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#065. 激辛決断

今年は中華にしよう。

と、社長。

鶴の一声である。これで忘年会の方針は決まった。店の名がいくつか挙がる。会社近くのお馴染みの店である。とりあえず、と、ホワイトボードに店名を並べた。その数ざっと20。これは決まる気がしない。

よし、分かった!

再び社長である。社長に必要なのは決断力である。そのあたりは流石サスガといえたがそれが妥当かどうかはまた別の問題である。

陳さん(仮名)!
はい?

君ならどこにする?

あー。そうねー。あそこね。
こないだ行ったけど美味しかったね!

じゃあ、そこで!
解散!


で。当日。

会社からぞろぞろとみんなで歩く。忘年会である。良い雰囲気である。和やかな時間であった。残りの仕事は、まぁ、とりあえず忘れよう‥‥。

先頭付近の誰かの声。

四川しせん

その単語が波のように伝わっていく。

四川?えっ?
四川?もしや?
四川!孔明の!
四川!!罠なのか!

中国人が経営する、中国人の客が多い、本場の、四川料理。

ひたすら辛かった。
それしか覚えていない。

そんな忘年会でした。


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