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エジプトのピラミッドでボラれを回避する方法

世界一ウザい、愛すべきエジプト

エジプト観光の大目玉「大エジプト博物館」が遂にオープンしました!
まだ試験公開の段階だそうですが(2025年1月14日時点)、早速ロンドンの友人から「2025年夏ごろ一緒に大エジプト博物館に行きません?」とお誘いがあった。

この博物館、日本国政府が大いに支援したこともあって、日本でも結構大きく報じられましたね。コロナが落ち着いている今、海外旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。20代の海外旅行への意欲が高まっていると先日のニュースでも報道されていました。多くは韓国や台湾を希望されているそうですが、エジプトなんてどうでしょう?ハードルが高い?ええ、そうなんですよ。

私がエジプトに行ったのは2017年の冬でした。冬と言ってもエジプトなので暖かったんですけど、モロッコ旅行の帰りにカイロに立ち寄っただけだったのに、このカイロという街がもうとんでもないカオスで、すごくびっくりしたのを覚えています。

そう感じた原因の一つが、ギザのピラミッドでの観光ガイドの押しの強さです。既にエジプトのピラミッドを訪れた先人の多くの方が異口同音に同じことを述べているかと思います。

「無理やりラクダに乗せられた後、お金をさらに払わないと降ろさないと脅された」
「写真を撮っただけでお金を請求された」
「写真を撮ってあげると言われて、撮ってもらったらお金を請求された」
「売っていたスナックを買ったらボラれた」

…などなど。さすが世界一ウザいという評判のエジプト。事欠きません。
中には「ボラれているのはわかっていたけど、経済力が違うのだから申し訳なくて、そのまま相手に言われるままの金額を払った」なんて方も。
いずれにしろ、せっかく大枚をはたいて何時間もかけてやってきたエジプト。嫌な思いをしたくないですし、楽しみたいですよね。

こう言うとボラれない

実は今回、私は嫌な思いもせず全然ボラれずに済んだんです。

まず私の周りにやってきた輩は以下の通り。

・「ラクダに乗せてやるよ~写真撮ってもいいよ~」という少年やおじさんたち
・トリック写真を撮ってあげるというおじさん
・トイレの場所を教えてあげるよというお兄さん
・ガイドが必要かい、としつこく聞いてくるお兄さんたち

この人たちをどうやって気持ちよくお断りしたか。
まず前提として英語を話せることが必要です。ペラペラでなくとも、片言でかまいません。エジプト人も片言の方が多いです。

そしてまず最初に、英語で「I'm alright, thanks(大丈夫です、ありがとう)」と言って首を横に振ります。要らないという意思表示を、相手のほうを向いてちゃんとしましょう。よく日本人の方は、逃げるように相手から顔をそむける方が多いように思います。
あと、大抵の場合こうした勧誘は一人ではなく、複数の人が見ている状態で行われるので、周りから見て「この人はNOと言っている」ということが明らかにわかるようにジェスチャーをします。

そのあと、まず99パーセントの確率で同じ勧誘がしつこくやってきます。同じ人がしつこく来ることもあるし、違う人が同じ勧誘文句でやってくることもあります。この時点で「あー!なんかヤダ!放っておいてほしい!」と思いますよね。
そこで私はみんなにこう言ったんです。

「Have you already said a prayer ?」

意味は「もうお祈りはしたの?」です。
プレイヤーのprayerはRの発音ですので気を付けてください。この単語を強調します。

そうすると、「えっ」と一瞬何を聞かれたのかわからないという反応をする人と、「まだだよ」とか「朝のは終わったよ」とか答えてくれる人が出てきます。
えっ、という反応を返した人には「Are you Muslim ?」(あなた、イスラム教徒?)と聞くとさらに良いです。

お気づきでしょうか、この言葉に答えた時点で、しつこく勧誘をしてきた人たちは自分たちがイスラム教徒であるという責任を感じるようになっているのです。
彼らだって、自分自身と家族のためにお金を稼がなければならない。そのために、エジプトの文化的背景ゆえに、日本人にはちょっとありえない勢いでしつこい勧誘をしてくるわけですが、これだけの会話で、しつこい勧誘が一気に収まります。

私はこの会話をすることによって、一度もボラれることも嫌な思いをすることもありませんでした。
中には「これからお祈りに行かなきゃとわかってるんだけど、今日は観光客が多いから、ランチを食べる時間すらないと思うんだ」と、会話を続けてくれる人もいます。日本人男性とは異なり、アラブ系男性はおしゃべりが多いのです。

こんな感じで、個人的な会話をちょっとするだけで、今までは「見知らぬ金ヅル vs お金をちょっとでもふんだくりたい地元民」という関係だったのが、「エジプトに関心がある外国人 対 家族のために頑張っているお父さん」という関係に変化するのです。こっちのほうが人間味がありますよね。こうやって個人的に関心を示すことによって、嫌な思いをせずにお断りすることができます。

なお余談ですが、トリック写真だけはお願いしました。他の観光客の方を観察していて、一人だけとても喜ばれているおじさんがいたので、その人から話しかけられたときにそのままお願いしたところ、とても上手なトリック写真を何枚も撮ってくれました。
撮ってもらった後は必ず写真を確認して。私はとても満足したので300円くらいあげました。金額は聞くのは野暮ですのでチップとして差し上げるのです。もし気に入らなかったら「もう少しこうして」と言えば、応じてくれると思います。

私の失敗談

すみません、ここまで書いておいて1つ失敗していたことを思い出しました!
スナックやアイスクリームなどを持ってくる人たちの対処方法を誤りまして、私はこの点で「失敗したな~」と感じたので備忘録までに記録しておきます。

ちょっと日陰で涼んでいると、そこに颯爽と現れる物売りたち。こうしたものを売りに来る人たちは、外国人にはまず間違いなく何倍かの金額をふっかけています。何せ彼らは何年間も、同じ場所で毎日外国人相手に商売をしているわけですから、相場をしっています。ですから「アイスクリームは100円だよ」と涼しい顔で言います。
「あ、日本と同じ値段なんだ、本当はもっと安いんだろうけどまあいいや、暑いし」と考え、私は素直に言われる金額を払ったのですが、その時私の周りに興味本位に集まっていた地元の小学生たちが次々に声を上げました。

「本当は10円だよ!」

物売りは私からお金を受け取りアイスを渡すと、さっとそのままいなくなってしまいました。

そう、ギザのピラミッドにやってくるのは何も外国人だけではありません。入口には外国人と自国民を分けるレーンがあるくらいです。
毎日が暑いエジプト。ピラミッドの陰になっている所に多くの人が涼みに来るのですが、中にはこういう修学旅行でやってくる地元の小学生や、旅行でやって来た地元のカップルや家族もいるのです。特にグループの中に子供がいたら、まず地元の方と思って間違いないでしょう。
そういった地元の人たちがいくら払っているかを最初に観察してから、私も同じものを同じ金額で買えばよかったのです。

それが、つい先走ってアイスを言われる金額で買ってしまい、結果として相場の10倍を払うことになってしましました。

もちろん、「日本と比べて同じような金額なのだから、いいのではないか」と考える方もいらっしゃると思います。
私は地元の経済バランスを、外国人が崩すのは好ましくないと考える立場ゆえ、「しまったなぁ」と感じたのですが、次回はもう少し観察眼を養いたいと思います。

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