丁寧に生きたい。
新型コロナウイルスの煽りで自分だけじゃなく家族そして世の中のリズムが崩れ、正直精神が参ってる、困った。そんな中で必死に「いつも通り」を作り出そうとしている自分に苦笑いする。それがいままで通りを願っているのか新しい今まで通りを作ろうとしているのか今はまだ判断がつかない。そんなことをじっくり考える暇もなく日々を奔走しているわけだけれども、突然がらりと変わってしまった生活の中で叶えたい願いがあることに気付いた。
「丁寧に生きたい」
普段仕事家事育児の三本柱で奔走し、空き時間を趣味や休息に費やしていたけれども週の半分が自宅勤務になったことにより通勤時間や子供達の送迎が無くなった分、他の事に時間が回せるようになった。そこで今手っ取り早く達成感満足感が得られる料理に時間を充てることにしているのだけれど、楽しい、とても楽しい。出汁を取る、粉を捏ねる、下拵えを丁寧にする。今まではただの作業でそこに幸福感が生まれることはほとんどなかったけれど、今はとても幸せなことだ。
そういえば子供が生まれてから私の願いは「コーヒーを淹れてゆっくり飲みたい」だった。コーヒーを淹れるあの繊細かつ丁寧な時間。嗜好品を楽しむ贅沢なひととき。丁寧とはこんなに幸せな事だったのか、慌ただしかったお陰で全く気づかなかった。
この騒ぎがいつまで続くか分からない。何せ相手はウイルス、夏ごろに収まるなんて甘いことは考えていない。こんな時だからこそ、自分と向き合って、望みを叶えてやりたいと思う。人生の中で一番長い付き合いになるのは間違いなく自分自身だから。