不思議な飴について

好きなお菓子について

皆さん飴は好きだろうか。
私は飴が好きだ。
特に飴に詳しいというわけではないが、口の中に入れるだけで幸せが口の中で溢れるような飴というお菓子が好きだ。
小さい頃は祭りに行けば、砂糖がまぶされた大きくてカラフルな飴を必ず買っていた。
大学生の頃は2種類以上の飴を常にカバンに忍ばせていたぐらい、飴が好きである。
日本のお菓子メーカーの質は海外に比べて高いと言われており、いろいろなお菓子をスーパーやコンビニで目にすることができる。
最近はグミの人気に押されているが、私はグミよりも飴の方が好きである。
もちろん味わいも好きだが、やはりハズレが少ないことが飴の良いところだろう。
他のお菓子は味わいの他にも食感などで他の会社の商品と差別化している。
例えばグミの場合、食感が気に入らなければそのグミを2度と買うことはないだろう。
しかし飴はサクマさんのいちごみるくなど、噛むタイプを除けば、舐めて味わうことだけに重点を置いているため、食感に差はなく味だけで勝負をしている。
そのため美味しくなければ他の商品に淘汰されるので、自ずとハズレの商品が少ないように思う。
スーパーやコンビニで並んでいる飴を買っても、よほど攻めた味ではない限り、ハズレを引いたことがない。
黄金糖やミルク飴のような甘さを全面に引き出した飴ももちろん美味しいが、私が好きなのは甘酸っぱいフルーツ味の飴だ。
フルーティで香り高く、陳腐な表現で言うと果物への解像度が高い。
甘い物が欲しい時や口寂しい時は飴を口に放り込む。
この文章もカロカロと飴を頬張りつつ書いているのである。

ポンと出てくるフルーツ玉


さて今回はその飴の中でも、「ポンと出てくるフルーツ玉」の話である。
「ポンと出てくるフルーツ玉」とはライオン菓子株式会社さんが出しているフルーツ味の飴である
この商品の特徴はその名の通りポンと出てくるところだ。
袋の下を摘んで力を入れれば袋が破れて、飴が出てくるのだ。
つまりそのまま口に放り込み、片手で食べられる。
両手で開ける手間なしのユーザビリティに溢れた画期的商品なのである。

しかし懸念点がある。
それは1番の売りである「ポンと出てくる」というところだ。
飴を袋から出す際に袋を押す。
袋をキュッと摘み、外からの圧力によって包装を破る。
皆さんも幼少期にポリ袋の口から空気が漏れないようにしてしぼり、パンパンにしたことはないだろうか。
それを割ると破裂音が鳴る。
それと同じことをしているのだ。
当然「ポン」どころではない音が鳴る。
文字にするならパァン。
思ったより大きい音が鳴るのである。
例えば電車の中でこの開け方をすると、視線が一瞬集まるだろう。
ただ、「ポンと出てくる」の「ポン」は擬音語ではなく擬態語の可能性もある。
辞書で調べると「ポン」は「物が勢いよく跳ねる、飛び出す様子、またはその音」とあり、擬音語でも擬態語でもどちらでも捉えられるようだ。
またその破裂音は思ったよりも大きいが、「ポン」と形容しても、まあ別に障りない程度の音である。

また、時には飴が飛び出してこぼれるという懸念も考えられる。
ポンと出てくるということは、口や手で受け止められないと、飴を落としてしまうのではないか。
しかし心配ご無用。
そんなことはライオンさんも織り込み済みだろう。
飴をポンと取り出してみると、他のメーカーの飴よりも外包に対して小さい飴が入っているのが分かる。
おそらくは中の飴のサイズを小さくすることで、袋に指で押される分の余裕を作り、飴が押し出されて飛び出しにくい設計になっていると思われる。
しかし私は未だかつて飴を片手で食べたいなと思ったことがない。
飴を食べる時は少し休憩を入れたい時だ。
作業などにひと段落ついて口寂しい時に食べる。
つまり余裕がある時に飴を食べるので、結局両手で開けるのだ。

それはいい。
私が片手で食べたい時がないだけだ。
例えば手袋を付けた作業中、手袋を外して飴の袋をちまちま両手で開けずに、ポンと片手で食べられるのはありがたいだろう。
様々な状況に対して考えているライオンさんの素晴らしい心遣いだ。

本題


「ポンと出てくるフルーツ玉」にはもう一つ特徴がある。
8種類のフレーバーがあることだ。
豊富なラインナップとそのどれもが高品質で美味しいのだ。
それが好きでこの飴を買っている。
味の種類は時期によって変わるのだが、今のラインナップはこうだ。
マスカット、りんご、レモン、オレンジ、グレープ、ピーチ、ストロベリー、さくらんぼ。
個包装になっており、一つ一つ取り出しやすく、そのどれもが美味しい。しっかりとフルーツの味を再現しており、ポンと出てくるために小さめにしているとは言え、ジューシーで濃厚な味わいで一粒で満足感が得られる。

問題はここからである。
私が真に言いたいのは、その包装の色だ。
包装の色なんて、別に気にする必要ないのではと思う人もいるだろう。
とりあえず、その包装の色を見てみよう。

オレンジ=橙色
グレープ=紫色
ピーチ=ピンク色

それぞれのフルーツのイメージ通りの色である。

りんご=赤色

いい調子だ。こいつは何を文句をつけたがっているのだという人もいるだろう。

ストロベリー=緑色。

待て。
皆様はストロベリーと聞いてまずイメージする色なんだろうか。
そう、赤だろう。
品種や熟れ具合によっては、他の色もあるかもしれない。
だが一般的なストロベリーは赤だ。
しかし「ストロベリーの絵に色を塗って」と言われた時に、まず手に取るのは赤色だろう。
しかし前述の通り、赤はすでにりんごに取られてしまっている。
飴がたくさん入った袋を見て、ぱっと目当ての味を取り出すために、別の色にした方が撮りやすいと考えるのは普通だろう。
また、ストロベリーの色を塗る際、ヘタのついたストロベリーならば緑色も使うだろう。
そういう意味では緑も分からなくはない。
様々な味を入れているので、カラーバリエーションが限られている中、目当ての味を見つけやすいためにライオンさんが考えた結果、苦し紛れの緑をつけたのだろう。
涙ぐましいではないか。

しかし緑をストロベリーに使ったということは新たな疑問が生まれる。
緑のイメージがあるマスカット味は一体何色なのだろうか。
取り出して見てみよう。

マスカット=水色

待て。
いちごの時はヘタの色が緑だからとまだ飲み込んだ。
マスカットに水色のイメージはない。
ストロベリーの絵に色を塗る時、緑を使うことはあれど、マスカットの絵で水色を使うことはない。
しかし、待ってほしい。
外包にもあるように、マスカット味は期間限定の新フレーバーなのだ。
おそらく旬や収穫量なども鑑みて、季節によって1、2種類フレーバーを入れ替えるのだろう。
調べてみるとやはり、8種類の中でもストロベリーやブドウ、レモンといった定番フレーバー以外はちょこちょこ入れ替えているようだ。
期間限定のフルーツは余っている色を割り振られるのは仕方ないか。
これまであげたフレーバーの中には青系統の色は使われていない。
しかし濃い青系統は食欲減退色なため、定番のフレーバーには使いにくいか。
余っている色の中でも、水色をチョイスしたのは、おそらく水色→水→瑞々しさのイメージの連想から、フレッシュな瑞々しさが売りのマスカット味のイメージにも合っているのではないか。
そう考えるとライオンさんのセンスの良さに脱帽である。
いちゃもんを付けるこっちが悪いのだ。

さて、気を取り直して他の味も見ていこう。
さくらんぼ味。
おそらくマスカットと同じく、スタメンではない期間限定の商品だ。
さくらんぼと聞いて、まずイメージするのは赤。
しかし赤はりんごだ。
次にさくらんぼで連想されるのはヘタの色の緑。
しかし緑はストロベリーだ。苦し紛れの緑は既に取られている。
ならば何色か。さくらんぼとして想起される色……。
黒めの赤だ。きっとそうに違いない。

さくらんぼ=黄色。

おい。
確かにさくらんぼの断面を調べてみると白っぽい黄色いの画像が見つかった。
しかしアメリカンチェリーのような中まで赤い品種もあり、黄色のイメージがあるかと言われると「NO」と言いたい。
しかもさくらんぼは一口で食べられるため、断面を見ることが少ないことも黄色のイメージがないことに拍車をかけている。
さらにさくらんぼより、りんごの方が断面が黄色いイメージがある。
りんごは皮を剥いて食べることが多いため、薄い黄色の果肉のイメージがある。
りんご=黄色にして、ストロベリーとさくらんぼで赤と苦し紛れの緑を取り合うべきではないか。
しかし前述したように、さくらんぼ味はなかなか珍しいフレーバーである。
およそ定番とは呼びにくく、おそらく期間限定フレーバーだろう。
スタメンであるりんご、ストロベリーの色は固定されているので、使われていない黄色が割り当てられたのだろう。
赤色、紫色、橙色、ピンク色、緑色、水色ときて黄色。
黄色があった方がカラフルで纏まりがよく見える。
私は黒めの赤を予想したが、遠目で見れば黒めの赤は通常の赤と同じに見えるので、取り間違えてしまうか。
となると余っている黄色になったのも頷ける。

待てよ。
なぜ黄色が余っている?
明らかに黄色に最も相応しい味が残っているはずだ。
そう、レモンである。
レモンは中も断面も黄色のイメージ。
ましてやパイナップル味などの黄色の競合もない。
さくらんぼが濃い黄色だったから薄い黄色か?
しかし、さくらんぼで黒めの赤を使わなかったように、同系色は取り間違えを防ぐために使わないはずだ。
消費者の声が分かっているライオンさんがそんなことをするはずがない。
ではレモンは何色なのだろうか。

レモン=薄い緑色

嘘だろ。
言いたいことが山ほどある。
レモンは黄色だろ。
レモンに薄い緑のイメージあんまねえよ。
緑は苦し紛れにとった苺のもんだろ。
同系色は使わないんじゃなかったのかよ。
スタメンには似合う色割り当てとけよ。

一旦落ち着こう。
レモンに薄い緑のイメージがあんまりないと言ったが、葉っぱのついたレモンは緑も含まれる。
レモンの絵文字を見てみると葉っぱがついたレモンが表示される。葉っぱの色は緑。
しかしストロベリーが苦し紛れで緑を取っている。
だから緑色ではなく薄い緑色なのだ。

いや、納得できねえよ。
勘弁してくれよ。
フルーツ飴界隈ではレギュラー格だろ。
イチゴ、りんご、グレープ、レモン、ピーチ、オレンジあたりのレギュラーは似合う色にしとけよ。
このスタメンの顔ぶれの中でりんごとストロベリーでどっちが赤か迷うのはわかるよ。
レモンは黄色だろうがよ。
なんで新入りのさくらんぼに黄色譲るんだよ。

終わりに


ともあれ、ここまで散々いちゃもんをつけてきたわけだが、ポンと出てくるフルーツ玉はクオリティーが高くコスパの良い商品で私も大好きである。
定番の味はもちろん新フレーバーのさくらんぼ、マスカットも美味しかったので、ぜひ買って食べてみてほしい。
その際は周りに人がいない自宅などで、「ポン」と袋から出してみてはいかがだろうか。

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