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【エンタメ日記】『文学フリマ東京37』『水曜日のダウンタウン』「名探偵津田」『法廷遊戯』2023/11/11~11/18

体調不良などにより日記の更新が滞りまくってますので、11月については細々としたもの(競馬とか)は省略します。

2023/11/11(土)

【イベント】文学フリマ東京37

設営、もうちょっと何とかならんか

個人的には、1年で最も重要な日。毎年恒例となった同人誌「邦画の値打ち」の最新刊を、11月の展示即売会「文学フリマ東京」で卸しているのだ。いや、本当は「おもしろ同人誌バザール神保町」のほうが早いんだけど、あっちは全然売れないんで。

理由は不明なのだが、この「邦画の値打ち」は、文フリだけ妙に売れる。今回は、新刊「邦画の値打ち2023」が9部、既刊と併せて合計22部が購入されました。ありがとうございます。同人誌を作り始めて6年目にして、やっと収支がトントンくらいになりました。

さて、今後のことを考えれば新たな読者を開拓すべきなのだが、ボクの同人誌から縁遠い最も大きな層がどこかというと「知り合い」なのである。たとえば旧Twitterの相互フォロワーとか、まず買わない。一応、旧Twitterでの告知も精力的に行っているけど、名乗ったうえで買って頂いた方は1名ですね(ありがたいです)。顔を知らないので名乗らずに購入している可能性はありますが。しかしまあ、「知り合い」に向けてどうアピールすればいいのか、皆目見当がつかない。

2023/11/15(水)

【TVバラエティ】『水曜日のダウンタウン』「名探偵津田 後編」TBS

ダイアン・津田篤宏を「小さな集落で次々と人が死ぬ連続殺人事件」に巻き込んで探偵役をやらせるという、2週にわたって放送されたドッキリ企画。これがミステリ好きとしても注目すべき点が多々あった。まず、「遺体」の死亡推定時刻を割り出した医者がシンプルに誤診というのが衝撃である。これ、フィクションのミステリでやったら噴飯ものだけど、現実であの状況ならありえなくもない。そして、実はこの「遺体」は、生きている人間が死んでいるふりをしていた。ミステリでたまに登場する「遺体のふりをする人間」は、実際に騙せるのか疑問が湧くことが多々ある。しかしこれは大枠がドッキリであるので、津田を含めた全員が「遺体のふりをする人間」は「遺体」だという体で扱う暗黙の了解が出来上がっている。つまり、ドッキリの中の世界では、「遺体」と「遺体のふりをする人間」を見ただけで判別するのは不可能なのである。そこを逆手に取るとは。
後編では、芸人のみなみかわ(こちらもドッキリで連れてこられる)が津田の元に合流する。この津田とみなみかわのコンビが、まさかのミステリにおける探偵と助手のある種のパターンに沿っていた。巷では有能とされるが実はそれほどでもなく、やる気もないし愚痴も多いダメ探偵。その探偵をフォローしつつ、事態を常に俯瞰しており冷静にツッコミを入れ、時にはメタ発言もする優秀な助手。最近多いやつじゃん。もっとも、このタイプの助手は美少女であることが多いが、今回は大男だったわけではあるが。
何より斬新なのは、本来ならば綿密な構成が必要とされるミステリにおいて、何も知らない芸人を芯に据えることで、物語にも曖昧さが出てくるのである。この味わいが、ジャンルの新たな可能性を彷彿をさせる。なんだかんだで、2023年のミステリを総括するうえで外せない一作なのは間違いない。

2023/11/18(土)

【邦画新作】『法定遊戯』深川栄洋監督

新宿バルト9で鑑賞。公開から1週間経っているが、若い女性客が多い。ああ、これ、主にそっち方面の需要なのか。
原作は未読(著者の他の作品は読んでいる)だが、おそらくは司法制度への問題提起としての側面が強いのだろう。映画も、現実の司法システムに対する挑戦が第一にある。それはわかるのだが、結末をあやふやにしたリドルストーリーとしか捉えられない着地は、はたして目的に合致していたのか。序盤に登場するとある人物が戯画化されたハイテンション演技だったので、どうせなら一種の舞台劇のように全ての役者が大声で喚き立てるほうが、現実を小馬鹿にする意味でも面白くなったかもしれない。会話主体となる舞台劇は法定とも相性がいいし、ラストの彼女の壊れっぷりにも大きな意味が出ただろうから。せっかく、柄本明をキャスティングしているのだし。

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