスとを間接的に繋ぐものをつくっています。
上記のように、私たちは世の中の仲介役としての役割を担っています。
仲介役の持つ責任の重さや危機感をこの頃は特に強く感じています。
私たちは人を動かす力を持っているからです。
出会う場面をつくり、人の心を誘導し、魅力を演出することができます。
作為的に情報を隠したり、脚色して人を騙したり、お金を動かすこともできてしまいます。
インターフェイスを介して、いつでも遠くにある多大な情報に触れることができたり、物事が楽になったりする。しかし、その間では一体何が省略されているのか。
自分が一体どこの何に対してお金を払っていて、何に加担しているのか。
そういったことが明示されている安心で世の中が成り立ってほしいし、そうでないことへの疑問を持つ人が増えたらいいなと私は思っています。
そのための大前提として私がLTで言いたかったのは、
本当の意味での体験の価値は、視覚的な美しさやかっこよさだけでは到底語れないということです。
そしてそれが成り立ってしまったら、手元にある手っ取り早い価値だけで
その奥にある本質が簡単に切り離せてしまうということが、私がUI/UXデザイナーとして感じる危機感でした。
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すみません、思ったより長くなってしまったので念の為もう一回置いときます。
ありがとうございました。
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