あれは実態じゃなかったんだ?
夏の暑い昼間、中学生だった私は家の手伝いとして洗い物をしていた。
流しの右側が勝手口になっていて夏は網戸になっている。
数メートル先は道路。
食器を洗い流しながらその網戸から外を見ていたらその道路を歩く女性がいた。
見るともなく通過する女性を目で追う私。
道路と敷地の境目には目隠し用に木が植えられているのでその隙間から通行人を見るのだが門の所は見通しが良い。
ショートカットの女性を目で追い門の前を通るのを待っていても一向に姿を現さない。
Uターンしたのも見ていない。不思議に思