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色出しと印刷失敗例

カラーのプロなら、狙った色を出せるようにならなければいけません。でないと、印刷物は作れません。

ただ、印刷物を自作しているカラーリストは少ないと感じます。

だから、私のビジネスが成り立つということになりますが、もっと自作できる人が増えると、カラーの世の中の認知が変わります。

「カルチャー的なもの」から「ビジネス」に変われば、より活躍のフィールドが増えますので、この記事が参考になれば嬉しいです。


パーソナルカラー用120色カラーチャートの作り方

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このような、お客様にお渡しする120色のカラーチャートを作ると仮定します。

ある程度良いインクジェットプリンターを購入して、自宅で作成するのが、色校正も何回もできて、1枚から作れるのでベターです。

キャノンとエプソンどちらでもお好みを。SC-PXシリーズなどのプロシリーズだと間違い無いですが、オレンジやピンクなど、一部の色を妥協してOKなら、プロ用買わなくてもある程度出せます。

外注でのオフセット印刷は、色校正にお金がかかるのと、いくら色校正を行っても、本番印刷もブレる可能性があるので、仕上がるまでドキドキです。

10000枚など、大量に印刷する場合は、オフセットの方が後々楽です。


STEP1 紙を決める

【インクジェット(自作)の場合】

■写真用紙

→発色が良いですが、二つ折りや裏面印刷はできません。

■マット用紙

→色が沈むので、発色は写真用紙に劣りますが、紙目によっては半分に折れますし、紙によっては裏面にも印刷できます。


【オフセット(外注)の場合】

たくさん紙はあるので、まず見本帳を取り寄せます。私が良く使うのは、下記のスタンダードなものです。

■マットコート紙

→発色はコート紙に少し劣りますが、ツヤツヤテラテラしすぎないのでオススメです。ミラーコート紙など、紙によっては、印刷後保管しているときに反ってきます。


■上質紙

→インクジェットで追い摺りできます。マシュマロCocは質が良いです。


折るタイプを作る場合、紙目はとても大事で、外注で印刷する場合は、紙目指定は必須です。


STEP2 カラーチャートを印刷する

その紙での発色を確かめるため、下記のようなカラーチャートを印刷します。↓ダウンロードアドレス(当社サイト)

https://ais-ais.co.jp/pdf/chart.zip


【インクジェットの場合】

プリンターの印刷設定はとても重要ですので、まず1つのチャートを、様々な設定で印刷して、発色を確認します。その中のベストで、カラーチャートを一通り印刷します。

その発色を見ながら、CMYKの数値を拾います。薄い色はCMYK各数値の合計が3%変わると、かなり色が変わります。C7M7 → C10M7


【オフセットの場合】

本機色校正を行います。B2くらいのサイズに、できるだけ多くのカラーチャートを面付けして印刷するのがオススメです。

印刷業者によっては、B2で色校正を行った場合は、本番の印刷もB2サイズにしないといけない、色校正から1週間以内でないと保証できないなど、条件がありますので、注意が必要です。

費用は1回2-5万円くらいでしょうか。1回で済ませたいですね。


STEP3 本番用データを作って印刷

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Illustratorが無くても、このくらいのものだったら簡単に作れますが、一生使いますので、カラーのプロなら初めからIllustratorが良いと思います。

https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html


色校正の色を見て、CMYKの数値を拾います。上記のカラーチャートですと5%刻みなので、プラスマイナス2%や3%調整し、本番用の色を決めます。

私はピーク時、2%の違いがわかるようになりましたので、何度もよく見れば、目が養われます。光源(できれば太陽光)の位置と紙を見る角度を何度も変えて、紙に張り付くようにして見ると良いです。

夕方は見にくくて、個人的には朝10時くらいが一番わかりやすいです(もちろん、季節や天候によって変わりますが)


データに色を当てはめる際、Illustratorなら、色校正データからスポイトツールで色を吸うと、確認時に自動選択ツール(カラーの許容値1%)で確認できるので楽です。

自宅でインクジェット印刷なら、何度も失敗できるので良いのですが、外注の場合、3回は色の数値を確認すべきです。120色出すとなると、2-3色は間違ってしまいますので、そのミスが何万円にもなってしまいます。


失敗例

インクジェット印刷は、自分でどうにでもなるので、失敗は改善できます。

外注の場合、いくら色の数値を調整して色校正を行っても、本番は色がぶれます。印刷業者の、言語化されていない、明確化されていない許容値というものがあり、その許容値以内だと言われれば、妥協する必要があります。

私は何度も捨てたことがりますし、業者にお繰り返したことも(捨てるのが大変なボリュームだったので、事前に業者に確認取って着払いで返品)


失敗には色々なパターンがあり、しっかり説明すれば、業者に作り直してもらえることがあります。


■失敗例1 色が違っている

今まで、色の数値の確認間違いはしたことありません。3回は確認しています。必ず1-2色は間違えているので、間違え前提で確認しています。

数値が合っていても、色が違うときが結構あります。その時の、業者への伝え方が重要です。逆なでしないよう、要点を的確に伝えると良いです。

例えば、Mが強く出てしまった場合、M単色の薄い色、MとC、MとYの掛け合わせの色が、違いがわかりやすかったりします。

業者の面倒な仕事をしたくない担当者に、その違いに気が付きやすい順番で伝えます。

電話やメールで了承していただける場合もありますし、実物に赤ペンでチェックやコメントを書いて送る場合もあります。丁寧に手紙を書いても、「許容範囲です」と言われれば終わりなので、なるべく担当者が上司に報告しやすい形にするなど、作り直す社内の手間に気を配ると良いです。上から目線はダメです。


■失敗例2 上が濃くて、下が薄い

オフセット印刷の構造上、紙の端と真ん中ではローラーの圧力などが代わり、発色が変わります。A4サイズの210mmの距離でも、上は濃くて下は薄いなどの現象が起きます。B2サイズなど大きなサイズだと、かなり変わります。ですが、データの色の位置に気を使ったとしても、機械が変われば症状もかわりますので、防ぎようが無いと思います。

ですので、基本、作り直しはしてもらえないと思って良いです。私も諦めています。


■失敗例3 10000枚の中で、最初と最後とでは色が違う

すべて同じことはありません。多少の違いは許容範囲内となりますし、最初の100枚と最後の100枚が近かったらラッキーです。

でも、かなり違うときもあります。

明らかに変わっているときは、全数作り直してもらえるときがあります。私は、途中で急にMインキの発色が良くなるな現象がありました。影響を最も受けたのは茶色で、全然違っていました。

その切り替わり部分を見つけて、前後の枚数を数え、一番差がわかりやすい2枚を送ると良いです。


■失敗例4 ブラケット洗浄不良

印刷するブラケットの洗浄不良で、前の印刷物の版が残っていて、私の印刷物にそれが印刷されているときがあります。

これは確実に作り直してもらえますが、濃い色の上にそれがあると、気が付きにくい時があります。納品されたらすぐにじっくり確認しないと、作り直し期間が過ぎてしまうかもしれません。


■失敗例5 断裁ミス

A4の印刷物を発注しても、業者はA0やB0といった最大サイズの紙に、様々な同じ紙の注文を面付けして印刷し、断裁して仕上げます。

そのため、断裁がずれることがたまにあります。私は1度しか経験がありませんし、少しのズレで許容できたので作り直しはしませんでした。

ただ、中心があって左右対称(上記の120色カラーカードのようなデザイン)だと、ズレが目立ちます。

ハガキサイズだと1mmズレるとかなり違和感がでるので、作り直してもらえるようでしたら、お願いするのが良いです。ただ、1mmは許容範囲内だと言われそうですが・・・


■失敗例6 運送ミス

配達中に濡れていたことがありました。最近はCO2削減のため、ダンボールに印刷物をそのまま入れるなど、以前のようにビニールで包まなくなってきています。

この場合、運送業者にクレームを出して保証してもらいますが、色校正まで行って作る印刷物の場合、作り直しがとても面倒ですし、ちゃんと仕上がるかドキドキします。

ですので、梅雨時期などは再配達にならないように、配達日時に気を配ると良いです。豪雨になりそうだったら、配達を遅らせたり、近くのセンター止めにして、自分で取りに行くのも選択肢です。


■失敗例7 細かな印刷不良

同じロットの中でも、途中色が欠けている不良が50枚あるなど、良く起きます。

業者は予備を必ず入れてくれますが、足りない場合もあります。

でも、ちょっとのことなら、クレームを入れるべきではないと考えています。

クレームという後ろ向きの行為は、どちらも嫌な思いをします。

300枚足りなくて作り直してもらうことに労力を使うくらいなら、他のことにそのパワー使って前に進む方が、より多くのことを得ることができると思います。