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【短文レビュー/邦画新作】『恋脳Experiment』・・・映画の中に同じテーマのアートを内包した回りくどい入れ子構造状態は意図したものか?
監督:岡田詩歌/脚本:岡田詩歌、岡田和音
配給:ストロール/上映時間:110分/公開:2025年2月14日
出演:祷キララ、平井亜門、中島歩、河井青葉、大月美里果、佐藤和太、二見悠、中山雄斗、門田宗大
予告や公式のあらすじでは、この主人公は「恋をしなければ」という「呪い」にかけられているとされている。だが実際には相当に自身を客観視できており、恋とは何なのかと身体を張って実験を繰り返している、という印象を受ける。で、その実験結果のレポートがコンセプチュアル・アートとして提出されるのである。ただ、映画作品の中に同じテーマのアート作品を内包しているために、回りくどい入れ子構造状態になっているわけだが。細かい単位での男女あるある描写は、両人とも間違っているため可笑しさが増幅されていた。ネイルしたままおにぎりを握るとか、山登りの格好が膝上のハーフパンツとか、特に触れられない細部に何かが宿っている。もっとも、昨今このジャンルは飽和状態であり、同系統の話題作たちよりも抜きん出ているかと言われると難しいところ。