コーポエリーゼ 短歌
概要
フィオさん(noteでは、all_mooooshaさん)という方が企画された、「コーポエリーゼ」という企画に乗っかって短歌を作りました。本当は10首くらい作ってから、と思ったけど、一旦出します。
企画者のフィオさんが作者の意図などを聞くのがお好きなため、今回は創作意図、異動まで掲載します。小見出しが一応最終バージョン。その下に異動と意図を記述する構成で進めます。
拙い作者の拙い思考ですが、よろしくどうぞ。
※以下、コーポエリーゼのリンクです。
短歌
聞き慣れてぬるむ言葉とメロディは
もう聴こえない コーポエリーゼ
初:ひとときの 繰り返すメロディと 君の 単調なお話 雑談 囁き
もう聴こえない コーポエリーゼ
二:聞き慣れた 二人の音と(愛の言葉と)(二人分の)
メロディは もう聴こえない コーポエリーゼ
決:聞き慣れて ぬるむ言葉とメロディは
もう聴こえない コーポエリーゼ
【意図】
エリーゼと聞いて真っ先に思いついたのは「エリーゼのために」。有名すぎて聞き慣れた曲と、恋人同士の二人の関係性が繰り返す日々の中で徐々に…という関連性を持たせた着想。初めに思いつく言葉をできるだけ挙げていって、次の段階で絞り込んで、ストレートすぎる表現をぼかす、という過程。
もういない入居者を建物が懐かしんでいるという視点。
反省点としては、「エリーゼのために」への解像度が低いこと、ぬるむという言葉を僕自身が使いがち、ということか。
黄昏が顔馴染へと変わる場所
夢のとまり木 コーポエリーゼ
【意図】
異動のメモがない。黄昏を平仮名表記にするかどうか迷ったくらい。
コーポエリーゼの入居者募集チラシ用キャッチコピーを"勝手に"イメージして作成。
黄昏の語源、「たそかれ」(=あそこにいるのは誰ですか)という状態から、フィオさん配信枠の中で顔馴染みが増えていくことを表現。黄昏にはノスタルジーさもあるし、一方で、これから夜が始まるという不安もあるけれど、枠に行けば知り合いがいるじゃん、寂しくないね、という。
下の句は、それぞれの創作を夢と表現し、その夢が集まる拠点のような場所としてのコーポエリーゼ。
入居者から見たコーポエリーゼという視点。
黄昏の意味として、これから盛りをすぎるころ、という意味もあるが、あえてそこは無視することに。だって夜だって楽しいから。
小窓から漏れ出る色も声も字も
光も闇も コーポエリーゼ
初:小窓からのぞき見えるは各々の
〜 コーポエリーゼ
決:小窓から漏れ出る色も声も字も
光も闇も コーポエリーゼ
【意図】
コーポエリーゼに集まる人々がそれぞれに表現をしていることのイメージ。
初めの「各々」の表現が個人的には陳腐すぎて変更。
建物の外から眺めた時、それぞれの個性が窓から漏れ出ているという表現。もしかしたら窓は開けっぴろげの人もいるかもしれないが、そこはご愛嬌。
絵で描く人、歌を歌ったり雑談をしたりする人、文章を書く人を列挙。また、その表現内容には明るいものもあれば、仄暗いものもある、それらを受け入れるコーポエリーゼ、みんな集まるコーポエリーゼ。ここでnoteをまとめながら、黄昏とのリンクに気づく。
反省点としては、最後をコーポエリーゼにする縛りを己に課してしまったため苦しくなったこと(苦笑)
まとめ
何かを表現して、それを受け止めてくれる場所があるっていうことは、とても気持ちが良いものですね。