クジャクヤママユ

あれが懺悔の象徴であるなら、私も倣おう。

人を助けたと思った。私の苦しみが1つ昇華された瞬間だった。ずっと悩み考え続けて取り扱うのだけは上手くなった、その苦労は、こういう人のために使うことの出来る力になったんだと。そのための時間だったのだと救われた。

でも、私は知っている。過去に傷つけた人はそれで癒されないことを。自分が新しく出会った人を代替にして、苛ましい過去へ影響できた満足感であることを。

傷つけることがいけないことだと身骨染みているのは、されて嫌だったからではない。傷ついた過去で研いだ刃物を人に向けたことがある。その時、私は加害者だった。そうやって嫌な過去を人に背負わせて、1つの関係を消滅させた自分におののくアラートが鳴る。

不誠実であった自分に思わず目をつぶりたくなる傲慢さが美しい克服譚することへのブレーキをかける。鈍感に細部をなぎ倒すなら、それはジャンクフードだ。

人助けをした。だから、を過去にも未来にも繋げない。事実は既に観測へ。願望によって歪めるのは人間。

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