2019.12.23.10:34
昨日と一昨日は外に出掛けて展示に行ったりご飯を食べたりお散歩したりした。
マル秘展、とても良かった。2月くらいまでやってるからまだ大丈夫…と思ってるといつの間にか終わってる、なんてよくあることだから、行けるうちに行っておいて良かった。
私は山中俊治さんに憧れがあるから、こんな道具を使ってるのか〜とか、割と大きめの紙にこういう感覚で線を描くのか〜とか、いろんなスケッチを生で見られて刺激になった。(ロゴとかプロダクトの初期アイデアスケッチは、付箋みたいな小さい画面でないとどこから描き始めていいかわからなくなったり不安になる感じもわかるけれど、人によっては画面に関わらずどうしても絵が大きくなってはみ出してしまうのもわかる。私は大きくなりがちな気がする)
隈研吾さんのメモみたいなものを出口付近にあったiMacで拝見できたのもよかった。あまり彼の建築に対する姿勢を知らなかったけれど、リアルな葛藤や感動が伝わる文章だった。
あと、こういうデザインプロセスに触れられる展示を見た時の自分の受け取り方が、大学の頃からは大きく変わっているような感覚があって自分の成長も感じられた。
昔は撮影可の展示ではほぼすべて写真に収めていたけど、自分にはそういうのは合わないというのも実感した。
なんというか、実際にアウトプットをしていると感じるのは、得た知識は一つ一つ別の引き出しに入れてそこから一つをピックアップする感じというより、一つのでっかい鍋に知識がごちゃまぜのスープになってて、お玉で救い上げて取り出すみたいな。伝わるのかな……
昨日は、私が好きで普段よく見てるYouTubeゲーム配信をされている方の忘年会配信があったのでそれも見た。
今年配信したゲームの振り返りと人気投票の発表で、実に300本以上のインディーゲームから人気のタイトルが選ばれた。
私も買ってやり込んだゲームが一位で嬉しかったけど、他のゲームも、読み上げられていた感想もとてもいいものばかりだった。ゲームはただの遊びかもしれないけれど、そこから生き方や人や物事との向き合い方について学ぶことがとても多くて、それはただの遊びだからこそ素直にストレートに心に響いてくるものなのかもしれないと思う。
些細で簡単には共感されづらいメッセージや、世間では大きな声にならない個人的な思いも表現されるようなインディーゲームの世界は本当に奥が深くて面白い!
それに、最近はそんな価値観がメジャーにも浸透してきていて、今後のゲームにもとてもワクワクしている。
まだゲームの話していい…?
実は最近「ファイアーエムブレム 風花雪月」にハマっていて、今3周目をやり込んでいる。これは任天堂から出ているゲームで、久々にこういうどメジャーなタイトルにハマってしまった。
世界やキャラは違えど昔から続くシリーズもので、元々全然興味がなかったけれどプレイするうち、まさに人との関わりの複雑さや世界観の作り込みの深さに引き込まれた。
(以下、ネタバレにならないように控えて話します)
基本の世界観は中世ヨーロッパがベースとなっていて、様々な出自や境遇、能力を持つ学生たちと共に教師として学校生活を送るというもの。
私が魅力的だと思うことの一つはゲームの構成で、長い物語の中での大きな時代の変化を、様々な視点から見られるようになっているところ。
基本的には、少しずつ不安定になり始めた平和な時代から大規模な争いに突入し、激動の末、新たな時代へ変遷するという筋道を追っていく。
しかしやり込んでいく(食事や戦闘を通して人と仲良くなったり特定のイベントをしたり)と、その裏に渦巻く様々な人の思いやかなわない願いや、他のルートでは語られないいろんな側面を見ることができる。
もう一つは世界観の描き方。中世ヨーロッパがベースといったものの、魔法が使えたりドラゴンやペガサスがいたり、「紋章」という力があったり、ゲーム内の架空の国や宗教があるファンタジーものである。
この世界ではあまり男女差別がなく、女性の重装兵や山賊も普通に存在するし、男性の踊り子や魔道士もいるし、同性婚もわりとフラットに描かれる。
しかし、ジェンダーではないというだけで、差別存在しないわけではない。この世界の中では生まれた国や生まれた家(伝統的な貴族社会と平民との壁)、そして生まれた血に備わる「紋章」で頻繁に差別というテーマが描かれる。
このような、現実の社会で問題視されているジェンダーについては比較的フラットに描きつつ、別軸の差別とそれにもがく人々、限界を迎えつつある文化、伝統から脱却することへの不安やリスクを描いているのが面白いと思った。
現実にあるデリケートな問題を直接的に描くと炎上しがちだが、このように「似ている別の問題」として描くことで、そこからどのように読み取り、どう現実に活かすかはプレイヤー本人に委ねられるからである。メッセージの伝え方としてとても勉強になるなあ、と思った。
こういう差別についてもそうだけど、なんだか自立の話っぽいなと昨日考えていて思った。痛みを伴いつつ社会が自立していく話っぽい。
今日はゲームの話ばかりになってしまった。誰かに言いたかった…。
忙しくてゲームはしばらく控えて生きていたけど、やっぱりとても良いものですね。少しずつ昔の趣味をまた取り戻して行こうと思う。