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友情の証拡張マップ

新幹線で隣に知らない人が座って、今回の旅は始まった。

事は、去年淡路島に行ったボードゲーム女子たちと、静岡時之栖で開催される、ボードゲーム大祭に行こうと誘われたことに始まる。
私は、根っからの引きこもりで、2泊3日という個人的には長旅に行ったのも、淡路島が久しぶりだった。
悩みに悩んだ末、ボードゲーム大祭に行くことに決めた。
旅の楽しさを教えてくれた、あの時のメンバーとなら、絶対楽しくなると思ったから。

1人で新幹線に乗るなんて初めてで、極度の方向音痴の私はちゃんと辿り着けるかと、知らない土地に1人で出向くことに不安を覚えていた。
特急券しか買ってないというありがちなミスをしながらなんとか新幹線に乗り、三島で降りる。
時之栖行きの送迎バスを探し彷徨うと、一箇所だけ長蛇の列のバス停があった。
停留所の案内を見ると、いろんな行き先のバスがここに止まり、時之栖行きの送迎バスもここから発車されるみたいだった。
バスが来ると、全員が時之栖行きのバスに乗り込んで驚いた。
思ったより、今から行くところはしっかりとしたレジャースポットみたいだ。

45分くらいバスに揺られ、現地に到着。
ボードゲーム大祭会場のホテルの前にバスが停まったので迷わずに済んだ。

会場に入り、まずはバイシクルトランプの缶ケースを買った。
これはどうしても買って帰りたかったものだが、私が買った時点であと4個となり、売り切れるぎりぎりで危なかった。
私は自分の分と、お土産で友人の分とで2個買ったのだが、買おうか悩んでいた人が、私の買いっぷりに慌てて買っていった。

そのあと、大祭に参加しているお友達に挨拶して回った。
大体イベントの時はどこかのブースのお手伝いをしているので、純粋に遊びにきましたというと、驚かれた。
誰が参加しているかよく知らない状態で来たので、一つ一つの出会いが急にやってきてとても楽しい。
「やぎのさん、本の点数6点(真ん中の点数)ばかりつけてますね」と何回か言われた。
今回出展の「本当に面白いSDJの世界」という同人誌に寄稿していて、今回のSDJ(ドイツ年間ゲーム大賞)は個人的にあんまり刺さるものがなかったのだ。
あんまり厳しいことは書かないのだけど、書いていいと言われたので今回は書いた。よかったら読んでみてほしい。

一通り回り、何人か一緒のコテージに泊まるお友達と集合もできたので、お昼に野外で行われていたビールフェスに行った。
牛タン串と冷やしおでんとビール。
サニーバードブースの売り子の方ともご一緒させていただいた。
テラミスティカ談義で盛り上がった。私もアンドロイド:ネットランナー談義で盛り上がりたい。

大祭に戻った後、静岡でおもちゃを売ってる方と出会った。
キッズゲームの話などで意気投合する。
こういう出会いも大祭ならでは。友情の証(?)としてアベニューのブラジルでしか売ってない拡張マップをいただいた。静岡最高すぎる。

その後、ゼロというゲームの大会に出た。
有名な人ばかりと同じ卓で緊張した。
ボードゲーム始めた頃から顔は知っているのに、今までずっと同卓してなかった方とも同卓した。
「大人になりましたね。」と言われてしみじみした。
思えばもうすぐボードゲームを始めて10年である。それはもう、ボードゲーム始めた頃の私と今の自分は他人の距離感である。
それだけ長くボードゲームを遊んでいても、実はゼロを初めて遊んだのは先月である。大会は真ん中くらいの成績だった。

大会が終わり、コテージで夕飯を待つ。
「わたしのボブジテン」を遊んだ。
「わたしのボブジテン」とは、お題が全部白紙で売られているボブジテン。今回遊んだボブジテンは、すでにお題が書き込まれている。持ち込んだ子の送別会の時に、記念品としてみんなで作ったものだ。
発売された当初は、買うことないだろうなと思っていたけど、贈り物として、セミオリジナルのボードゲームを渡せるというボードゲームの発想は、すごくいいなと今では思っている。
このボブジテンは私も書いているが、カタカナしか書いていないのに、漢字を使ってお題を書いているミスをしている。

このタイミングで全員黒ワンピースで、バイシクルのトランプ缶を購入していることに気付いたので、みんなで写真を撮った。
映えとかわいいとボードゲームに目がない私たちである。その全てが詰まった写真を撮った。

夕飯は、サラダからデザートまでフルコースだった。パスタとライス両方ついていて、とてもボリュームがあった。
みんなは大体、パスタかライス、どちらかを次の日の朝ごはんにしていた。私は全部食べた。
私は人よりたくさん食べる。

ご飯を食べ終わったら、温泉へ。
温泉施設は、銭湯のような感じ。普段来ないのでとても新鮮だった。
その話をしたら、「東京は銭湯のような施設が少ない。」と言われた。
たしかに生きてきて銭湯には2回くらいしか行ったことがない。
温泉に東京から来たお友達と一緒にだらだら浸かる。
私をボードゲーム大祭に誘ってくれた張本人。
淡路島に誘ってくれたのも彼女だった。
彼女とボードゲームをやるのはもちろん楽しいが、なによりも私が普段足を踏み入れない世界に連れてってくれたり、自分が考えたり思っていることをたくさん共有してくれるのが大好きだ。
性格的に合わないことがあっても、最終的に他人は他人で割り切っていく彼女は私よりずっと歳下なのに大人だなと思う。
私のボードゲームの世界をさらに広げてくれた彼女とこれからも遊んでいきたい。

温泉に入り終わり、ホテルの宴会場へ。
夜の12時まで、宿泊者にボードゲームのフリースペースとして明け渡されているのだ。
エモランを遊ぶ約束をしていたので、早速遊んだ。
「ボードゲームでムカつくこと」と言うお題。
一緒に遊んだ小学生の女の子が、「負けそうになったら、もういい!といって何処かへ行く」と書いていて、解像度が高すぎてびっくりした。今の子は小学生でもそういう経験をして、その場をどうするか考えてもきているのか……。
「インスト中に居眠りをする」の順位を低めにした人に、女の子は注意をしていた。
ちゃんとダメなことはダメと言えるのはえらすぎる。1番大人が子どもを見習うべきところである。

コテージに戻ってからも少し遊び、結局寝たのは3時だった。
楽しいことがたくさんありすぎて、身体が一つじゃ足りないし、目まぐるしく時間が過ぎた。1人で遠出する不安なんて、すっかり吹き飛んでいた。

友情の証
モノクロコーデ
ゼロ1回もできなかった

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