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【短文レビュー/ミステリ小説】『少女には向かない完全犯罪』方丈喜恵・著・・・幽霊となった”犯罪請負人”の男と小学6年生の少女による、でこぼこバディの活躍
幽霊(厳密にはまだ死んでおらず、生死を彷徨っている状態)が自分を殺そうとした犯人を探し出す、ミステリでたまにあるパターン。また、そんな幽霊となった”犯罪請負人”の男が相棒とするのが、幽霊を認知できる小学6年生の少女であり、でこぼこバディものとしての面白さをメインとしている。著者の何度も何度も捻りを加えてやたらと構成を複雑にする癖(これまで年末のミステリランキングに恵まれなかったのは、この癖のせいだと思う)は、本作においては直線的な流れの中で整理が行き届いており、目まぐるしく変化する状況と少女の成長を並走させていた。毒入りチョコレートを始めとする古典ミステリへのオマージュも盛りだくさん。