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カート・ヴァネガットと今敏
過去の作家たちは写真や映画など新たな複製技術が発明され急速に社会に普及するなか「本」という媒体がどこまで書き手のリアリティを読者に伝えることができるのかという重要なテーマに直面したであろう。
ポストモダニズムの作家たちは言葉の信頼を揺さぶられるなか、リアリズムに次ぐ新たな表現としてメタフィクションという文学手法を用いた作品を発表する。こうした手法は20世紀以降、映画など幅広い分野で用いられ近
アップル製品はアートか?
身近な芸術について考えた時、私はアップルのパソコンを想起した。2000年初頭の日本でも革新的なパソコンメーカーとして知られ新製品が販売される度にアップルストアに行列ができる様子がテレビやマスコミで取りあげられ一世を風靡されたアップル社。 中でもジョブズがプレゼンテーションを行った製品は美的テクノロジーと技術が融合したアート作品であると考える。その理由を製品について述べながら論じていきたい。
肉眼からの解放、記憶装置としての映像
私たちは普段、毎日の生活の中で思い出を積み重ねがら生きている。しかし、全ての情報を記憶しているのではなく肉眼を通して見たイメージを主観的に解釈して脳に記憶している。そしてこれまで数々の芸術作品(文学、絵画、写真など)が作家の表現媒体としてだけでなく人間の思い出を記憶する媒体としても機能してきた。なかでも、映像が革新的な技術の発展によって誕生した時、これまで以上に人間の記憶の保存に関して非常に大きな
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