【創作ホラー】笑顔の集落
梅雨の明けた夏真っ盛りのこと。
いまや当たり前となったナビも使わないで、気の向くままにバイクを走らせていた。
愛車の調子も良く、あっという間に都会の喧騒を離れて山が近くに見える田舎道を進む。
お昼少し前ごろだったと思う。不思議な空気の集落にたどり着いた。
その集落はなんというか…フィクションにある田舎の家ばかりのようで、どこか時代が止まったかのようだった。
ただ、よくよく見るといくつかの家には生活の痕跡がある。
家によっては割と綺麗な軽トラが停まっていたり、よく見ると人影も