
#093. 木陰芝居
雨宿り。
というのは雨を避ける場合である。では夏の凶悪な日差しの場合は何というのか。とりあえず知らない。検索してみたがよく分からない。ので、勝手に作ることにした。
宿りとはなにか。幾つかあるが「一時的にそこに留まる」という意味があるそうだ。雨宿りとセットにしたい。ゆえに「宿り」は使いたい。
木陰宿り。
ってところか。実際には建物の陰が多かろう。それなりに背も必要だ。ビル宿り。そりゃホテルに宿泊かなにかだろう。風情である。木陰という言葉からは涼し気な気配が感じられる。ように思う。うむ。これでいこう。
そんな翌日。
用事があって外出したのだが帰り道に気分が悪くなった。熱中症のはしりであろう。ちょうど大きな樹があったので木陰へ。
少ししてはたと気づいた。
これはもしや不審者扱いされるのか?
スマートフォンを取り出す。待ち受け画面を眺める。なにかしてるふりをする。小芝居である。これなら違和感は‥‥、どーかなー。
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