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【短文レビュー/邦画新作】『愛に乱暴』森ガキ侑大監督

トップ画像:(C)2013 吉田修一/新潮社 (C)2024 「愛に乱暴」製作委員会

監督:森ガキ侑大/脚本:森ガキ侑大 山﨑佐保子 鈴木史子/原作:吉田修一
配給:東京テアトル/上映時間:111分/公開:2024年 8月30日
出演:江口のりこ、小泉孝太郎、馬場ふみか、水間ロン、青木柚、斉藤陽一郎、梅沢昌代、西本竜樹、堀井新太、岩瀬亮、風吹ジュン

「周囲から無碍に扱われている状況に鬱屈している主婦」の一人称視点で話は進む。夫や義母といった人々から受ける理不尽は次第に膨らみ、主人公に共感を半強制させられている観客のボルテージも上がってきたところで、視点人物自身の理不尽も露わになり、話の構造は反転する。ありがちな作劇ではあるが、では本作のオリジナリティは何だろうか。「この人はおかしくなってますよ」と示す具体的な行動が『逆噴射家族』の縮小再生版みたいだったのは、発想の限界を露呈している気がしてならないが。連続放火事件をはじめ、周辺の要素が映画的にまとめられていないようである。

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