研究者に「その研究に意味あるの?笑」と聞いてくる人
私はまだ学生だが、研究には6年半ほど従事している。
それなりに長い研究生活で、最も意図が分からない質問がある。
「その研究に意味あるの?笑」
である。
まず、(冷笑気味に)こう聞いてくる人は、研究内容を分かる気がほぼない。
それが年下であろうが、同級生であろうが、年下であろうが、できる限り質問者が持っているであろう知識をもとに、研究内容を説明するのである。
説明している裏で、私が彼らに聞きたい事がある。
それは
「あなたの仕事には、どれほど意味があるの?」
である。
近年の(特に工学、医学などの)研究が、課題解決型の性質を帯びていることは、研究者で否定する者はほぼいないと思う。
工学や医学分野に従事する研究者は、研究者全体の大きな割合を占めている。
そのため、研究者の多くが、研究のどこかの段階で「自らの研究に社会的な意義があるか」を考える機会があるということだ。
つまり、研究者に「自らの研究に意味があるのか」という質問をすること自体は、全く悪いことではない。むしろ、社会実装から距離ができることの多い研究が、社会的にどのような位置づけなのかを知るために良い質問だと思う。
しかしながら、それなりの割合で、冷笑気味にこのような質問をされ、懇切丁寧に(もしくは質問者の興味がありそうな話題だけを挙げて)答えても、二言目には「わからない~(笑)」や「へ~(笑)」と返してくる輩がいる。
多少意見をお持ちの方は、「そんな机上の空論や意味のないことをやって何の意味がある!(いや、ない。)」とありがたいご意見をくださる。
なぜ聞く?
現代の日本は、第3次産業、すなわちサービス業に従事する人が大多数である。
サービス業の中には、インフラ的な要素を持ち文化的な生活には欠かせない職業がある一方、数珠状の下請け構造から見る限り、社会構造的要求から創出された雇用も多く存在することは、まぎれもない事実である。
そんなわけで、私が
「あなたの仕事には、どれほど意味があるの?笑」
と聞いてやろうか。
多分めちゃくちゃ怒られる。
だって、誰も自分を馬鹿にされたくないから。