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【学園ラブコメ邦画研究】第1回:『君に届け』

トップ画像:(C)2010映画「君に届け」製作委員会 (C)椎名軽穂/集英社

映画情報
監督:熊澤尚人/脚本:根津理香、熊澤尚人/音楽:安川午朗/主題歌 :flumpool『君に届け』
配給:東宝/上映時間:128分/公開:2010年9月25日/興行収入:15.3億円
出演:多部未華子、三浦春馬、蓮佛美沙子、桐谷美玲、夏菜、青山ハル、金井勇太、富田靖子、ARATA、勝村政信

原作情報
作者:椎名軽穂/連載誌:「別冊マーガレット」(集英社)
連載期間:2005年12月~2017年11月/単行本巻数:30巻
受賞歴:第32回講談社漫画賞少女部門受賞(2008年)

まえがき
1年間に数本は公開され、公開週には多くの観客を映画館に呼び込み、たしかに日本映画興行に少なからぬ影響を与えているにもかかわらず、映画評論みたいな場ではほとんど存在を無視されている学園ラブコメ邦画。そんな不遇のジャンルをきちんと研究してみたく、本連載を始めてみた次第です。

一応現時点での方針としては、記事ひとつにつき学園ラブコメ邦画と思われる作品を1つ取り上げて、その内容を分析するという形にしています。もっとも、まだ初回でフォーマットなどは確立されておらず、おいおい整理していきたいと思っています。また、記事を書く時点では原作(ほとんどが少女漫画)には当たっていません。単純に時間の余裕が無いからですが、どこかのタイミングでフォローしようとは思っています。

では、第1回は『君に届け』の分析を始めて見たいと思います。なお、ここから先はがっつりネタバレしていますのでご注意ください。

主要キャラクター

主人公

黒沼爽子(演:多部未華子)
学園ラブコメの定型である「気が弱くて友達もできず学校で浮いている」パターン、名前を付ければ「ぼっちタイプ」なのだが・・・。髪が長く目つきが悪いなどの見た目により、周囲からは「貞子」と呼ばれ「目を3秒合わせたら呪われる」と噂されている。ただこれ、陽キャからのイジメ・イジリとかではなく、本気で呪われると恐れられており、話しかけても「ごめんなさい」と全力で謝罪されてしまうほどなのだ。爽子のほうもおかしくて、実際には呪いの力など無いため「どうしよう、期待に応えられない」と悩んでいる。悩むところそこか? 主人公のキャラ設定としては異例中の異例。

イケメン

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