完売画家「絵描きは食えない」を変えたい オススメ
日本に30-50人しかいない、生計を立てられるプロ画家。
そんなプロを15年続けている中島健太さんの著書が、とても面白かったです。
絵描きを目指す人だけでなく、フリーランスで活動している人にオススメしたいです。もちろん、これから美大を目指す高校生やその親御さんは、必読です。
年収300万稼げる人は50人以下
絵を売って手取り200万稼ごうとすると、20万円の絵を32枚売る必要があるそうです。
20万の内訳は、百貨店6万、画廊6万、画家6万、割引2万。
コンビニバイトで200万稼ぐより、何万倍も厳しいです。まず、百貨店で個展を開けるようになるには、相当な知名度や人気が必要で、ーそれを獲得できる人なんてほんの一握り。そこに達しても、顧客が20万払おうと思う絵を、年間32点作り続けなければいけない。もちろん、全部売れるかなんてわからない。
部屋が売れない絵で埋まって、生活スペースが1畳になってしまい、絵を辞める人のエピソードも。
手取り200万から、絵の具代、キャンパス代、筆代、額代、家賃、光熱費、食費払ったら、カツカツでもいけるかどうか。健康保険は払えない。
学校では教えてくれない
美大の学費は年160万。別途画材代などもかかる中、教授は稼ぎ方を教えてくれない。だって、教授はプロになれない人ばかりだから。美大卒業して教授になった人に「お金を取る事は、汚いことだ」的なひがみを刷り込まれる。
これは、多くの学校で共通すると思います。本当に稼いでいるプロの先生は非常に少ない。だから、プロが育たない。
ブルーピリオドの作者であり、日本藝大卒の山口さんがおっしゃっていましたが、同期55人の学部生の内、絵だけで食べているのは、山口さん一人のみ。入試倍率2-30倍の最高峰の変態エリート達でも2%以下。
カラーも同じで、学校・スクールでは稼ぎ方を教えてくれない。
年間売り上げ300万(手取り200万)は、2万のレッスンを150人。1万5千円なら200人。これを続けられる、いわばプロ画家的な人は、全国で30人もいないです。
だから養成講座という単価10万や20万の先生業もやらざるを得ない。それでも、年間売り上げ300万を超える人は、100人くらいではないでしょうか。
だから、稼ぎ方を教えてくれるプロのスクールは少ないです(私のオススメスクールは、スタイルクリエーション)
でも、パートナーの収入があって、生計を立てなくても良い方が多いので、カラーのサービスを行なっている人は、全国で5000人以上います。これは、すごく良いことで、間口が広く、ニーズと可能性が大きいです。
違う方法でマネタイズすれば良くて、その方法がたくさんあるということなので。
例えば、カラーのサービスも行う美容室、セミナー講師、ネイルサロン、建築関係などを含めると、300万以上稼いでいる人は、何千人いるかわかりません。
ガチプロは目指せない
私は、ブルーピリオドを読んで感動し、38歳から絵を描き始めました。絵を描くことは、どんどん好きになっています。でも、絵を売るだけで生活する、ガチプロは目指せません。
カラーサロンを運営してみて、サロン業は面白いなと感じています。でも、個人サービスのサロン業で売り上げ300万は目指したくないです。消耗するので。
可能性は2%くらいありますし、やる気があれば・・・
なんて、高校3年生の時持っていたような、衝動と情熱だけで乗り切ろうというピュアさはどこかにいってしまいました。
いかに戦わないところで、好きな事を続けるか
そんなことばかり考えます。
今、絵で稼ごうとと思うなら、現在の顧客であるカラーリストに喜んでもらえるような絵を描きます。カラーリストをターゲットにしている絵描き(イラストレーター含め)いませんから、競争が厳しい漫画や商業イラスト、アニメや油絵業界で戦うより、可能性が高いです。
カラーで稼ぐなら、1年後には必須スキルになる、オンライン診断ですね。オンライン専用サロンとして、オンラインカラー診断を行うと共に、オンライン診断をオンラインで学べる講座を作って、既存のカラーリストに売る。サロンのオンライン診断を受けた人は発信する側の人が多いので、オンラインでメイクやファッション講座を作るためのノウハウをまとめたPDFと動画を売るなど。
これらは、まだ誰でもできる、空いているポジションなので「これはいけそう」と思った方は、ぜひぜひ挑戦してもらいたいです。そして、その人に仕事を依頼したいです。
中島さんは、最初有名になるために公募展に応募した際、厳しい戦いの中でも、いかにして戦わずに特選を取るかを考えた上で、一発でやり遂げています。凄いです。
ちゃんとリアルを伝える大切さ
プロになろうと思っても、インスタは「成功している感」「キラキラ感」の自己演出で溢れていて、参考になりません。
オススメは、ブログとYouTubeで探すことです。続いているブログは、本心ダダ漏れの、講師の魅力とリアルを感じることができます。
絵は、YouTubeで中島健太さんなど、作画配信している人が多くて、配信中の雑談をずっと聞いていると、色々と知ることができます。
カラーの動画配信は少なくて空いているので、まだチャンス大きいですね。
今は簡単に情報が手に入る時代ですが、カラーなどの狭い世界は、年収とか売り上げとか、リアルを伝えてくれる人は少ないです。
だから今、サロンの売り上げ公開企画を行なっていますが、完売画家のような、他業種のリアルの方が、新しいアイデアが浮かびます。
プロ画家の15年の試行錯誤が、たった1650円で手に入るのですから、本はコスパ最強です。他業種の本もたくさん読みたいと思いました。
本にもいくつか実例がありますが、YouTubeライブ配信+自分のECサイトでの販売といった、プロセスエコノミーを行ったり、常に新たな挑戦を行なっているのが、続けられる秘訣だと思います。クレヨンで呪術廻戦のキャラ描いたり、鬼滅だったり、フェルメールの模写であったり、猫であったり。
これらの「みんな大好きコンテンツ」を、自分の仕事に落とし込むのは、カラーも真似すべきだと思います。
あと、中島さんがイケメンだから成功できたというのは、少なからずありますね。