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【思い出語り】映画「ランボー」をレビュー

あいさつ

こんにちは、皆さまお疲れ様です。
本日は映画「ランボー」のネタバレあり思い出垂れ流しです。
こちらも余りに著名すぎる作品なのでご存じの方も多いと思いますが、受けた衝撃がとてつもなかった作品なので書き残しておきます。

ちなみに「ランボー」についてはWikipediaにおおよそのあらすじがあるので、これ見返すだけでもはや面白いですね。

「最高のアクション映画」

もうはっきり言ってしまいますが、私が今まで見てきた映画の中でもトップクラスに好き。
具体的に言うなら「マイベスト映画のトップ5には絶対入る」と断言できるほど好きな映画です。

シルヴェスター・スタローン圧巻の演技
圧倒的に重いテーマを描き切ったこと。
これらに尽きます。

この記事を書いている時代の若い人は、筋骨隆々の男が暴れるアクション物と思っている人もいるかもしれない。この3年後にはかの名作「コマンドー」も公開されていますし。

でも、きっと「ランボー」の一番の魅力はアクションじゃない。
見た人は分かる話ですけどね。

ラストシーンは今や様々なパロディでも取り上げられるほどですが、ただ単純に「カッコいい」とか「感動する」だけじゃないんですよね。
ずっしりくるテーマの重さを、綺麗に描いた作品だと思っています。

シルヴェスター・スタローンと言えば当時「ロッキー」という映画の存在がありブレイクしていたこともありますが、やはり魅力はその武骨なスタイル。所謂当時の「男らしい」を体現した人であったと思います。

そんなランボーが最後に張り上げる慟哭は、私の見てきた映画たちの中で圧倒的な印象を残しました。

序盤~中盤:保安官との対立とゲリラ戦

冒頭、訪れたかつての戦友は戦争の後遺症でこの世から去っていた。

あの、そもそも一度この作品を鑑賞した上でこのシーンをみると、ランボーにとってこれがもう大きなショックなんですよね…
ただでさえ社会の中に居場所が無いというのに、数少ない戦友までもが居ないなんて。

そして町に訪れたランボーに対する保安官による嫌がらせ。
だんまりが多いランボーも問題あるけど、当然ながら見てて不快だったなぁ…自分の正義に酔っている感じが特に。

率直に言って、この時の対応が町に大損害を与えてしまうし、治安どころじゃなくなっちゃうから保安官失格なのは言うまでもないですよね…

もう中盤の山狩りでのアクションは言うこともないくらい。
原作タイトル「一人だけの軍隊」の通り、圧倒的な強さを際立たせるのがカッコよすぎる。

終盤に至るまでに共通してるのは「保安官たちが鬱陶しい嫌な奴」だという感情。当然ランボーの敵方なんだからそうなんですが…自分は人の事情を知ろうとしないとか、コミュニケーション取ろうとしない人がそもそも苦手で。
これが「悪いことをしていた人」への対応なら何にも問題ないんですけど。

終盤:市街地にて

森林地帯から舞い戻り、出来うる限りの破壊工作の限りを尽くすランボー。
保安官はそれに歯嚙みをしつつ探し続けるが、本物の戦場を生き抜いたランボーの方が何枚も上手だった。

二人の決着がついたところで、戦いをやめるよう説得するトラウトマン大佐に対し、ランボーはその胸の内を爆発させた。

慟哭

「何も終わっちゃいないんだ
俺にとって戦争は続いたままなんだ
あんたに頼まれて必死で戦ったが勝てなかった
そして帰国したら空港で非難ごうごうだ
赤ん坊殺しとか悪口の限りを並べやがった!
あいつらは何だ? 戦争も知らんくせに!
頭にきたぜ!」

ここから始まる一連の流れ、実はたったの3分程度しかない
でもこの最初のランボーの怒声で完全に持っていかれたんですよねぇ…
あんなシーン、他の映画でも中々見れない。

そして靴磨きの少年の自爆テロに巻き込まれた時の話…もうこの時のスタローンの、迫真の演技という言葉では足りない程の表現。

この3分程度の短い間は、完全に意識が映画だけに向けられてしまう時間でした。他のなんの思考も入る余地が無かった。

そんなシーンに見入ってしまってからすぐ迎えるエンディングがとんでもない余韻を残して終わっていくんですよね。最高です。

あとこの時のランボーって、戦争終結から7年経過しているんですよね。
どれだけの間苦しんできたのかと思うと、もう何も言えないです。

静と動の「静」が素晴らしい

思い返すと、アクションシーンより「大佐と無線で話すシーン」だったり「大佐との対話」の方が効いてるんですよね。
勿論、ランボーの強さや異常性が際立つゲリラ戦のようなシーンがあってこそなんですけど。

あと、主人公の心情が最後にしか明確に表現されないのも良い。
後述する原作との違いで優れてるのはこの演出かなーと思いました。

ベトナム帰還兵の現実

ベトナム帰還兵としてアメリカに帰ってきたランボーにはどうにもならない社会からの忌避と差別が向けられていたのがよく分かる。

帰還兵だから差別される、だけではなく「帰還兵が生きるには息苦しすぎる社会」という側面もあったというのが正しいような気もする。

実際のベトナム帰還兵も同じように問題を抱えたまま解消できず、社会もそのフォローが十分でなく、悲劇的な結末を迎える人が存在したということを考えると…やりきれない気持ちを抱きますね。

政治や指揮をとった人が批判されるならまだしも、いち兵隊を批判した人たちって何を考えていたんでしょうね。国の為に戦おうと思った人も中にはいるでしょうよ。

原作と映画の差異

すごい大雑把に言うと以下の通り。

  • 保安官が朝鮮戦争の帰還兵であること、ランボーに対して抱える感情が明確

  • ランボー、保安官、トラウトマン大佐の結末が大きく違う

  • ランボーの心情が割と明確に描写されている

特に保安官との対立が「帰還兵同士の対立」として分かりやすく描写されているのも面白いですね。
今になって原作本(翻訳)を手に入れるのって難しいかもしれませんが、ぜひお勧めしたいところですね!

映画の後に楽しむ、言わば「もう一つのランボー」ですね。
もちろん原作が先なので、本来は映画の方がそう呼ばれるべきなのはもう言うまでもないです。
(ただ、現実問題として原作を先に読んでる人はごく少数でしょうからね)

最後に

とにもかくにも最高のアクション映画であることは、振り返って整理してみてもやっぱり揺るぎなかった。

ちなみに個人的にお気に入りのシーンは
「市街地戦で警察署を銃撃するランボーの機関銃(M60)片手撃ち」
シンプルにカッコいい、左手含めて。
「すべてを吐き出したランボーの話を聞いて、抱きしめる前のトラウトマン大佐の表情」
これはもう勝手な解釈ですけど、トラウトマン大佐は"抱きしめたかった"ではなくて、何か声を掛けようとしてもどの言葉も彼に寄り添えないことを察したからそうしたんだろうなと思ってます。

そんな感じで映画「ランボー」の思い出垂れ流しでした。
また懐かしの映画について語る記事も書いてみたいと思います。

もう一回見よ。

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