今も大切にしている母からの教え

小さい時から母に言われてきたことがある。

「人間、眠い・寒い・お腹がすいた。この3つがとにかくダメ。暗いなにかがすぐ手を伸ばしてくるから、自分がちょっと調子悪いなと思ったらまずはここから疑ってみるといい」と。
母は私の顔をみて、すぐれない顔をしているとどこかからチョコレートを持ってきて、毛布で私をグルグル巻きにした。夏でも。

暗い考えを持ちやすい人がちょっと調子が悪いなと原因を探るため心をのぞくとあっという間に奥まで引きずり込まれ、過去の失敗や他人から受けた嫌な事とか、今朝寝坊したとか今日の天気とか、大きなことから小さなことまでとめどなく情報を流し込んでくる。一切頼んでないのに。そして何が起きるか、しばらく明るい世界に戻ってこれない。

私も例にもれず落ち込みやすい人間だ。どんどん奥まで沈んでいって、深淵が心地よくなる時すらある。そういう時は自分に「眠くはないか、寒くはないか、お腹がすいていないか」と問う。負の感情の激流は音を立て自分への問いかけをかき消そうとするがもうここは一生懸命気をそらすしかない。
そうすると大体小さな声で「オナカガスキマシタ」と聞こえてくる。私の場合大体それだ。

確かに過去の暗い話も自分から切り離せないもので、もしかしたらそこから生まれたものもあるだろうしほどほどに大切にしていくべきだとは思う。けど今の自分もほどほどの大切にしないと、未来の自分は現在の自分を抱えられるなんて保証がどこにもない。だから少しでも未来の荷物を減らすために、今を少しでも大切にしていきたい。

そして、夏にもかけられた毛布。今でも思い出そうとすると目頭が熱くなるほど一寸たりとも疑うことのない、母からの教えと愛情を、自分にも、子供や旦那にも施していきたいと思っている。


現在13:12 お昼ご飯、まだです。おなかがすきました。



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